森七菜さんの今後を勝手に考える

森七菜さんの事務所移籍報道があってから1ヶ月が経とうとしている。
以前の記事で森さんについて書いたのだがこんな事になっているとは、と非常に驚いている。


もう一つ驚いた事がある。

それは、彼女はあまり「世間から支持されていない」っぽいのだ。

ネットニュースのコメント欄にも「がめつい」などの辛辣な意見が飛び交い
「森七菜」の第2検索ワードには「可愛い?」が上位に来る。
いや、容姿は女優活動に関係ないでしょう、と言いたいのだが……
だが世間は元々そう思ってはいたのだろう。が、表立っては言えなかった、それが今回の件で誰か1人が声にした事で一気に本音が溢れ出た。ように見えた。

事務所移籍には彼女の母親が関わったとされているが、親がこういう時にでしゃばると、大体揉めやすくなるし、芸能活動にも支障が出て来る。
親がでしゃばっても成功した女優さんは宮沢りえさんと安達祐実さんくらいしか思いつかない。
これからという時にこのような騒動を起こし、森さんのキャリアに味噌がついてしまった感は否めない。

さて、森さんは若手の若手、まだ19歳である。
現在も第一線で活躍している女優さんは若手の頃どうだっただろうか。
現在30代前半で女優として活動を始めた時期が(多分)重なっている以下9人を厳選してみた。


綾瀬はるか
長澤まさみ
石原さとみ
戸田恵梨香
上野樹里
宮崎あおい
新垣結衣
沢尻エリカ
堀北真希


まずは世界の中心で、愛を叫ぶで注目された綾瀬はるか、長澤まさみの2人。

綾瀬さんはセカチュー以降、コンスタンスにドラマ、映画に出演している。

ただ20代前半に出演したドラマは大作の割に視聴率が伸びず(例:白夜行)、出演した映画では胸部が話題にされたりして「数字を持っていない女優」なんて揶揄されたりもした。
それでも20代後半からは「JIN」「今日は仕事休みます。」「義母と娘のブルース」などヒット作にも恵まれており、現在放送中の「天国と地獄」も彼女の代表作になる事は間違い無いだろう。

長澤さんは「プロポーズ大作戦」や「セーラー服と機関銃」は話題になったものの、どちらかと言えば彼女自身の外での振る舞い(奇行と言うとアレかもしれないけど大体そんな感じ)が大きく取り上げられていたと思う。あと元カレとか
風向きが変わったのは映画「モテキ」。スタイルが注目され、ドラマ「都市伝説の女」ではその美脚を惜しげもなく披露している。その後徐々に出演作も増えていき「コンフィデンスマンJP」という新たな代表作に巡り合うのである。

石原さとみさんは正直ここまで売れるとは思っていなかった(すみません。)
彼女は綾瀬さんと同じホリプロ所属という事でほぼ途切れる事なく出演しているが、20代前半まではあまり印象に残った作品に出演していないな、というのが正直な感想だ。4月に放送予定のドラマ「恋はdeepに」を含め、恋愛要素が強めの作品に出演する事が比較的多い。時期は覚えていないが、彼女が「可愛い」「女子の憧れ」と取り上げらるようになったのは2012年にフジテレビで放送された「リッチマン、プアウーマン」あたりだと思う。作品はヒットしスペシャル版も製作された。しかし恋愛ドラマ=石原さとみを決定づけたのは「失恋ショコラティエ」だろう。その後の出演ドラマは「5→9 私に恋したお坊さん」「高嶺の花」「Heaven?」などお仕事ドラマでありつつ恋愛要素強めの作品が9人の中では多い。

戸田恵梨香さんはまあゴシップがそこそこ多かった女優の1人である。
特に熱愛報道は9人の中で1番多かったであろう。
それから共演俳優の足を踏みつけたとか、新垣結衣と不仲で「コードブルー」の撮影時は重い空気が漂っていたとか…(ガッキーとの不仲説はほぼガセだろう。school of lock!時代はお互いを「ガッキー」「トッティー」と呼び合っていたくらいだし。詳細はググってみてね)
それでも途切れる事なくドラマ映画に出演している。それはやはり演技力の高さにあるだろう。
先に述べた3人と比べて、
「コードブルー」シリーズ、「流星の絆」「書店員ミチルの身の上話」「大恋愛」などの人間関係に重きを置いたドラマ
「デスノート」「ライアーゲーム」「SPEC」シリーズなど、個性的なキャラを演じた作品
どちらにも満遍なく出演している。

上野樹里さんもゴシップ、という程ではないが、若手の頃はあまりポジティブな記事は書かれていなかった様に感じる。(振る舞いとか)
「のだめカンタービレ」という化け物級のハマり役に出会ってしまったおかげでそれ以後の作品でも「何をやってものだめ」と言われるようになってしまった。特に大河ドラマ「江〜姫たちの戦国〜」では主役の江(のちの徳川秀忠正室)を幼少期から演じた事もあり、そのバッシングが加速した。ちなみに茶々役の宮沢りえ、初役の水川あさみも幼少期の役を演じていたがそこまで叩かれはしなかった。不憫である。
「ラスト・フレンズ」や「奈緒子」(映画)など、演技のいい作品はあるのに…
彼女が女優として世間的な意味で評価されたのは2018年の「グッド・ドクター」以降のように感じる。
「監察医 朝顔」「テセウスの船」と、続け様にヒット作に恵まれたから、のもあるかもしれない。ただ個人的にはもう少し早めに評価されてほしかったと思う。

余談になるが、石原さとみと上野樹里は朝ドラ「てるてる家族」で共演している。
この時は石原がヒロインで、上野はサブキャスト(石原の姉役)であった。

宮崎あおいさんはほぼCMと映画に特化した活動をしているので、あまり書くことがないのだが(失礼)名前を出したので頑張って書きます。
彼女も演技力が評価されていますが、映画では主人公に関わるヒロインを多く演じているというイメージ。あまり悪役って演じてないんですよね。もっと色んな役をやればいいのにと思う。
実は「ケータイ刑事 銭形愛」シリーズという、若手女優を起用する深夜ドラマ出身。
ゴシップも少なめ。あるっちゃあるけど敢えて書きません。

新垣結衣さんもゴシップ少なめ。というかほぼない。錦戸亮と交際の噂があったくらい。でも好感度が下がらない。可愛いから仕方ない。
自分は「インドア」と発言すれば共感される、逃げ恥のダンスNGシーンが公開されれば「天使」と評される。なんだこれは。天使って本当にいるんだね。(何)
知名度の割に上位6人と比べてドラマ映画出演本数が少ないのも特徴。

綾瀬はるか  ドラマ39本 映画29本
長澤まさみ  ドラマ43本 映画46本
石原さとみ  ドラマ51本 映画24本
戸田恵梨香  
上野樹里   ドラマ22本 映画27本
宮崎あおい  ドラマ28本 映画47本
新垣結衣   ドラマ23本 映画12本

※Wikipedia調べ。抜けあったらごめんなさい

代表作と言えば?と問われれば「ポッキーのCM」「十六茶のCM」「恋空」「逃げ恥」etc…
全年代の方でもいずれかはパッと思いつくであろう。


元女優編。

まずは沢尻エリカさん。
ゴシップの量も質もトップクラス
お騒がせのイメージが強いが、作品には恵まれている。
演技が評価された映画「パッチギ!」を始め出世作となった「1リットルの涙」「タイヨウのうた」など。
「別に」発言で事務所と契約解除後、独立してからも「悪女について」「母になる」映画「ヘルタースケルター」など、話題作に出演していた。
マウンティングという言葉が注目された「ファーストクラス」を除くと、本格派な内容の作品へ出演が多め。
独立後も出演作が途切れなかったのは演技力もそうだが、やはり「女優・沢尻エリカ」という存在が大きいだろう。名前を出せば良くも悪くも話題になる。最近の若手女優にはそのような人はあまり見かけない。そういう意味では稀有な女優さんだった。Wikipediaによれば、女優復帰は今の所ないという。事件が事件のために同情する余地はないものの、実に惜しいものだ。

最後に堀北真希さん。

宮崎あおいさんと同じ「ケータイ刑事 銭形愛」シリーズの出身。のちに大河ドラマ「篤姫」で共演した。
彼女も出演作品は多いものの、ヒットした作品は少ないな、というのが正直な感想。
「野ブタ。をプロデュース」「クロサギ」「梅ちゃん先生」くらいかな。
新垣結衣さんと同じくCM契約本数が多い女優さん。
代表にドコモのCMがある。今ドコモのCMと言えば浜辺美波さんだろうけど、私世代のドコモCMで思い浮かぶのは堀北真希さんか加藤あいさんか広末涼子さんである。
新垣さんと同じくゴシップは少なめ。優等生のイメージが強かったからか。


振り返ると女優活動以外の事がネタにされていた。
それでも今の地位を確立できているのは演技力もそうだが「この人を使いたい」と周りに思わせているからだろう。
現在20〜30代の役の母親を演じるようになった女優さんも、大体20代で出演した作品が注目されて、その後コンスタンスに出演して、アラサー辺りで地位を確立して今も活躍している、というパターンが多い。(木村佳乃さん、常盤貴子さん、松雪泰子さん、和久井映見さんなど)今も昔も出世の流れは大して変わらないのである。

話を戻すが、森さんが所属する事務所、SMAでは業務提携という形を取っているようなので、移籍前に決まった仕事は通常通りこなすのだろう。今の所、映画「ライアーライアー」の宣伝のためテレビに出ずっぱりの状態だ。が、それ以後の活動は未知数と言える。ネットニュースを見る限り、SMAに移籍を希望していたのは森さん側であり、円満退所ではない事を報道で知ったSMAは引き抜きと思われたくないので間を取って業務提携という形に収めたのだろう。今後、森さんに仕事のオファーがあったとして彼女がそれを断っても、他の所属タレントに回せば良いのだから(所属女優:土屋太鳳さんや黒島結菜さんなど)一応のメリットはあるだろうが、プラスかマイナスに働くかはまだわからない。
森さんはまだまだこれからの女優さんである。本人に素質があっても親が介入する事によって周りから「この子使いたいけど親が面倒だからな…」と思わせてはいけない。それを跳ね除ける何かを持たないと正直今後は厳しいよ、というのが私の見方である。
彼女は「歌手活動もやってみたい」という理由でSMAを選んだとされる。それは大いに結構なのだが、歌手も女優も中途半端に行っていると、世間からは「なんだコイツ」と思われる可能性大である。

先に上げた9人に1番近いのは沢尻エリカさんだが(一緒くたにするなというツッコミは無しで)彼女が独立後に活躍できたのは「沢尻エリカ」というブランドを早くに確立できていたからである。世間や業界も彼女を面白い、興味が湧く、信用できるブランドだと知っているから起用し、それを受け入れたのである。

森さんには残念ながらそのブランド力はまだないと言っていい。
今後の活動で「森七菜」という女優を受け入れるにはまだ時間がかかるだろう。
が、上記で述べた通り、現在も第一線で活躍している女優さんはいくつかの当たり役、作品に出会えた事で現在のキャリアがある。
2度目になるが森さんはまだ19歳。まだまだこれからが勝負である。
何年か経った後に「そういえばそんな事もあったよね」と笑い話にできるような女優人生になるよう、願うばかりだ。

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