素直な人 #呑みながら書きました
たぶん人生で一番素直な人に出会っているのかもしれない、とつくづく感じる。ここまで表裏がない人は初めてだ。だから、顔を見ると不安はどこかに飛んでいき、寂しかった時間を「なんだったんだろう、わたしってバカよね」と思う。
ここにパートナーのことを綴る時、態度でしか示されてないので確認してないけどきっとそう、としてきた。
が、本当に「態度=気持ち」なのか、流れで聞いてみたのだ。貴方にとっては愚問だと思うけど念のため、という前置きをつけて。そう、彼にとってはいちいち聞くことすら「なんで聞くの?わかってないの?」と思うからだ。それほどまでに、実直で表裏がない。彼曰く、表裏が存在することがめんどくさい、という人だから。だから浮気もない、多重生活もない。
これが彼が「好きだ」と言わない理由だ。彼にとって言葉が大事なのではない。気持ちや本能が大事で、行動はそれに従っている。
寂しいと思うことはあるらしい。まぁそうでなければ、彼とわたしは出逢ってないだろう。彼とわたしが知り合った当初は彼の仕事はそこまで忙しくなく、在宅勤務を長期にわたってしなければならなくなることなんて予測もせずに決めた狭い1Kの賃貸アパートで、段ボール箱をテーブル代わりに日々すごしていたわけだから。彼がそう思ったからこそ、本当に偶然だけどめぐりあった。
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確かに彼からの言葉での愛情表現はない。じゃあそれを求めていたのかと言われると…なのである。彼の態度で存分に感じている昨今、言葉で言われたいかと問われるとそうでもないと実感できる。ただたまには確認したい。贅沢だけど。
言葉での愛情表現の代わりに彼は体現してくれる。雨は嫌だとか言いながらも、一緒に過ごせそうなときは必ず会いに来てくれる。部屋にいるときも何気なくちょっかいをかけてくる。
だから、仕事とはいえ、すぐ逢える距離にはいなくなることがやはり寂しい。大阪の仕事の時はおそらくわたしの部屋で寝泊まりするだろうし、月の半分近くはそうなるのだろうけれど。
そう、これはとても贅沢でワガママな寂しがりだ。
そうなのだ。休日勤務で疲れがたまっているからなのか、Netflixで『金魚妻』を一気見して、なんだか相思相愛をたっぷりみてしまったからなのか、どちらかわからないけれど。急に寂しさが押し寄せてしくしくと枕を濡らしてしまい、途中からなんで涙が出ているのかもわからずそのまま眠りに落ち、そしてその日の夜の会話で、自分が何と愚かで贅沢きわまりなくワガママなのだろうと思い知った。
そして、彼の荷物のほんの一部が家にやってきて「人生二度目の居候」と言う。一度は名古屋にいたころに洪水の被害で実家に一時的に帰ったとき。二度目が今回。
ほら。彼はずっとそばにいるではないか。言葉に表すことがなくても、体現する人。言葉よりも気持ちに従って行動して表す人。こんなに素直でわかりやすい人は、本当にわたしの人生の中で初めて会う人だ。