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六人の嘘つきな大学生 感想

 朝倉秋成さんが書いた、六人の嘘つきな大学生の感想文を作成した。 

 就職活動がやっと終わって、ようやく本書を手に取ることが出来た。
 知人に、「この本は就活中に読むと疑心暗鬼になっちゃうから、就活が完全に終わったら貸してあげる」と言われていた。読む前のイメージとしては、朝井リョウさんの「何者」と「何様」の2冊を複合させたようなミステリ小説だと思っていた。

以下は、読了して10分後にWordへ書き殴った感想である。昔から、本を読むと何故か自分の文章も堅苦しくなりがちだ。

やはり作家は作家たるプライドがある!
私は読了して興奮した。私は捻くれ者なので、穿った考えで犯人の目星をつけて読んでいた。自分の考察通りに、続々と明らかになる真実が面白く、ページをめくる手が止まらなかった。しかし、これは愚かな事だった。私もまんまと騙されたイチ読者に過ぎなかったのだ。 
登場人物達の印象は、物語の終盤までひたすら二転三転する。その度に彼らの言動に対して、勝手に裏切られたり感動したりした。個人的に性善説を信じている身からすると、物語の着地は納得感のあるものだった。反対に、性悪説を信じている人からしても、ある種の納得感ある結末になったのではと思う。

 日を改めてもう一度読んだ際、文中の些細な言い回しによるミスリードや、敢えて触れない心情描写に気づき、とても面白く感じた。
 個人的に、某漫画やアニメを想像出来る台詞があったり、時折クスッと笑える情景描写があったりした点が、プチ伏線回収的な面で面白いと思った。

#読書の秋2022

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