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【会社にドローンがやってきた:19】撮影現場は収穫の山

【前回のあらすじ】撮影は外部へ依頼。ドローンスクールから教材が届き「トイ・ドローン」に夢中になる。

(2023年3月)
「撮影の立ち会いに来る?」

外部に依頼したマンション撮影の仕事だ。現場は自宅から電車で片道約2時間。撮影日は休日だが、今回を逃すと次の保証はない。行くべきだろう。

そして当日。私用を済ませ、昼過ぎに現場に到着。
「本物のドローンパイロット」のお仕事拝見である。


初見でまず驚いたのはその服装。反射材のついた青い作業着で、あたかも道路工事の現場で交通整理をするような格好である。それが、操縦者と補助者の2名。

YouTubeを見ると、海外でTシャツ短パンで楽しそうに飛ばしている映像もあるが、どうやらここ日本では交通整理のような服装が「正装」らしい。どちらが良いか悪いかは別として、仕事を依頼する側から見た第一印象は、こちらのほうが安心感はあるように思う。
服装には無頓着な僕だが、ドローンに限っては見た目にも気を配ろう。自分用の「正装」を用意しよう。

準備段階では、操縦者のカバンやポケットから「ドラえもん」のように謎のアイテムが次々と出てくる。それらを補助者と阿吽の呼吸でセッティングする様子から、多くの現場を経験してきたことを推測できる。
これがプロってやつか。

アイテムの一例

タイミングを見計らって自己紹介を済ませ、撮影の様子を記録することの許可を得て、アタマに入りきらない情報をスマホに残す。

まもなく撮影が始まり、きっとこれもそういうルールなのだろうが、プロペラの始動前に建築現場の指差し呼称のような声出しの「儀式」があり、浮上後もパイロットは「前進」「上昇」など声を出しながら操縦している。どうやら仕事で飛ばすためには、操縦技術以外にも知るべきことがたくさんあるようだ。

今までオフィスでしか飛ばしたことのない「お座敷パイロット」の僕としては、天井よりもはるかに高く上昇するドローンを見て、感動というよりも恐怖を覚えた。
高度が上がれば上がるほどドローンは豆粒のように小さくなり、機体の向きなど全くわからなくなる。操縦は完全にモニターだけが頼りだ。もしここで機体に異変が生じたら、どうやって対応するんだ・・・?

撮影中、パイロットは機体を見ない。補助者の声とモニター、そして自分の指先に全集中している。

撮影終了後、パイロットと少しだけ話ができた。
ドローン撮影前は「スタジオで動画を撮影していた」とのこと。やはり、以前質問攻めにしたカメラマンもそうだが、今までの撮影の経験や知識がドローンでの武器になっている。

あともう一つ、興味深い話を聞いた。

「ドローンを自由に飛ばせる人は何人もいるが、質の高い映像を撮れる人はとても少なくて、人手不足。」

ラジコン小僧がいくら飛ばす練習をしても、それだけではダメらしい。そう感じてはいたが、プロのドローンパイロットから直接聞き、映像技術の重要性をあらためて感じた。

はじめてのドローン撮影現場はこれで終了。そばでじっくり観察させていただき、多くの収穫を得た。業者さんのノウハウをここで暴露することは避けます。

そして4月。首を長くして待っていたドローンスクール通いが、ようやく始まる。


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