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【読書感想文】東大作文

言いたいことが相手に伝わらない、書いた文章が長ったらしく読みづらい、みなさんそんなシチュエーションありませんか?
ちなみに私は日々悩んでおり、相手に伝わる文章を書けるようになりたいと本気で考えていました。そんな時に出会った本が「東大作文」です。

この本で得られること

1)要約力
2)論理的思考力
3)客観的思考力
4)コミュニケーション能力
5)批判的思考力

こちらのnoteでは、「東大作文」で得た知識を皆さんへ共有するとの、自分自身理解を深めるためのアウトプットととして、まとめていきたいと思います。

まずは最後の一文を考える

①最後に言いたいことが決まってる方が、圧倒的に文章を書きやすいため

まず初めにあとがきを作るべきか?それは、最後に言いたいこと=結論が決まっている方が、圧倒的に文章が書きやすいためです。
例えば、みなさんカーナビを使ったことありますか?カーナビに目的地を入力することで、   ルートをいくつか提案されます。しかし目的地を入れなかった場合どうでしょう?いつまで立っても出発できませんし、闇雲に走ったとしても目的地にたどり着くことはできません。
なので、最後に言いたいこ=結論が決まっている方が文章を書きやすいのです。なのでまずは最後の一文を決めましょう。

②主張づくりで言いたいことを一言へまとめる

主張づくりの条件は、「未知のものであること」「短くまとまっていること」の2つです。まず「未知のものであること」の理由は、当たり前のことを主張しても、当たり前のことだよね、と納得してもらえないからです。「これ知らなかった」「なるほど」と得るものがあるからこそ、文章を読んでくれるのです。
「短くまとまっていること」の理由は、長い文章だと理解しづらいためです。主張が長いと、情報量が多くなり、重要な部分・本当に相手に伝えたい部分が見えにくくなってしまいます。また、人間は自分が理解できないことを伝える能力がありません。難しくて一言で言えないことを相手に理解してもらうことは不可能です。

ここからは主張づくりの具体的な手順を説明します。
主張にはそんなに多くの種類はありません、だいたい4通りの主張の型のどれかに当てはまります。

1)感情型
自分が感じたことを言って感情を伝えたい時は、「感情型」の型を使いましょう。相手とより親密になったり、関係性を繋げるときに役立つ型です。
2)共有型
相手に何かを知ってほしい・理解してほしい時は「共有型」を使いましょう。「感情型」は自分の感情がメインなのに対して、「共有型」は客観的な事実がメインになるのがポイントです。
3)要望型
相手に対してお願いしたいことがある場合、「要望型」の型を使いましょう。「この本を買ってください」「こういう契約するのがいいと思います!」といった内容が該当します。
4)警鐘型
多くの人が知らないことを言って、意識を変えてもらいたい時は「警鐘型」を使いましょう。主観的にお願いしたいのが「要望型」で、客観的に行動を促したいのは「警鐘型」になるのがポイントです。例えば火事が起きている事実に対して、「逃げろ」と客観的に行動を促すのが「警鐘型」です。

③目的づくりで読者を引き込む文章へ

主張づくりの次は目的づくりです。言いたいことを伝えた後に、相手にどうなってほしいのかを考える工程になります。大前提、意図がない報告するだけの文章を読み手が読んでも「だから何?」と思われてしまうだけです。
いい作文とは双方向性があり、相手のことも考えながら自分の意見を述べることが重要なのです。だからこそ、作文する前に相手にどうなってほしいのか明確化しましょう。

ここからは目的づくりの具体的な手順を説明します。
まずは主張づくりで選んだ型を確認し、下記を確認します。

「感情型」→手段「理解」、目的「共感」
「共有型」→手段「理解」、目的「納得」
「要望型」→手段「変化」、目的「共感」
「警鐘型」→手段「変化」、目的「納得」

上記が各主張に沿った目的と手段です。

目的①:変化(アウトプット)
相手に変わってほしいという目的です。相手が読む前と読んだ後で明確に変化するのが理想。ポイントは変化する要因が「納得」もしくは「共感」になっていることです。
目的②:理解(インプット)
相手に知ってほしいという目的です。相手が読む前と読んだ後で、内容をわかってもらう状態が理想。
手段①:納得(論理的に訴える)
客観的な説明で相手に納得感を与える手法です。文章を読んだ人が、たしかにその通りだと納得する状態が理想。
手段②:共感(感情に訴える)
主観的な主張で相手に共感してもらう手法です。文章を読んだ人が、それわかる、と共感を得る状態が理想。ポイントは、必ず自分の感情を入れること。

ちなみに、理解(インプット)よりも変化(アウトプット)を目指す方が難しいです。しかし目指すべきは「変化」の方です、なぜならば「変化」というのは読み手から書き手への大きな作用だからです。読み手が大きく聞き手の方に身を乗り出す状態を作れる作文こそ、価値のある文章であり、この本で学ぶべき作文なのです。

論理の型で、見違えるほど読みやすい文章

①読みやすさは論理で決まる

目次づくりは、論理的で相手に伝わりやすい文章を描くためにどんな形で文章を書けばいいか理解できるスキルです。
前提、あなたが思っているほど読み手は頭が良くありません。複雑な文章や長ったらしい文章、論理が飛躍した文章は理解してもらえません。例えるなら、道のりを示さないカーナビと同じです。だからこそ丁寧に論理を作っていく必要があります。

ここからは、具体的な論理的説明方法の型を紹介します。

1)同格型
自分の主張を違う言葉で言い換えながら提示していく型
例:「○は~です。〇はこのようなことがありますよね。実際〇は~で~です。以上より〇は~です。」
2)因果型
原因と結果の関係が文章の中で作り上げれる型
例:「〇はどうなんでしょう?〇は×で~すよね、具体例としては~です。以上より〇は×だから△です。」
3)対比型
2つ以上の物を対比して語る場合の型
例:「〇と×があります。〇は~です。×は~です。〇と×はここが違います。~という理由で、〇のほうがいいです。」

相手との距離が近ければ同格型、遠ければ因果型、疑われている場合は因果型を選ぶといいでしょう。相手や状況によって使い分けましょう。

1人ディベートで説得力ある文章に

①説得力のある文章

説得力がないと文章を読んでもらえないので、魅力的な文章にするためには相手から自分へ意識を向けさせる必要があります。そのために断言することで説得力を上げることが重要です。断言するということは、リスクがあり、つまり責任を伴います。断言は強い言葉なので、批判や敵を産みやすいリスクもあります。断言するためは以下流れで1人ディベートを行います。

1)ツッコミづくり
批判されそうなポイントをあらかじめ自分で想像してツッコミを入れる。
証明できるかどうか?例外はあるか?弱点はあるか?確認してみましょう。
2)譲歩づくり
ツッコミに対する反論は、「たしかにこういう点もありますよね」「Aと考える人が多いですが、実はBです」といったイメージで、譲歩としてつくり替える。
3)インパクトづくり
ツッコミづくりと譲歩づくりを踏まえて、実際に断言を作り上げましょう
一番きれいに反論できている譲歩を選び、それを主張とくっつけて断言するのです。

ギャップがインパクトを生み出し、説得力のある文章にすることができます。上記ながれで1人ディベートを行い、説得力ある文章にしましょう。

問いかけづくりで読者を引き込む文章に

①あえて問いかけから書き始める効果

本やネット記事を読んでいて、「みなさんは~ですか?」という問いかけから始まる文章に出会ったことありませんか?
問いかけの文章は、相手と自分の距離を詰める効果があります。自分と読み手(相手)の距離が遠いと、伝わるものも伝わらなくなってしまうので、問いかけ効果は有効活用していきたいです。問いかけには以下の型があります。

1)疑問型
使用タイミング:文章の最初
例:「これって疑問に思ったことありませんか?」
2)先回り型
使用タイミング:「インパクト文」「譲歩」の後
例:「○○って知っていますか?」「○○って難しいと思った人もいるでしょう」
3)クイズ型
使用タイミング:「インパクト文」「譲歩」の前
例:「次のうちどちらが正解でしょうか?」「みなさんならどちらをえらびますか?」

以上が問いかけの型です。また、問いかけのポイントとしては、400~500時に一度程度に問いかけを入れ込むのがいいです。いれすぎるとうざったくなり、入れなさすぎると一方的な文章になってしまいます。

②ポジションづくりで読者に響く文章に

主観的な文章の方が、読み手との距離を縮めることができます。主観的な文章というのは、作者の顔を見せる行為、つまり自己紹介なのです。
もちろん客観的な文章は論理を固めるため重要ですが、主観的な文章も重要なのです。主観的な文章の作成は、読み手との立ち位置によってやり方を変えたほうがいいので、下記を参考しましょう。

読み手より優勢=上)
「横」にたてる経験を探し、書いてみる。
読み手と立場が同じ=横)
自分の「主張に対する自分の思い」を書く。
読み手のが優勢=下)
自分が「下」だと表明したうえで、「横」同様「主張に対する自分の思い」を書く
上、横、下、以外=外)
「上」「横」「下」のどれかに自分の立ち位置を定めて、上記を参考

ちなみに、人間は距離が近かったり、対等な相手の言葉以外は入ってこない性質があるので、「横」が最もいいポジションになります。「横」以外の「上」「下」は、伝え方に一工夫が必要ですので参考しましょう。どのポジションも最終的に「横」を目指すのがポイントです。

枝葉切りでスマートな文章に

①枝切り=いらない文章を取り除く

なぜいらない文章を取り除く必要があるのか?
それは人は長い話を聞くのが苦手なのと、人は不要な文章があると読む気をなくすためです。なので短くわかりやすくまとめる能力が必要です。
しかし、実際に短く完結に文章を書くには「批判的思考力」が必要で難しいです。客観的にいらない文章をのぞいて必要なものしか書かない、という姿勢が重要です。テクニックを次々にの章でご紹介します。

②文章のいらない部分を見分けるテクニック

まず大切なこととして、文章は木と同じ構造をしています。いきなり何言い出すの、と思った方もいると思います。しかし全くふざけていません、文章は木と同じ構造をしているのです。分類は以下の通り。

根幹=目的
目的作りは、木の根を深く張らせる行為
根=主張
主張作りは、木の幹を作り上げる行為
枝=理由、論理
文章の型は、枝をわかりやすく張り巡らす行為
葉=説得
主張に説得力を持たせて、木に栄養を与える役割
花=質問など
質問などで読者を引き込む、花のような役割

上記を覚えたら、作文した文章に対してそれぞれ役割を分類し、不要な文章を見つけ出します。ここで大切なこととしては、木の根っこは土の中にあって目に見えないのと同じで、文章でも目に見えないことは覚えておきましょう。(目に見えないとしても、根は重要で、根=目的を掘り起こしやすい文章にすることが重要です)
幹、枝、葉、花のどれにも分類できない文章が不要な文章なので、取り除きましょう。

あとがき

冒頭でも述べたように、私の作文は相手に意図が伝わらなかったり、時には誤解を与えてしまっていたので、文章づくりに苦手意識を持っていました。しかし、この本を読んで文章づくりの型を手に入れることができました。型があれば、完璧とはいわずとも、ある程度「伝わる文章」を作れるはずです。今日から私は、これらの型をもとに、わかりやすい作文を日々挑戦してしていきたいと思います。

未来の私へ、将来あなたは一体どんな文章を書いているのか楽しみにしています。


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