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【会社にドローンがやってきた:18】4台目のドローンは疑似マニュアルモード。

【前回のあらすじ】現場経験者とオンラインで会談し、質問攻めに。会社にはドローン撮影の仕事が舞い込む。

(2023年2・3月)
撮影対象はマンションで、時期は約1ヶ月後。この先、動画担当者が絵コンテを作成しクライアントと詳細を詰めていく。ドローンについても事前に関係各所に連絡や申請が必要なはずだ。リーダーにそれを伝え、僕にできることは終了。

撮影は、外部に委託することになった。
先日僕が質問攻めしたカメラマンを経由して、付き合いのある会社をご紹介いただいたようだ。



2月中旬、本社に進めていただいた助成金の申請が完了し、ドローンスクールの4月コースに申し込んだ。

これで、この先の流れを計算できる。会社にドローンが届いてからここまで約4ヶ月。今後は順調に進めば下記のようになるはずだ。

1.民間資格を取得(4月)
2.包括申請〜認可取得
(5月)
3.空撮業務が可能に。
(6月)

そして3月。ドローンスクールから数冊の教本が届く。全部重ねると昔の電話帳ほどの厚みがあり、本の厚さが「読む・読まない」の判断基準になる僕にとって、これはかなりヘビーだ。

届いたものはもう一つある。体験コースで飛ばした「トイ・ドローン」。興味があるのはもちろんこっちだ。教本と重い気持ちを、軽々と意識の外へ吹き飛ばす。

名前はLUCIDA(ルシーダ)。実売価格:約1万円。

プロペラ比較


dji mini 3 pro の安定感は抜群で、今まで屋内で想定外の動きをすることはなかったが、LUCIDAを同じように飛ばそうとしても「誤差」が大きく、とにかく指が忙しい。比較対象がケタ違いの金額と性能なので、一層そう感じてしまう。5分ほどしか飛ばせないのはトイ・ドローンの宿命だが、それでもいい練習になるのは間違いない。

誤解のないように補足するが、LUCIDAの性能が悪いと言いたいのではない。目視内での単純な飛行やホバリングは、dji mini 3 proが簡単すぎるのである。

国がマニュアルモードを必須とする理由は、想定外の動きにも対応できる技術を求めているから。
皮肉なことにdji mini 3 pro は、その性能のせいで危機回避の技術を磨くことができないのだ。

なぜ飛行申請に「マニュアルモード10時間」が必要なのか、この体験でなんとなく理解できたような気がした。これから通うドローンスクールが、数多くのトイ・ドローンの中から何故この機体を選んだのか?についても、きっとそれなりの理由があるのだろう。

この日を境にオフィスで飛ばす機会はめっきり減り、自宅で「LUCIDA」とたわむれることが多くなった。

オフィスでdji mini 3 proを飛ばしていて一番厄介なのは、帰宅後のスタッフの机の上の書類が飛んでいくことだ。フライト前に見回りをしてオモリを乗せ、飛行後はそれでも飛んでいった書類の持ち主をカンで探す。
翌日「昨日飛ばしたでしょ。配置が変わっている」と、よく言われたものだ。

自宅でも飛ばしたことはあるが、テーブルの上の小物が次々と飛んでいき、家族から総スカンを喰らい「飛行禁止区域」に指定されてしまった。

トイ・ドローンのLUCIDAなら、そういったことはない。疑似マニュアルモードを気軽に体験できる練習機として、今でも役に立っている。


3月中旬。当然といえば当然の流れだが、リーダーから声がかかる。
「ドローン撮影の立ち会いに来る?」

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