「話す力」の大切さ -「読み・書き・そろばん」では不十分!-
2023年最初のLibrary Lounge Talkは、一般社団法⼈アルバ・エデュ 代表理事の竹内明日香さんを囲んで、1月12日に開催しました。
テーマは「話す力」です。竹内さんは、これまで5万人の子どもたちに「話す力」をつけるためのトレーニングを実施されています。
竹内さんのその思いは、著書を是非お読みください。
イベントでは最初に、参加者の皆さんに自己紹介をしていただきました。しかし単なる自己紹介ではなく、「physical, emotional, intellectual」からテーマを1つ選んで一人30秒で行うというものでした。
スクリーンにストップウォッチを映して自己紹介をしてもらうと、皆さんの自己紹介は、選んだテーマについて端的に表現をして30秒で完了。
参加者13名の自己紹介が7分で終了です!
「手短に自己紹介を!」とお願いすると、全員の自己紹介で15~20分があっという間に過ぎてしまいます。テーマを絞るなどの意図を明確にお伝えすること、そして時間を意識してもらう仕組みをつくることは基本的なことですが、基本の大切さを再認識しました。
そしてLounge Talkの本編では、2回のミニワークショップを行いました。
1回目は「意見が言えないという経験、あるいは、部下や周囲から意見が出てこなかった経験はあるか? そして、“日本人は意見が言えない”と言われるがなぜか?」について、4~5名のグループで10分話し合いをしてもらいました。
主に下記のような意見が出ました。
正解が気になる(正解主義)。「間違えたらどうしよう。。。」という羞恥心。
心理的安全性がない(意見を言うと非難されるのではないかという不安)。
黙っていたら、誰かがきっとどうにかしてくれると思っている。だから「言った者の負け」的な雰囲気があるのではないか。
主張しなくても生きていける(平和ボケ?)。
国民性。以心伝心など、意見を表立って言う機会がない。
教育によるところが大きいのではないか。
教育の観点では、「日本の教育は、“読み・書き・そろばん”と言われるように、“話す”ことの優先順位が高くない!」という竹内さんの説明は、日本の教育について適確に表現されていると思いました。そのために、竹内さんは教育現場へ赴き、子どもたちに話す力のトレーニングを実施されています。
そして2回目のワークショップは、「上記を踏まえて、私たちは何ができるか?」を二人一組になって話し合うという内容でした。
ここで、とても興味深い現象が起きました。
今回のイベントでは男性7名、女性6名の参加でしたが、見事に男性同士・女性同士の組に分かれました。(男性1名は、アルバ・エデュの女性の社員の方との組んでいただいたので、唯一の混合組でした。)
今は多様性の時代で「男性が…、女性が…。」ということがナンセンスなのかもしれませんが、完璧に同性の組に分かれたことに、私はびっくりしました。やはり同性の方が心理的安全性・安心が高くなるのかなと推測します。
そして自分に置き換えてみても、選択肢があるならば同性を選ぶと思います。だからこの現象はよく考えてみると納得します。
私が同性を選ぶ理由は、心理的安全性・安心に加えて、「異性を選ぶと外からどう見られるのか?同性を選ぶ方が無難!」という人の目を気にすることもあります。
そう考えてみると、「多様性が重要、違いを認め合うことが大切」と頭では理解していても、実際に多様性を受け入れる障壁の高さを目の当たりにした気分でした。
イベント終了後に会場で、竹内さんの著書『すべての子どもに「話す力」を』と、「エレピカード®」を会場で販売していただきました。
「エレピカード®」は、アルバ・エデュが開発したプレゼン力を鍛えるためのツールです。アルバ・エデュのサイトには以下のように説明されています。
と言えども、ビジネスシーンだけではなく「子どもの遊び」としても活用できそうな内容です。子どもの頃から「話す」機会を日常の中でつくることは大切ですね。
「話す」ことだけではなく、その前段として、多様性を当たり前として受け入れる環境をつくることも重要だと今回のイベントを通じて痛感しました。
アカデミーヒルズ 熊田ふみ子
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