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保険屋から保険士へ

第三回目は『"保険屋”から"保険士”へ』についてご案内いたします。

保険会社や保険代理店および保険募集人など、保険の取り扱いを仕事としている組織や人のことを「保険屋」と呼んでいる記事や人を多く見聞きします。
親しみを感じる一方"保険屋”という呼称はそもそも仕事の質や水準が低いイメージがあるように感じています。

  • なぜ世間の人々は"保険屋”と呼ぶのか

  • なぜ弁護士や税理士そして社会保険労務士のように"保険士”と呼ばれないのか

「保険」の意義や必要性、さらに社会的な位置づけをいままでご案内してきましたが、今回は「保険」にまつわる言葉について考えていきます。

1."保険屋”という言葉

「今日、保険屋さん来た?」
「自動車保険の更新、保険屋さんに連絡しておいて」

その昔、証券業に携わる人が『株屋』と呼ばれてた時期がありましたが、今の時代で『株屋』という言葉は聞かなくなりましたし、使わなくなりつつあると思います。
一方、保険関連のことは未だに『保険屋』と表現することが非常に多いことはご存じですか?。
お客様のみならず、保険代理店までもが「保険屋」と称しています。
弁護士・司法書士・行政書士・税理士・会計士はあり、"保険士”はまだありません。

なぜでしょう?

保険屋さん?

これは保険を販売する側(保険会社・保険代理店)の組織や体制が、まだ
〈 "屋号の域”を脱していない 〉ことが要因なのかもしれません。
保険会社在籍時には、一人あるいは親子、ご家族で営んでいる保険代理店様に対して〈 家業から事業への転換をとよく話をしていたことを思い出します。
大きな組織型代理店もあれば、一人でやられている代理店があることも現状ですが、規模に関わらず「保険屋」という呼称はまだあるようです。

2.保険の募集ができる要件

そもそも、保険の募集は誰にでもできるのでしょうか。
保険代理店になるためには、以下が必要です。

  • 保険募集にかかわる資格の取得

  • 保険代理店としての財務局等への登録

従って、誰でもできる業務ではありません。
国の登録を受け、保険募集人の届け出を行い、国や保険会社の指導・監督のもと、はじめて"保険”という社会的にも重要な商品を提供する業務が行えます。
保険商品は経済的な損失を補填する等の商品の特性から、単なる保険の知識だけではなく不法行為による賠償責任の知識等、広く深い専門性のある知識が求められます。
つまり、とても専門職的な業務を担うのが、保険代理店です。

3.なぜ保険屋なのか

《 保険屋のイメージ 》

  • 保険商品を販売することのみに注力してきた

  • お客様との関係は保険商品に限定されている

  • 売上重視のアプロ―チ

  • 責任者は〈 経営者 〉というよりは〈 プレーヤー 〉

  • 専門知識やスキルに不足

上記は一例ですが、自社中心・利益中心・保険代理店事業というより家業色が強い、そんなイメージが浸透しています。

保険代理店は、保険業界の歴史の中で〈 保険の社会への普及 〉に向けて頑張っています。
が、
その中で言われる「保険屋」という屋号のような呼称(言葉)は、〈 人生や企業活動を豊かにする 〉という保険の特性に反して、古いイメージでもあり、"世間一般に浸透している先入観や思い込み”の現れなのかもしれません。
このような保険に対するイメージから、保険代理店は、一般的には「保険屋」という呼称で認識されることが多いのではないかと考えます。

4.これからの保険代理店

ではこれからの保険代理店は、どのような姿を目指していけばよいのでしょうか?
これからの代理店の姿 》

  • お客様中心のアプロ―チ

  • お客様のライフステージやニーズに基づいたコンサルティングを提供

  • 長期的な信頼関係の構築

  • 専門性の強化

  • お客様のリスクマネジメントや資産形成をサポート

このように、お客様に寄り添い信頼関係を築いていく方向性に向けて取り組むことが〈 保険の正しい普及 〉すなわち、"お客様の保険に対する意識や知識の向上"にもつながってくると信じています。
これからの保険代理店は、「保険屋」という古いイメージの保険代理店から「保険士」という扉を開き、より専門性の高いプロフェッショナルなイメージの確立に向けた変革が強く求められます。

リスクマネジメント

5.士業にむけて

昨今、BM問題やカルテル(不当な保険料調整)問題で社会的に厳しい批判を浴びている保険業界をみると、信頼性の視点からも"保険士”への道のりはまだまだ遠いように感じます。

しかしながら、すでに士業たる保険の代理店も存在しているのも事実です。
昔ながらの保険代理店名ではなく、ブランドイメージの刷新を意識した代理店も多くでてきています。

保険代理店の未来に向け、保険代理店は、保険募集人の教育をはじめ、デジタル技術を積極的に活用しながら、お客様中心の保険としてのアプローチを徹底し、下記のような転換が必要になります。

  • お客様のライフイベントや安全な企業活動に向けた最適な保険提案ができる代理店

  • お客様の利益を最優先に考える代理店

  • 組織でお客様をお守りする代理店


多くの代理店が"保険士”の扉を開き、利他の精神のもと、素晴らしい保険代理店に向けて歩んでいけるよう、〈 保険の伴奏者 〉として共に歩んでいきます。

最後までお読みいただきありがとうございます。
これからも"保険代理店の未来に向けて”意識した活動を行っていきます。
気軽にコメントをいただけましたら幸いです。


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