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明日は我が身の「アスミー」①仲間が被災した!

2020年7月17日、一つの法人を立ち上げました。
「明日は我が身」という考え方から名前を取った一般社団法人アスミーです。
何をしているかと端的に説明すれば、以下の感じ。

災害があれば現場の最前線でまちのために働くのが私たち公務員。
その時、家族を犠牲にしていませんか?
自分も家族も犠牲にしない
そのための公務員の仲間による互助の仕組みがアスミーです。

仲間が被災した!

さてこのアスミー、設立からまだ半年ほどですし、新型コロナウィルスの影響もあり思うような活動が出来ていない部分もありますが、そもそもなぜ立ち上げたのか。

そのきっかけは2019年10月に日本に上陸した台風19号(令和元年東日本台風というらしい)です。豪雨によって日本各地に甚大な被害をもたらしたんですが、私の友達である八島さんが宮城県の丸森町に住んでおり、強烈な水害にあいました。
まちに流れ出た水は3日ほどひかず、ライフラインは分断。主要な公共交通である阿武隈鉄道も土砂流入により完全に動かなくなってしまいました。

友達と書きましたが、当時は実は直接会ったことはなかったんです。八島さんとは台風が来る1ヶ月ほど前の9月に、「市役所をハックする!」(説明は下)という場でオンラインで繋がった公務員仲間でした。私は兵庫県高砂市、八島さんは宮城県伊具郡丸森町、車で800㎞以上離れているのに繫がるのはオンラインの良さですね。

「市役所をハックする」とは

日本中のさまざまな地域で活動する公務員(※その中心は何といっても長野県塩尻市の日本一おかしな公務員山田崇さん)が仮想市役所(オンライン投資型サロン)に集まり、それぞれの地域の課題を官民連携等による「共創プロジェクト」により解決を模索する取り組みとして2019年10月にスタート。
地域の課題にコミットできる私たちが、理想とする地域の未来を想い描き、集った官民の仲間と共に手足を動かし、プロセスを可視化し、成功も失敗も全て共有しながら地域を変えていく。

これまでの活動の中で、各地のベストプラクティスを広げていく「民間企業と連携しやすい自治体100選」の研究や、予測不可能な未来に備える公務員どうしの助け合いの仕組み「一般社団法人アスミー」設立、世界の自治体の先駆事例を学び、未来の自治体を構想していく「世界の市役所をハックする!(通称:モリゼミ)」といった共創プロジェクトが産声をあげました。自由な議論と実行の中で、共創による未来がはじまります。あなたの想いを地域に実装する時です。

オンラインサロンで毎週行われている定例会、ZOOMの画面から「すまない」という言葉を残して八島さんの姿が消えます。彼は丸森町役場の自治体職員です。丸森町が被災すれば当然最前線で災害対応に当たらないといけなのです。オンラインで仕事以外のことを議論する余裕はありません。現場は大混乱です。町役場なので潤沢な数の職員もいないでしょう。

税金で飯食ってる公務員の義務?

私も神戸市役所の土木職という技術職員です。阪神淡路大震災の時はセンター試験を終えた直後の高3生だったので、自治体職員として大震災の対応経験はしていませんが、東日本大震災の時は仙台市に派遣されたり、その後のプライベート活動として被災地のボランティアをやったりしています。岡山県の真備町(下の写真:真夏の作業で熱で死にそうだった)、長野県の千曲川、千葉県も茂原市などいろんな場所でも活動した経験があります。

真備町ボランティア

そんな被災地を見てきた経験から、
「これは絶対八島さんが大変なことになっている」と感じ、同時に、
「八島さんのご家族がもっと大変なんじゃないか」と心配しました。

私たちは税金でお給料をもらっている公務員です。「お前たちは俺たちの払った税金で飯食ってるんだから災害時は死ぬほど働いて当然!」と心無い言い方をされることも「公務員あるある」です。公務員のみなさんは経験あるんじゃないかな…

八島さんも公務員。心無い言葉があろうとなかろうと関係なく、自治体職員の職務として、災害時は地域住民の保護と対応が最優先になります。
そしてたとえ自分の家や家族が被災していても、自分のところの対応は後回しにするという認識は、全国の自治体職員なら当たり前のことです。

八島さんが全力で働いている姿は容易に想像でき、そして家族を置き去りしなければならない状況にあることも予想できました。

「八島家を救おうプロジェクト」始動

すぐに行動できる尖った公務員の集まる「市役所をハックする」です。メンバーに声をかけ、すぐに「八島家を救おう」というプロジェクトを掲げ、行動に移りました。(続く)



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