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医療につなげてほしかった

気付き


最近、YouTubeで猫ミームの動画を見ました。統合失調症を発症された方の体験談をもとにつくられたものです。ご本人も大変な症状に悩まされていましたが、家族が愛情を注ぎ、適切な医療機関の力を借り、社会復帰を果たすという動画でした。私はそれを見て、とてもうらやましく思いました。

私の認知が歪んでいるのは、家族の影響が大きいと思います。私の家族は、私が精神や体の不調を訴えた時、異常行動を起こした時、医療機関ではなく霊媒師に頼りました。当時、小学生の私は「こいつら全員バカだ」と思いました。


保護者たちの頭が悪いとどうなるか


現実が見えていない保護者に育てられた場合、子供は不幸になると思う。これは私の体験に基づく独断と偏見であり、実際に子育てをしている人たちを揶揄する意図はない。ただ、私の母、祖母、曾祖母が頭の悪く学歴もない常識外れのスピリチュアル女であり、私はその被害者だったというだけの話である。

私は幼少期からひどいストレスを感じながら育っていたと思う。家も学校も塾も、どこにも安らげる場所はなかった。家では祖母が私を延々と罵倒し、学校では特定の同級生に付きまとわれて暴力と暴言を浴び続けた。犯罪教唆もされた。断るとまた殴られた。先生は嫌そうな顔をして通り過ぎるだけだった。その子とは送迎も含めて塾も一緒だったが、母はなにもしなかった。家はゴミ屋敷だったので、無数に害虫とネズミが湧いた。気色悪くて不眠症になった。毎晩咳が止まらなくなった。毎日気持ちが悪くてお腹が痛かった。授業に集中できずに怒られた。帯状疱疹が出た。学校に行きたくないと言っても「お金を払ってやってるのに」とお金を出していない祖母に怒られて意味がわからなかった。世界には理不尽しか無いと思った。

私はおかしくなった。誰もいないところに話しかけたり、壁に頭を打ち付けたりして暴れるようになった。夜に布団をかぶって絶叫するようになった。窓には段ボールを貼り付けて光が入らないように部屋を改造した。その他にも言えないようなことをたくさんした。私に理由も聞かず家族は私を怒鳴りつけるばかりだった。皆◯しにしてやろうと本気で思っていた。

そして、数ヶ月すると私の前には胡散臭いオバサンが現れた。オバサンは有名な霊媒師らしかった。オバサンは私を見ると「お宅のお墓が立派だからまわりの無縁仏が嫉妬している。無縁仏も供養しなさい」とだけ言った。そして家族からありがたがられ、分厚い封筒を受け取って帰った。こんな状態になっても私を心配せず、話も聞かず、貧乏なくせに知らないオバサンに大金を出す家族を「バカだ」と思い、心底呆れた。もう何をしても無駄だと思い、そこからは何もしなくなった。家族は無縁仏を供養したから私が戻ったとでも思っているのだろう。おめでたいことだ。


変われていたかもしれないという後悔


そういうわけで、私は認知の歪みを治すチャンスすら与えられなかった。霊媒師に渡された分厚い封筒の中身があれば、十分に医療支援を受けることができたのではないか。あの時、身内に一人でも正常な判断ができる人がいれば、私は精神疾患を治療する機関と繋がれていたかもしれない。そこで認知の歪みを直し、自分と向き合うことで、まともな人生を送れていたかもしれないと思うと、本当にやりきれない。

大人になってから母親に「どうして病院に連れて行ってくれなかったの?」と訊ねると、「どうしていいかわからなかったんだから仕方ない」と、謝罪もなく開き直られた。心底呆れた。

今は、かつての無念を少しでも解消するために、自分で稼いだ金で精神科に行き、カウンセリングを受け、ほかの人間を観察して、本を読んで、「普通の人間」に近づこうとしている。他の人と比べて遅すぎるが、私はようやく「人間」のスタートラインに立てたような気がする。

私はこんな人生を送ってきたから子供なんてほしいと思ったことはない。そして、今回の親からの返事を受けて、その意思はより固くなった。こんな遺伝子を持って生まれてくる子供がかわいそうだ。

私はこの先、今までの人生の損失を取り戻せるくらいの、大きな希望と出会うことはできるのだろうか。

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