皆様おはようございます。こんにちわ。こんばんわ。
私は単車にも乗りますしギタリストで物書きでもありますが、包丁も使います。今日は包丁のお話。
10年程前から、何故か鮮魚店で作業しております。
忙しい朝の時間だけの作業なので時間確保の点からも問題無かったので続いております。
10年も続けるとそれなりに腕が上がります。
最初は全く何も出来ない状態でしたが、今ではハモやフグ、アナゴやウナギ時にはスッポンといった特殊なモノまで処理できるようになりました。
技術も三枚おろしだけでなく、皮スキ、スキ引きフグ皮スキなど、一通りの事は出来ます。神経抜きもします。
あとはスピードと精度ですけど、これも高級料理屋さんの信用を勝ち得るまでになりました。
しかしながら、職業は音楽家でギタリスト、シンガーソングライターで作家なんですけどね。(笑)
ここは拘りです。
前書きはこれぐらいにしまして、今日の表題は”包丁”。
「包丁持ってますか?」と問われると、持ってますよ10本。
と答えます。
①出刃7寸 白2鋼 墨流し 片刃 土佐 豊永刃物
②身卸し出刃 青2鋼 墨流し 片刃 土佐 豊永刃物
③切付柳刃 9寸白1鋼 片刃 堺孝之 白虎
④小出刃 青2鋼 墨流し 土佐 豊永刃物
⑤フレキシブルナイフ ステンレス グローバルGS-11 モリブデンバナジウム鋼 両刃
⑥フレキシブルソールナイフ ステンレス tojiroPRO 190mm SDモリブデンバナジウム鋼 両刃
⑦名古屋裂き おそらく白2鋼 土佐打ち
⑧フグ引き 9寸青2鋼本焼き 豊永刃物
⑨小出刃 おそらく青スーパー 両刃 土佐打ち
⑩シェフナイフ(牛刀)7寸ステン両刃 tojiro DPダマスカス 260mm
あと、引退した7寸墨流し柳刃 三木 誠貴
と、名古屋裂き 三木
があるので全部で12本でしたね。
他にも骨抜き3つ(HOKUTO HSB‐7S)(倉田製作所の18‐8の中)と貝剥き1つ。
私の選ぶものなのでそれなりに拘りましたが、改めて見てみても、結構な拘りですね。
使わない包丁といえば、⑥サービスナイフという滅茶苦茶しなる包丁。
グニャグニャでほぼ使えません。どんなものか気になったので購入してはみましたがちょっと今の私には使いこなせません。
あとは全て使えます。柳刃系は得意ではありませんけどね。
昔、数か月だけ訳あって新宿歌舞伎町でボーイの仕事をしていた時、最初に主任さんが、
「あなたはトレンチ(グラスなどを運ぶお盆ですね)使えますか?」
と尋ねました。
私は「使えると思いますが…」
と答えると、主任はもう一度
「使えますか?」
と尋ね、私は、
「使えません…」
と答えました。
使うというのはどういう意味なのかというと、自由自在に操れますか?という意味ですね。
トレンチならグラスを10杯乗せても、指で支えて片手で持てるか?
持てるだけでなく、飲み物をこぼしたりしないで持っていけるか?という…
で、話を戻しまして包丁ですね。
最近シェアが増えている包丁があるのです。
それが、牛刀。シェフナイフというやつですね。
牛刀という名前が肉用?と勘違いする名前なのですが、肉専用の包丁という訳ではありません。
まあ、いうなれば万能包丁ですね。
私も牛刀使います。皮引きとか、サンマ、イワシ、サバ、ブリといった青物をおろすのには重宝します。骨の柔らかい魚の骨に沿って身をおろすのは、牛刀の真骨頂ですね。
牛刀を使って魚をおろすと、自分が上手くなったように思える程、綺麗に身をおろせます。
ん?上手くなったんじゃないのか?
そうなのです。この万能包丁を使っていると、確実に退化する技術があるのです。
それが出刃包丁の技術です。
出刃包丁というのは、骨などの固い部分を断ち切っていく役割を備えた包丁です。刃先から刀身の真ん中位までは身をおろすのに使い、それ以降から根元のアゴの部分までは骨や頭を割るという、鉈のような役割をもっています。
出刃は、しっかり刃を付けて、包丁を切れる状態にして魚をおろす訳ですが、下手な人間がおろすと、おろす時に骨まで切って反対側の身まで切ってしまいます。重いですし初心者には扱いづらい包丁です。
そういう訳で、昨今はだれでもそれなりに使える牛刀が持て囃される訳ですが…
上手な人間が使えば、出刃の身卸しのスピードに敵うものはありません。
バイクで例えるなら、250ccを一気に葬り去るリッターマシンのようなもんです。
牛刀は小回りは利きますから、有利な一面もあるのですが、出刃の出力はやはり最強です。
さばく魚種にもよりますが。
鮮魚店での調理で、場所によっては牛刀の使用が禁止されているという話を聞きましたが、私も理由が分かります。
結局万能なものというのは、器用なんですけど”特化出来ない"という弱点がある訳です。
それは使えている訳ではない。つまりプロではないという…
使えるようになるには、苦手と思っても信じて使い続ける…
そうすると、必ず答えてくれます。
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