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#12 雪隠と留学 [第3部 スペイン編] ep.I 「晩餐」

2017年8月、札幌自宅

 札幌最後の晩餐はやはり手巻き寿司。そしてドイツ産スパークリングワイン(Sekt ゼクト)。ドイツワインはフランスワインなど他の国のワインと比べて背が高く細身の瓶が多い。

 ここまで長い道のりだった。

 日本人がスペインに三ヶ月より長い期間留学する場合は学生ビザの取得が義務付けられている。(※現在の手続きとは一部異なります)
申請期間は出国前の三ヶ月間である。なおビザの受け取りは申請から約二ヶ月を要すると大使館サイトに明記してある。つまり一か月以内に必要書類を用意し、申請する必要があるのだ。申請は六本木にあるスペイン大使館へ必要書類を渡航者本人が持参しなければならない。
郵送や代理提出は例外なく認められない

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受け取りも同様だ。提出書類は、ビザの申請書、住民票、パスポートの原本及びコピー、留学先大学発行の留学証明書を英語とスペイン語それぞれ一部ずつ、健康診断証明書、そして日本警察の無犯罪証明書である。健康診断証明書と無犯罪証明書は取得から一ヶ月のみ有効だ。無犯罪証明書は北海道警察本部で取得できるが、そのためには記入済みのビザの申請書、住民票、パスポートの原本とコピー、在学中大学発行の留学を証明できる文書を提出しなければならない上、申請から発行まで一週間を要する。

 まずここで疑問なのは記入済みのビザの申請書だ。

これは警察のホームページ等には一切記載がなく、直接問い合わせなければわからないもので当日初めて知らされた。

これは記入してあるだけで当然大使館には提出等されていないため、何の効力も持たないのである。
つまり、メモ帳に落書きされたものと何ら変わりはない。なぜそんなものが必要不可欠なのか解せない。急いで近くのコンビニへ走り、ノートパソコンでダウンロードしたビザ申請書をその場で記入して提出した。

果たしてこの書類に何の意味があるのだろうか。

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その場で担当者に尋ねたが、要領の得た回答はなかった。日本警察への不信感を募らせながらも、翌週に犯罪証明書を取得した。

次回予告『雪隠と留学 [第3部 スペイン編] ep.II 「スウェーデン大使館」』

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↓ ep.II「スウェーデン大使館」


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