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3Dプリンターの家 ~日本初の3Dプリンター住宅が今年中にも実現する。24時間300万円で建築可能な前例のないその家とは。

世界最先端の家(Next House)づくりを目指すスタートアップ「セレンディクス」が、日本で初めて3Dプリンターで住宅を建築する「Sphere」プロジェクトを2019年12月にスタートしました。大分県日田市でプロジェクトの研究開発を進めています。https://www.serendix.co
(エース2021年秋号特集「すまいのかたち」より)

 今後、急速な拡大が期待されている建設用3Dプリンター。海外では住宅建設における活用事例も増えてきている。そしてここ日本でも、まもなく初の3Dプリンター住宅がお目見えしそうだ。手掛けるのはスタートアップのセレンディクス。3Dプリンターによる住宅「Sphere(スフィア)」のプロトタイプを2021年中に建設する予定だ。同社COOの飯田國大さんに話を聞いた。

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「日本では家を購入した人の住宅ローン完済年齢の平均が73歳といわれています。ローンに縛られ、住み替えも難しい。一度しかない人生、もっと自由に生きていいはずなのに、『家』がそれを阻害しているのです。そこで私た
ちは、車と同じように家族構成や年齢に応じて家も自由に買い替えられるようにしたいと考えました」

 3Dプリンターの活用で人件費と物流コストを削減。さらに建物の形状を球体とすることにより、球体自体が構造体となるため、鉄骨などを使わずとも十分な強度を確保した上で、施工にかかる時間やコストも大幅にカット。100㎡(約30坪)の家を価格300万円で販売したいという。

「今年中に建てる『Sphere』は、床面積10㎡未満のタイプ。コンパクトな最新鋭3Dプリンターを海外から購入して現場まで運び、建築します。約7時間で建物が出来上がり、その後の内装工事やインフラ工事を合わせても24時間以内に1棟が完成。グランピングや災害復興住宅、別荘などに利用いただけると思います。そして22年には、2階建て100㎡タイプを建築し、それを一般住宅として売りに出す計画です」

 同社がビジョンとして掲げるのは「世界最先端の家」づくり。

「さまざまな最先端プロダクト技術を備えた住宅を『Sphere』で展開し、将来的にはそれらの家を集約した世界最先端の街づくりも視野に入れています。ただそのためには他社の協力が不可欠です。世界最先端の家づくりを実現するためのコンソーシアムには、大手建設会社や住宅メーカー、素材メーカーなど計35社(9月7日現在)がすでに参加してくださっていますが、さらに多くのパートナーを私たちは求めています」

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