見出し画像

「若手は谷に足を突っ込め」という話。

初めまして、足立と申します。

タイトルにもある通り

【若手は谷に足を突っ込め】というメッセージを伝えてみたくてこの文章を書き始めています

が、僕も先月24歳になったばかりの大若手ですw

2022年4月1日に
晴れて東京のIT企業に新卒として入社させていただき
最初の研修を黙々と受けています。

新型コロナウイルスの影響もあって
フルリモートでの研修になってしまったのですが

新しい環境での、新しい仲間との関わりは
非常に新鮮かつ有意義なものです。

つい先日まで兵庫県の神戸大学という山の上にある大学に通っていて

就職と同時に、大学1年生から4年半という
通常の大学生活を超える時間を捧げた営業会社を卒業しました。

画像7

↑右です。

学生700名で構成されたこの営業組織では

人事周りの責任者として採用設計を一から組み立てたり
関西から渋谷にきて新支社の立ち上げをさせてもらったり

多彩なキャリアを経験させていただきました。

僕の大学生活のほぼ全てを捧げたと言っても過言ではないこの会社が、今振り返ってもやっぱり凄くて

失敗談や学んだことを、記憶を遡りながら
いくつかのタームに分けて
つらつらと文字に起こしてみたいと思います。

一応先に、この記事における僕のスタンスとして書いておくと
大学生活の目的は人それぞれで、何が正しいという立場の議論では決してないです。

あくまでも僕が解釈したこと、感じたことを書いていると認識していただければ幸いです。

拙い文章ですが、温かい目で
ぜひ最後までよろしくお願いします。

(結構盛り沢山になったので、10分ほどお時間がある時に読んでみてくださいw)

①入社前の大学生編

スクリーンショット 2022-04-05 23.41.28


これだけ前置きでthe文系感を出しておいてあれなんですが、実はガッツリ理系の学部なんです。
工学部の電気電子系の学科に通っていました。

一年生の頃は
・タクシーの配車アプリ(今でいうGOとかDIDI)のUIUX周りのコードを書いてみたり
・お掃除ロボRoombaのコードを考えてみたり

今考えるとレベルが高いとはお世辞にも言えませんでしたが、
将来は立派なエンジニアになる気満々だった大学一年生。

とはいえ、
当時は感染症などもまだなく
サークルに入って友達にも恵まれて
簡単な業務委託を大量に受けたりしてお金もそこそこあったので
充実した新年度だった記憶があります。

こんな僕が営業という文系畑に身を投じるようになったのは

「理系からの文転はよく聞くけど
文系から理転ってあんまり聞かないな。
理系人間が文系の職業を経験できれば
両者の気持ちがわかる幅の広いヤツになれるんじゃないか!


。。。

安直すぎて顔が赤くなりますが
紛れもなく当時の僕です。

接客などのバイトは時間を切り売りしている感覚が拭えなくてあまり乗り気にならず、

関西最大級の長期インターンという世界に足を踏み入れました。

②新人編

スクリーンショット 2022-04-05 23.43.40


そのインターンが、前に書いた「この会社」です。

無事採用していただいて、この会社での就業が始まりました。
最初は店頭でのtoC営業。

この期間掴んだ学びは2点
【何事も最初は好き嫌いしないこと】
【仕事の色塗りをすること】

当時僕の上司だったNさんは、

・統括(当時約200名組織のトップ)
・4年生7月時点で内定を9つ保持

内定は数ではないですが、当時の僕が尊敬するには十分な数字で
とにかくスーパーハイスペックな方でした。

入社初日の研修中、肌の色からして直近日サロに行ってきたであろうNさんから、

「新人期間はこれとこれとこれをやっておいた方がいいよ。」

と助言を頂いたのですが
その中の一つがなんかしっくりこなくて。

『これってやる意味あるのかな。』という、
誰もが一度は経験したであろう感情に見舞われました。

ただ

・少なくとも、僕よりはNさんの方がこの業界の仕事に優れている
・全部やらずに成果が出なければ、言い訳できない
・全部を120%でやって成果が出なければ、「言われたことをちゃんとやったのに成果が出なかった」と言い訳できる
・そもそも、新たに入社された方が沢山いる中で、言われたこともやらない人を注力して見ようと僕なら思わない

少し(かなり)ひねくれていますがこのあたりの思考を踏んで、
言われたこと全部を周りの半分のスピードで1.5倍の量やってみました。

意味のなさそうなことも、機械的に全力で。

すると、面白いことに
歯車が突然合うように
点と点が線になるように
契約をいただけるようになったんです。

人間の成長を一番妨げるのって、「変なプライドの高さ」なんだと思います。

誰もが心のどこかで「自分はそこそこできる」と思ってて、雑用や一見意味のない仕事を振られたら「こんな仕事…」と萎えてしまう。

仕事を好き嫌いせずトライをすれば
いつの間にか会社に蓄積されてきたノウハウが身に付いている状態になれる

営業以外のステージでもそう思います。

あとこの行為には【信頼貯金ができる】という特典もあって
変に考えずパッとやると、余った時間で質問をしたりFBをもらって修正できるから
アウトプットのクオリティが高い若手という印象も
抱いてもらいやすいです。

でもこのイエスマンゲームをずっとやってるだけだと
ただの思考停止人間で終わっちゃいますw

ここで仕事の色塗り
いわゆる意味付けをすることが大切でした。

「与えられた仕事にどんな意味をつけれるか」

例えば
AとBの商品があったときに、上司から「Bを売ってこい」と言われた。
そこで、Bを売る理由を自分なりに考えて意味づけする。

お客様から「なんでBがオススメなんですか?」って聞かれた時、
「性能がいいからです」「お似合いだからです」…理由は何でもいいから、自分なりに説明できるようにする。

「なんでBを売らないといけないんだ」
という思考は一旦捨てて、もらった仕事をどんどん色塗りをしました。

仕事って割とガチャ要素も多い気がするので
それを上手く意味付けできるかどうかは本人次第だと思います。

余談ですが、これを条件反射でやる癖をつけておくと
マネジメント力にも繋がってきて

ここでは
マネジメント力=チームのメンバーに成果をあげさせる能力
と定義していますが

自分で仕事の意味を考える訓練を続けていけば、他人をマネジメントする立場になったときも、上手な仕事の依頼ができるようになってきます。

結果、当時の同期の中では1位
全社では4位の営業成績を取ることができて
無事長期インターン生活の好スタートを切ることができました。

③人事責任者編

スクリーンショット 2022-04-05 23.28.06


その後数ヶ月で営業から離れ
人事業務に携わり、人事周りの責任者として働かせてもらうようになりました。

成果でいうと、運が良かったこともあるのですが
組織規模を一年間で250名→450名に拡大し
会社の成長に大きく貢献できた
そんな時期でした。

人事部という一つの部署のリーダーを経験して
人間関係を試行錯誤した末学んだことは主に2つ

【上司には物腰柔らかく強気でいくこと】
【チームメンバーには自信満々に弱気な姿を見せること】

・採用面接
・オンボーディング設計
・社内スタッフとの1on1
・社内人事制度の構築、精査

主な業務内容でいうとこの辺りだったのですが、一番頭を悩ませたことが
経営陣の意見とチームメンバーの要望とのジレンマでした。


当時の人事部は5名(僕、僕より年齢も暦も1年ほど上の方2名、年齢も暦も1年ほど下の方2名)で構成されており、自分より年上の方をチームに持つという経験をしました。

役職が上だから立場も上、という考えはなかったのですが、如何せん年下だからと舐められたらダメだと思っていたので、

「これ予算通しておいてね。」「業務量多くない?大丈夫?」

という言葉に

「かしこまりました!」「大丈夫です」

みたいなw 
強気の姿勢を必死に見せていました。


一方経営陣との会議では、

「これ予算もっと削減できない?」「そもそもこの施策いる?」

とか叩き返されて、言い返せず
そしてチームのメンバーには弱いところを見せたくないので相談できず

この板挟みが結構きつかったんです。

この沼のような期間が約2ヶ月間続いたのですが、会社では離職が止まらず、採用もなかなか乗らず、ボロボロでした。

よく偉い人が唱えてくださっている心理的安全性と成果の相関関係みたいなものを身をもって実感しました。

これを好転させたある出来事があって、
当時リクルートの内定を持っており、組織の副統括だったEさんに相談したんです。

「なるほど、足立が責任者として一番優先すべきことはなんだと思う?」

「チームのメンバーの意見をまとめて、経営陣に提案して、、、」

「それもそうだけど、一番はチームの成果を出すことだよ。経営陣のご機嫌を伺うことでもなく、チームメンバーに威勢を張ることでもない。チームが成果を出すために、自分のスタンスを持って経営陣にも向かっていくべきかもしれないし、チームメンバーに弱さを見せて助けてもらう必要もあるかもしれない。自部署に必要な人がいれば口説いて引き入れるべきだし、怠惰なスタッフがいたら規制を入れるべきだ。全ては成果のためにね。成果が全てを美化するんだ。

普段はクールに立ち回っていたEさんのこの回答が、非常に刺さったのを今でも覚えています。

変にヒトの感情に集中しすぎず、人事部というチームの成果、並びに会社全体の成果が最大になるコトだけに注力しようと。


そのために必要だと考えたことが

①必要な予算や実現したい施策を経営陣に通すこと
②チームのメンバーを巻き込み、同じ方向を向いて一緒に戦うこと

①必要な予算や実現したい施策を経営陣に通すこと
ここを僕の場合言い換えると
必要な予算や実現したい施策を自分の目線から経営陣に通すこと

「チームの中の〇〇さんが言ってたので」「〇〇さんが通したいらしくて」
これでは僕が話す意味も存在意義もなくて

「僕はーしたい」「僕の意見ではー」
という自分スタンスを取るようになりました

経営陣に臆していてはダメで
強気で、それでいて物腰柔らかく意見していくことが重要でした。
喧嘩腰にいくと、あんまり意見は通りませんw

②チームのメンバーを巻き込み、同じ方向を向いて一緒に戦うこと
ここに関して、僕が書くよりもはるかに分かりやすい記事があるので貼っておきます。

ワンピースでいうルフィのように、弱い姿勢もどしどし共有して周りに助けてもらえるリーダーが強い
といった内容です。
面白いのでぜひ読んでみて下さい。

そんなこんなで歯車が回りはじめて、前述のような成果に繋がりました。

④始球式と大学一年間を天秤にかけた話(雑談)

スクリーンショット 2022-04-05 23.24.01


人事の責任者として約1年が経った頃、会長から急に呼ばれて
「始球式登板してみる?」
と、飲みにいく?のそれと全く同じ感覚で誘っていただきましたw

プロ野球の開幕戦のメインスポンサーになったので、スタッフの中から一人始球式で登板できる、というもので

もちろん答えは即答のYES。気分るんるんだったのですが、理系大学生の3年生夏、大学での研究も忙しさの真っ只中でした。

始球式当日、2019年7月3日、研究室生活で一番大事(これを出席しないと留年確定)な発表会と被ってしまい

大学一年間の思いを乗せた一球を、PayPayドーム(旧ヤフオクドーム)のマウンドから投げさせていただきました。

※この話には、研究室の教授を説得したり、いろんな交渉を繰り広げた続きがあるのですが、これが就活で大ウケして、結果正解っぽくなりましたw


⑤若者の街渋谷での新支社立ち上げ編

スクリーンショット 2022-04-05 23.25.41


ここまで読んでいただいてお腹いっぱいかもしれませんが、大学3年生の3月に関西から渋谷に飛んできます。
東京渋谷で新支社を立ち上げることになり、決まった次の日に新幹線に乗っていました。

この会社の面白いところの一つに、やってみたいと提案すると、(もちろん例外もありますが)次の日には本当に実現します。

「〇〇事業部を発足したい。」「営業成績上位スタッフに返済不要の奨学金制度を作りたい。」「スタッフ200名で海外旅行に行きたい。」
筋が通っていると判断されれば、お金と権限をくれますw

・渋谷の一等地にテナントを2つ借り
・店舗改装
・採用
・スタッフ育成

何もないところから、売上を作り、数字を伸ばしていく、そして価値提供を広げる。

この過程で学んだことは
【結局事業は人で決まる】ということ。

コロナ禍で競合他社の業績が厳しい中、渋谷支社の業績が立ち上がるどころか、全社で過去最高の数字を更新できた理由は

「素晴らしいメンバーがたくさんいること。」

これに尽きます。

「事業は人からしか生まれない。」

すなわち、業績が上がるも下がるも人次第。

僕の実力不足で業績が下がることはあっても、僕の力だけで業績が上がることはない。
また、一人の熱狂が伝染し、組織が変わることもある。

頭では分かっていても、口では伝えていても
本当に心の底からそれを実感できたのは、この渋谷編でした。

とある人から聞いた素晴らしいメンバーとは
・スタンスがいい
・能力が高い
・全員が業績向上のために同じ方向を向いている
・不可抗力的な逆境に対しても前向きに、どうすれば一歩でも前に進めるかの議論と努力ができる

これらが渋谷で立ち上げた組織にはあったと思います。

いいチームは表情や雰囲気でわかる。
そんなチームは人数も業績も確実に伸びる。
理不尽な不可抗力的なことが起きても、長期ではしっかり上向きに歩めるチーム。


⑥最後に

スクリーンショット 2022-04-05 23.08.10


長くなりましたが、ここまでお付き合いいただきありがとうございました。

以上が僕の「大学生活を捧げた営業組織を卒業した話」です。いかがでしたでしょうか。

本当はこの50倍は書きたかったのですが、キリがないのでこのあたりにさせていただきます。

この話を振り返って最後に一つ言い残すと
楽しさ=伸び率である
ということ

人生山あり谷あり
と言いますが、
人生山あり山あり
だったら人はどう感じるのでしょうか。

僕ディズニーが結構好きなんですけど、
ディズニーより人生の方が楽しいと思っていて

その理由がもしあるとするならば、人生の方が辛いことが多いからです。

ディズニーに行ってもあんまり辛いことってなくて、
人生みたいにいきなり病気になったりしないんです。

人生は0とかマイナスからいきなり100になったりするんですけど
ディズニーは97とかから100になる、せいぜい差分3とかなんです。

お金持っている人が100万円もらうのと、お金ゼロの人が100万円もらう違いというか、

水飲める時にちょっと喉乾いて水を飲むのと
水を飲めない環境で冷水をやっと飲める違いみたいな。

辛いことを乗り越えたり、自分ができない領域に首を突っ込んでみて成長したり

その変化率や差分、増分のことを世の中の多くの人は幸せって呼んでいる
んじゃないかなと

・理系学生がいきなり営業会社に勤める決断をしたり
・大きな責任を持って経営陣に立ち向かったり
・体一つで渋谷に来て、会社を立ち上げたり

もちろん当時は怖かったし、自分にはできないんじゃないか、と思う機会も多々ありましたが

今思うと、これだけ熱量高く記事にできるほど
最高の大学生活でした。

楽しさを加速させているのはむしろマイナス側

歳を重ねると
結婚だったり、家族だったり、そもそも体力だったり
なかなか足場の悪いところに踏み込めなくなっていくとよく聞くので

特に若いうちは
自分には手の届かなそうな環境だったり、敢えて挫折しそうな谷に
足を突っ込んでみるのはいかがでしょうか。

きっと皆さんの楽しさを咲かす差分の種になることでしょう。

それではそろそろ時間なので

僕も新卒という名の未知の谷に、
大きな歩幅で踏み込んでこようと思います。

画像6


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?