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フリーランスの駆け引きみたいなやつ。

恋愛の駆け引きは楽しい。
押したり引いたりしながら、最終的に追いかけてもらえたら嬉しい。

…なーんちゃって。
昔のこと過ぎて、思い出が相当美化されちゃっている。駆け引きほど苦手なものはなかった。すぐ追いかけちゃってさ。笑

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以前業務委託契約でお世話になっていたWEB広告会社の先輩から、個人的に仕事を受けている。

どんな仕事かというと、ある業界の経営者向けのビジネスセミナーの集客や営業サポートを代行している先輩2人から、電話での営業サポートや、動画編集の仕事を頼まれている。
動画に関しては、依頼されたタイミングで、この案件なら7,500円、この案件なら30,000円など、労力等から算出し、こちらの言い値でやらせてもらっている。

ひとつ悩ましいのが、私にとっては、動画編集の方が手間も時間もかかるのだが、電話での営業サポートの仕事の方が彼らにとって価値が高いのか、割がいい。ぶっちゃけると、電話で40分ほど対応しただけで、動画編集の作業で4~5時間かかる仕事と同等の報酬をもらう。なので、動画編集より、電話対応の仕事だけさせてもらえた方が楽だし、そうさせてくださいと言いたくなる。

そんな自分に、「人間とは楽したいものだし、強欲なものだなぁ」とあきれてしまったりもするのだが、そりゃ仕方ないよね、とも思う。
でも動画の仕事もやっぱり楽しくて、もっとスキルを伸ばしたいなと思ったりもする。

ところが、2週間ほど前、さらに悩ましい出来事があった。
「単に動画を切り抜くだけでいいので、こちらを急ぎでやってもらえないか」という依頼が入って、それによって、やりかけの仕事を中断しなくてはいけなくなった。そういう点でも、5,000円くらいはいただきたいなと思った。

しかし、その作業は、考える必要のないもので、動画広告のように台本を書く必要もなく、「アタマを一切使わない仕事」であった。
その時ふと、「この仕事に、いくら払ってもらえるんだろう?」と疑問が湧き、先輩に正直に聞いてみた。すると、

「難しい質問ですが(笑)1時間くらいでできることを考えると1,000円くらいでしょうか。とはいえ、なるべく意向に沿いますので…!」
といった趣旨の返答があった。

軽くショックを受けた。
マジか、私なら1時間では終わらねーぞ…それに、集中してやっていたこの作業を中断して、しかも予定外にちょっと忙しくなってしまうのに、この作業に1,000円しかもらえない…だと…断りてぇ…

聞かなきゃよかった、という思いと、
聞いて良かった、という思い。

それに、もしや、お金をいただくということに関して私は図々しくなっていたのか…?と混乱した。

とはいえ、安売りしたくもないしなぁ、と苦悶した。

結局、私の1時間の最低賃金は1,500円と決めているので、この作業を1,500円で受けることにした。

今後の付き合いや、チャンスなども考えて、これはこれでいいか、と収めた。

今週、動画広告を2本納品したのだが、大部分を過去の動画から使いまわしたので、大した労力がかからなかった。本来1本あたり7,500円をいただくと決めていたのだが、さすがにこれで7,500円はセコいよなと思い、「後半部は使い回しなので、2本で10,000円で結構です」と連絡したところ、
「いえ、こちらはちゃんと報酬支払いたいので、7,500円×2お支払いします。いつも感謝しています」と返事があった。
とてもありがたいが、仕事の労力と価値がまた脳内であべこべになってしまった。

セコいと思われたくなかった気持ちと、
安売りはしたくないが、継続的なお付き合いのために、一歩下がってみたつもりであったが、なんとも難しい。
毅然とした態度、プライド、そういったものを身に付けたいけれど、ある部分では柔軟に折れたりサービスしたりも必要なんじゃないのか。いや、必要ないのか。そのあたり、恋愛と同様、私にはかなり難易度の高い問題である。


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長橋 知子
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