医学部卒業生から見た田舎と都会の受験格差

初めまして。
えいすけと申します。
私は中堅私立大学医学部を卒業した現役生です。留年はしていません。笑

私は来たる2019年2月9日と10日に行われた第113回医師国家試験を受験致しました。
この文章を書いているのは3月7日なのでまだ合格発表はされていませんが、自己採点では合格点数が取れてそうです。禁忌落ちのみ怖いですが。
春から研修医になるに当たり、私が医師国家試験を受けて思ったこと、考えたこと、高校、大学受験まで遡って徒然なるままに書いていきたいと思います。
駄文ですが、最後までお付き合い頂ければ幸いです。これから医師国家試験、並びに大学受験にをする方に読んで貰えればと思います。

私は大学受験に失敗しました。
国立医を志望していましたが落ちました。それも3度も。つまり、2浪です。私の力不足と言われればそれまででしょう。私もこの結果には自分なりに考え、今は納得しています。

私はド田舎の県立高校卒業後、2浪の末、中堅私立大学医学部に滑り込みました。
私は夢にまで見た医学部学生生活をスタートさせます。
期待しました。
同期はどんなに素晴らしい人がいるだろう、どんなに素晴らしい学生生活が待っているだろうと。

現実は甘くない。
同期は一言で言えば幼稚な学生が多い印象でした。地頭も良くない、というよりはっきり言うと地頭は悪い印象を当時の私は受けました。これが私が目指していたイガクブなのかと。こいつらが医者になるのかと。

浪人時代の私は友人に恵まれていたと思います。だからそんな事を思ったのかもしれません。
私は大手大学受験予備校で浪人しました。浪人時代の友人はお互いを切磋琢磨し、高め合える戦友でした。彼らも東大京大医学部志望であり、彼らと励まし合い、努力しました。寝る時間以外のほぼ全ての時間を勉強に注ぎ込みました。

しかし現実は残酷。受かった友人もいましたが、何人かの友人が落ち、滑り止めの大学に進学しました。こんな賢い学生がこれほど勉強しても東大京大医学部は落ちるのかと。そんなに他の学生は賢いのかと。私は疑問に思いました。

みな、何故か、私と同じ田舎の県立高校出身でした。
ここに少しカラクリがある、と大学入学後の私は考えました。

ところで、医学部に合格した学生の出身高校の割合(中高一貫の私立高校と公立高校)をご存知でしょうか。

中高一貫校が96%、公立高校出身は4%です。
私の医学部でもこれくらいの割合であると思います。
某医学部受験サイトによると、1位から20位までのうち18位に公立高校の熊本高校があるだけであとは全て東海高校をトップとした有名中高一貫私立高校です。
いかに中高一貫私立高校が有利であるかという事です。

東大京大医学部に行くには私立が有利です。
上記のパーセントからでも自明でしょう。それは何故でしょうか。
中高一貫の私立は中学の時点でもう高校の内容を勉強し、高校3年では大学受験対策をするからです。早い所は高校2年、1年から。一方、公立は高校3年で、普通の高校3年生がする事を習います。
つまり公立高校の受験生は1年以上の差を私立高校の受験生に開けられています。私はこの事実を浪人してから知りました。おまけに都会では有名な塾(S台や鉄○会など)があり勉強する環境が整っています。元々賢い生徒が有名中高一貫校に合格するということもあります。
これでは多くの公立高校の生徒が受験で勝てないのは当たり前ではないでしょうか。

ここで親の収入と良い教育を受けれることが相関している事を少し考えてみます。例えば東海高校は親が医者ということが多いです。親が良い大学を出ていて中高一貫が有利と知っていると子供に投資し、塾に通わせて有名私立にいれることは可能です。そこでは早くから勉強を始めて受験でアドバンテージを得ることができます。そこまで賢くなくても、早くから勉強を始め、大手の塾などで勉強する事で有利に立てます。
賢さが同等、又は少々劣っていても年単位のアドバンテージがあれば合格をもぎ取るのは難しくはないでしょう。
他のお金持ちも子供を良い塾に通わせ勉強を早くからさせることで同じことが言えます。

これらから田舎の公立高校の生徒は格差を抱えていると思います。田舎であるがゆえに、経済レベルも似た層が多いと思われます。遠くの高い塾に通わずことがあまり出来ません。
しかしそこから東大京大医学部に現役で合格する学生は本物の神童です。私も何人も見てきました。
もしこの神童たちが中高一貫校で早くから勉強を始めていれば、京大医学部、東大医学部にも入れると私は思います。
しかしながら、その子たちでも東大京大の医学部以外の学部、地方国公立医学部止まりなのです。
私の出身の県から東大医学部が出るのは10年に1人と聞きました。ちなみに私の県に有名中高一貫校はありません。

ここまでで言いたいことは受験においては中高一貫校が有利ということです。

ここからは私が中堅私立医学部に入学した際の違和感について話したいと思います。
一他大学と比べても一部は優秀な学生もいましたが、総じて同期があまり賢くないと私は思いました。
その違和感は中高一貫校と公立高校の差からくるものであると思いました。もちろん中高一貫私立高校の賢い学生は余裕で合格していきます。
中高一貫私立高校はそれほど賢くない生徒でも早くから勉強を始めて、合格してきます。
公立高校は賢い生徒が勉強が間に合わず、志望校を下げる、滑り止めに合格するなどします。
すると、大学内ではある程度賢い公立高校出身、そんなに賢くない中高一貫私立出身という構図が出来上がります。

恐らく、これを私は感じたのではないかと思います。これに私は違和感を感じ、悩んだと思いました。この考えにたどり着き、多少はスッキリしました。

この私立は早く勉強して合格する、公立は賢いが勉強が間に合わないこともあるという事は医師国家試験にも多少当てはまると思いました。

私の大学は5年から医師国家試験に向けて勉強を始めます。国公立医学部は6年の夏ぐらいから始める人が多いと思います。
私立は留年という制度で合格率を保っているという一面もありますが、合格率は国公立医学部と合格率は大差は無くなります。
大学受験での敗者が早く勉強する事で差を埋めています。

ここまでが私の入学当初の戸惑いについての考察です。

受験に失敗してプラスになった事もありました。
自分はしっかり努力しないといけない人間であると自分を理解できた事と挫折を味わい、その悔しさを大学の勉強や活動につなげることができた事です。外部の勉強会やボランティアにも参加しました。
もし国公立医学部に合格してたらそれで満足してしまい、勉強が疎かになっていたかもしれません。

これから研修医になるに当たって、これまでの悔しさを忘れず、自分は努力しないといけない人間という事を再認識して、医業に従事したいと思います。

駄文でしたが、最後まで読んでいただきありがとうございました。
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