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鷗外『青年』-主人公と女性たち-
主人公小泉純一を魅了する女性たちをご紹介します。
1..お雪(近くの別荘にいる銀行頭取の娘)
上京後、下宿を見つけておちついたころ、家主のお婆さんにお雪に引き合わされます。最初は「容赦なく開いた大きな目」で見つめられ戸惑いながらも、その美しさや魅力的な所作に惹かれやがてプラトニックな愛を意識するようになります。
2.坂井夫人(法律学者故坂井恒未亡人)
ある日、観劇の際、隣席に座る坂井夫人から言葉をかけられ、それが縁となり後日彼女の自宅を訪れます。そのときの日記に「今日(おれは)知る人となったのである」と記すに至ります。美しい人。しかし、謎のような不思議な目、瞳の奥に何があるのか?
3.お安(家主のせがれの妻でお雪の友人)
年の瀬に、宴席に行こうと下宿を訪れた友人瀬戸の示唆により自分の審美性の未熟を省みることとなるのです。人妻で家主の嫁、というような外型に囚われて今までよくよく顔も見ていなかった女性、モナリザにも喩えられるお安の魅力に気付かされたのです。
4.おちゃら(年若の芸者)
瀬戸に誘われた宴席で、純一に付かず離れずの美しい年若の芸者おちゃら。意識はするものの、宴席には興をおぼえず純一は立ち去ろうとします。そのとき、彼女から名刺を渡され、「次はおひとりで来て」と言われるのです。瞳に緑いろの反射のある目で見つめられながら。
5.お絹(箱根の旅館「柏屋」の特別の女中)
箱根に静養に行くので、と坂井夫人から誘われていたものの決心がつきませんでしたが、大みそかに箱根行きを実行します。そこで画家の岡田と同伴の夫人と出くわして嫉妬の念をいだき悶々として宿へ戻りますが、そこには奇麗で無口な性質らしいお絹がおり気持ちがなごむのでした。
※ひとみ「令和→明治」さんの画像をお借りしました。
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