トウモロコシ粉を発酵させたガーナ料理~日本人の口に合わない、でも一度ハマると抜け出せない!
さて、これまではフフ、ジョロフライス、ヤムイモ、プランテンバナナを紹介してきました。
実はこれらは日本人の口にもとても合うものでもあります。しかしながらガーナにはこれ以外にもよく食べられている料理があり、中には日本人にはちょっととっつきにくいものもあります。今回はそんな日本人にとってややハードルが高い食べ物を紹介します。
バンクー(Banku)
多くのアフリカの国ではトウモロコシ(メイズ)が主食として使われます。ケニアのウガリ、マラウィやザンビアのシマ、ウガンダのポショなど。
そしてもちろんガーナも例外ではありません。ところがガーナの場合ほかのアフリカの国と特徴が異なるようです。ガーナでトウモロコシを使用する料理は、軒並み発酵させて使用します。その代表的な食べ物がバンクーです。
バンクーは発酵したトウモロコシの粉を湯がき、練ったものです。ガーナでは主にオクラのシチューと合わせて食べます。
実はこの発酵させたトウモロコシ粉の酸味がかなり強烈で、多くの日本人は最初に食べたときに抵抗を感じます。そのためACEの日本人スタッフがガーナでモニタリングするときはバンクーが提供される回数が減るか、場合によっては一度も提供されないことも多いのですが、どうもガーナ人スタッフだけでモニタリングするときはバンクーが供されることがかなり多いのだとか。
ただ、多くの日本人は初めはなかなか食べられないのですが、何度も口にして舌が慣れてくると逆にこの酸味が癖になり、フフなどよりも好きになるという人が多いようです。
かく言う筆者(近藤)もその一人です。ACE入職以前、青年海外協力隊時代にガーナに滞在していたころ、最初は全然食べられませんでしたが、任期の終わりごろはかなりハマっていました。
ケンケ(Kenkey)
バンクー以外にもトウモロコシを使った主食がこのケンケです。ちなみにこのケンケもトウモロコシを発酵させて作るのですが、その発酵度合いはバンクーよりも強いのが特徴です。
バンクーがレストランのような場所で供されるのに対し、ケンケは軽食スタンドのような場所で供されることが多いです。
また地域によってかなり作り方や味が異なるのも特徴です。例えば、ACEがプロジェクトを実施している地域ではトマトベースのソースと唐辛子を混ぜて食すことが多いですが、シトと呼ばれる小エビを香辛料とパームオイルで煮詰めたソースで食べる地域もあります。ガーナ北部ではピーナッツソースと合わせて食べるところもあります。
このケンケはバンクーよりも酸味が強く、よってバンクー以上に日本人にとってハードルが高いです。
長くガーナにいる日本人でも最後まで食べられなかったという人が結構いますが、その一方で、先に述べたバンク―と同様、一度食べられるようになると他のどのガーナ料理よりもハマってしまうという人もいます。
実は筆者もそのケンケにはまった一人です(笑)。時々ケンケの写真をSNSなどに投稿すると、かつての協力隊員仲間からものすごくうらやましがられることがあります。
TZ(ティーゼット)
最後に紹介するのはTZ(ティーゼット)と呼ばれるものです。正式にはトゥオ・ザフィ(Tuo Zaafi)というのですが、多くのガーナ人はTZ(ティーゼット)と訳して言います。
これは雑穀(ミレットやソルガム)を使った食べ物で、バンクーやケンケなどのように強烈な酸味があるわけではないので、日本人にもそれほど抵抗があるわけではないです。
ところがこの食べ物はACEがプロジェクトを実施するガーナ南部の地域や、首都アクラではそれほど目にすることはありません。むしろガーナの北部でよく食べられます。
筆者はかつて青年海外協力隊員だった2年間、ガーナの北部(タマレという町)に滞在していました。その時にこのTZはよく食べていました。またACEに入職してからは、今から5年前にガーナ北部に出張した時に、久しぶりに食べることができました。本当に懐かしかったです。
ちなみに、このTZとよく似た料理が、ガーナ北隣のブルキナファソやマリといったサヘル地方の国々でもあるといいます。材料となるミレットやソルガムなどの雑穀がサヘル地方でよく育つからだとも言われています。ガーナ北部はサヘル地方と気候が似ていることも関係しているのかもしれません。
これまで、フフ、ジョロフライス、プランテンバナナ、ヤム、バンクー、ケンケ、TZといった料理を紹介してきました。ガーナにはこれら以外にもACEスタッフもよく知らない食べ物がたくさんあります。もしご興味がある方は、ぜひガーナに行って発見してみてはいかがでしょうか?
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