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読書びより

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2022年10月の記事一覧

トルストイ『人生論』、読んでいます。2

トルストイの『人生論』。この本を読みながらしていることがあります。各章から、エッセンスと思われる一文を引用して「つぶやき」でnote記事に。この複雑で難解とおもえる本の内容を読みとき、読みこなすための作業として……。ここまでをひと区切り。通しで振りかえりたいと思います。  今回は、第十三章から第二十四章までをまとめました。 📗 第十三章  われわれの知識の真実性は、空間と時間の中で対象が観察しうるかどうかにかかっているのではなく、むしろ反対に、空間と時間の中でその対象の

母のために選ぶ、児童書。8

90歳を超えて、さすがに母も小さい文字が読みづらい、眼鏡をかけても本が読めないというのです。電子書籍は母には使いこなせません。ルーペ眼鏡も、母には使いにくいようです。ならばと、視点を変えて、児童書にアプローチしてみました。これは、いけるかも! 📗  前回の記事では、10セット目の3冊についてご紹介しました。母の感想はどうだったでしょうか、ご報告します。 1.『ふしぎ駄菓子屋 銭天堂』廣嶋玲子著/jyajya(じゃじゃ)画 偕成社刊☆ 2.『ニルスのふしぎな旅 1』セルマ

真の愛は常にその根底に個我の否定と、そこから生ずるあらゆる人に対する好意を有しているものだ。この全般的な好意の上にのみ、……真の愛が育ちうるのである。……こういう愛だけが、生命に真の幸福をもたらし、動物的意識と理性的意志との外見上の矛盾を解決する。 トルストイ『人生論』第二十四章

こうした選り好みのあらわれのはげしさは、動物的個我のエネルギーを示しているだけである。ある人々を他よりも好む情熱のはげしさは、誤って愛とよばれてはいるが、そんなものは、真の愛をその上につぎ木して実を結ばせることのできる、野生の若木でしかない。 トルストイ『人生論』第二十三章

理性とは、人間の動物的個我が幸福のために従わねばならぬ法則である。愛とは、人間の唯一の理性的な活動である。動物的個我は幸福にひかれる。そこで理性が個人的な幸福の欺瞞性を人間に教えて、ひとつの道を残しておいてくれるのだ。この道での活動が愛である。 トルストイ『人生論』第二十二章

もともと人間が考えるべきでないことまで生涯考えつづけてきた人は、理性をゆがめてしまっているため、理性が自由ではない。理性が、個我の要求の検討だとか、その充足方法の工夫だとかいう、本来すべきではない仕事に忙殺されているのである。 トルストイ『人生論』第二十章

全般的な生命の運動が、存在同士の闘争の強化と増大にあるのではなく、むしろ反対に不和の減少と闘争の緩和にあることを、人は歴史のうちに認めずにはいられない。世界が、……調和と団結に歩みよりつつあることに、もっぱら生命の運動はあられているのだ。 トルストイ『幸福論』第十九章

母のために選ぶ、児童書。7

90歳を超えて、さすがに母も小さい文字が読みづらい、眼鏡をかけても本が読めないというのです。電子書籍は母には使いこなせません。ルーペ眼鏡も、母には使いにくいようです。ならばと、視点を変えて、児童書にアプローチしてみました。これは、いけるかも! 📗  前回の記事では、9セット目の3冊についてご紹介しました。母の感想はどうだったでしょうか、ご報告します。 1.『AIロボット、ひと月貸します! 』木内 南緒 著/丸山 ゆき画 岩崎書店刊☆ 2.『犬がすきなぼくとおじさんとシロ