見出し画像

洗われて置かれていたグラス。

おそらく、極めつけがこれのせいなのだ。

いや、今回の居候期間4日間は、明らかにその前となんだか違うと感じたのもある。彼の気まぐれなのではなく、単純に仕事における気力の使い方がそれまでと変わったからだと思う。

先月の彼は既存の大阪の仕事も新しく始まった名古屋の仕事も、聞く限りにおいて一番佳境な感じだったように思う。それが証拠に名古屋へは急に旅立っていった。基本的に男性は仕事とプライベートを並列で考えることはなかなかできない(そうじゃない人もいると思うけど!)。
なので仕事が忙しくなればプライベートは若干ないがしろになるのだ。男女間の喧嘩で多いと過去に言われていたのもこういう部分でのすれ違いが多いはず(たぶん)。

半面、女性は何ごとも並列稼働できるタイプが多い(そうじゃない人もいると思うけど!)。わたしはそういう意味ではプライベートに割いてる気力は基本不変で、仕事が増えれば仕事間で気力調整している感じである。なのでトータルで100%になることはない。

イメージとしては、下図のグラフのように差がある。

いうなればこんな感じ

そう、確実に今回の居候期間は前回の2泊3日より長く、4泊5日だった。そこまで仕事の大変さが変わったようには聞いている限り思わなかったのだが、1日は終日在宅勤務をしていたし、名古屋移動の日の朝も午前中は在宅勤務だからと言って、出社するわたしが逆に、朝、彼に見送られた。

見送られた日、家に帰ると扉写真とタイトルのとおりだったのだ。居候の彼に台所に立たせたことは一度もない。加えて、洗い物を頼んだことももちろん一度もない。そして過去に彼が水を飲んだグラスを洗ったことも一度もない。ただ、流しに置いてあったことまではある。それは彼の癖だからかまわない。それなのに、だ。
洗っておいたよ、という形でこのように置いてあったのだ。

これを見つけた途端、急に彼の不在を過ごさねばならない数日間の寂しさが一気に押し寄せてきてしまった。それまでそんなことを感じたことなんてなかったのに。

敢えて言うならば、別にその前の2泊3日の滞在期間もないがしろにされていた感はない。むしろ通常運転だったので、違和感も感じていなかった。
「せっかくまん防あけたし、食べ歩きに出かけたい」といくつか一人では行けない予約必須の店をいくつか話したら「久しくそういう店に行ってないから乗り気じゃない。もう少し気軽な感じがいい」と言われて、それはわからなくもないと思い、ハードルを下げたお店をピックアップした。これが彼の通常運転だ。

今回の滞在4泊5日。まず日曜日の夜早い時間帯に帰ってきた。日曜日の夜にやってくるのは居候が始まってからは初である。

さらに船に乗って桜を愛でる話も、彼が終日在宅の日に誘ったら「いいよ」と言ってきたり。結果的に船の予約が取れなかったが「じゃあ桜だけでも見に散歩くらい行く?」と言ったらこれも「いいよ」と。ご機嫌にテクテク歩いていた。在宅で歩けてなかったからかもしれないが、結果的に日が暮れる前からしっかり暗くなるまでの1時間半、見せたかった川沿いの桜のトンネルを二人でずっと歩いていた。

普段Jリーグの試合観戦は土日なのだが、今月は平日観戦も多い。今週は火曜日というイレギュラーな形で試合が開催された。
「明日は遅くなりそう?」と確認して「ならない」と返ってきたらDAZN観戦にするかと思っていたら、早くても9時ぐらいかなーと言われ。試合観戦に行くか悩んでいる話をしたら「行ってきたら?10時ぐらいになるんやろ」と彼のほうが帰宅時間を合わせてくれた。

また今回の滞在期間中、彼は仕事の飲み会があった。一応帰りを待って起きていたつもりだったが、23時過ぎても連絡がなかったので、さすがのわたしも寝落ちしていた。LINEの返事がないことや既読にならないことで察したのか、隣に寝に来るまでわたしを起こすことなく勝手に帰宅してくれていた。隣に来る時はいつもわざとわたしを起こすが、それは彼なりの「恋人同士」のときにしか見せない甘えたな一面だ。

「暮らし」が始まってから、「暮らし」の予定を合わせることはかなり難しいことがお互いわかっている。そして、前回の記事ではわたしがわたしの思う通りにスケジュールが立てられなくなっていることにモヤモヤしていた。記事を読まれたんじゃないかというぐらいのタイミングで、「居候」の彼のほうが「共に暮らす」姿勢をどんどん畳みかけるように見せてくる。

見送られた日の朝は、いつもより会話が多かった。お互いの週末の話や、彼の移動のスケジュールの話、仕事の話も少し含めつつ。そして、夕方には今から移動するよ、というLINEも来ていた。

***

帰宅して、洗われたグラスを見つけて、ふと寂しくなったので、こんなメッセージを送っておいた。

なんか、朝見送ってもらったからか、そうか今晩は帰ってこないのよね…ってしみじみしてます(笑)

そうしたら。

まぁ、2、3日したら、居候はまた帰るから(^^)
1人を楽しんでください。

これと滅多に使わない「お疲れさま」スタンプが送られてきた。「また帰るから」という言葉に愛を感じた夜だった。


生まれてから一度目の結婚をする26歳まで実家を出たことがなかったわたしが、一応26歳から36歳までの10年は結婚生活をし、36歳からひとり暮らしをはじめて、10年目にして月の約半分がふたり暮らしっぽいことをはじめることになったので、そこで気づいたいろいろをまとめているシリーズの1つとして書きました。タイトルは他とは異なってますが。

過去の記事はこちらから。

細々とつぶやいているだけですが、読んでウンウンうなづいたりしてくれる人がひとりでもいればいいなと思って綴っています。もし何度もうなづくことがあったらサポートいただけると感動します!サポート代金はプレミアム代及び他のクリエイターの方のサポートに回します!