「スタートアップ企業は本当に危ないの?」 100年企業からスタートアップ企業に転職して思った "5つのこと"
株式会社Abentry 執行役員兼フロントエンジニアの日下智貴です。
今や「スタートアップ企業」という言葉が当たり前のように定着しましたが、実際には「危ないんじゃない?」「大丈夫?」という不安の声を良く聞きます。
かく言う私もそういうことを言われながらもスタートアップ企業に飛び込んだ一人。
「前職は創業100年以上の食品系大企業の営業職」でしたが、プログラミングスクールで実践的開発な学び、IT業界未経験でスタートアップ企業へ転職しました。
ということで、世間的には"危なさの権化"みたいな存在です。笑
ここでは、そんな立場だからこそ分かるスタートアップ企業のリアルを5つのポイントでまとめました!これから就職や転職を考えている人の参考に少しでもなれば幸いです。
※この記事は約10分程度で読むことができます
1.失敗する。それが普通。
スタートアップ企業では様々な失敗が日常茶飯事で発生します。
投資や契約がうまく決まらなかったり、人材のミスマッチが発生したり、社長ともども日常的に「悔しいーー!」と叫んでます。笑
この失敗の多さこそが「スタートアップ企業 = 危ない」という認識の大部分なのではないでしょうか。
確かに普通に失敗しますが、その失敗への向き合い方が「一般企業」と「スタートアップ企業」では違います。
「危機回避と危機管理の能力」を身につけたいか、「失敗も含めた圧倒的行動力」を身につけたいか、自分の気質に合わせて選べば良いのではないでしょうか!
【一般企業での失敗】
「一般企業」は「失敗 = リスク」という考えで、失敗をできる限り減らします。この失敗に対する危機回避能力が、尋常じゃなく高いのが特徴です。
そして、ひとたび失敗が発生すると、尋常じゃない危機管理能力を発揮します。
クレーム発生から数時間で「お客様のもとに駆けつけて発生状況を確認しつつ、他部署を通じて原因究明を進め、過去の膨大なデータベースから原因を仮説して照合する。」というところまで終わらせるほど。
私の経験上、歴史の長い会社ほど、危機回避と危機管理の能力が図抜けていました。
【スタートアップ企業での失敗】
「スタートアップ企業」は「停滞 = リスク」という考えです。もはや失敗することが普通で、あらゆる行動を行います。この失敗も含めた圧倒的行動力が特徴です。
イメージで言うと「船底に穴が空いたまま航海に出て、なんとか次の港まで辿りつなかいといけない」という感じです。笑
また、1番連想する失敗は倒産でしょう。実際のところ、起業してからシリーズAの調達を受けるまで大体の生存確率は約40%ぐらいと言われているのが現状です。
* 生存率に関してはCB Insightsを参照
一般的には以下のような意見もあるようなので、やはり現実はそんなに甘くないということですね・・・。
ベンチャー企業の生存率を示すデータがあります。創業から5年後は15.0%、10年後は6.3%。20年後はなんと0.3%です。
出典元:「創業20年後の生存率0.3%」を乗り越えるには | 日経ビジネス
2.一般企業は役割分担。スタートアップ企業は何でもやる。
スタートアップ企業の社員に対して「いいなー。なんでもできるし。」という意見を聞いたことがありますが、本当に何でもできました!笑
例えば、現在の私の担当業務を書くとすれば「フロントエンジニア、WEBデザイナー、WEBディレクター、WEBライター、その他雑務」です。
そしてこの記事により「広報」という業務も加わっています。笑
また、スタートアップ企業では、個人の決裁権のかなり大きいので、大抵のことは即時決定することができます。
「今日は上司がいないから、明日にならないとこの仕事が進まない・・・」みたいな事態はまずありません。
一般企業では業務の細分化が進んでいるので、これだけの担当領域があることはあり得ないと思います。
これだけ任せてると「Aさんが会社辞めた途端に、業務が回らなくなった。」みたいな事態になります。
それでは健全な会社経営とは言えなので、Aさんに任せる作業領域を限定しつつ、「Aさんができることは、Bさんもできる」という状況を作るのが通常です。
指示を受けて的確に仕事をこなしたい人は「一般企業」、即時決裁でゴリゴリ仕事を進めたい人は「スタートアップ企業」を選択しても良いかも知れません!
3.ゼロから携わるから、小さな成功が嬉しい。
スタートアップ企業は少人数で様々な業務をこなさなければならないので、大抵ゼロから携わる案件が発生してきます。
弊社が新しく立ち上げたメディアがあるので、こちらを例にお話させていただくと、私の担当業務は以下です。
【担当業務】キーワード調査、サイト設計、デザイン作成、コーディング、記事の業務委託と進捗管理・品質管理、記事の作成、入稿
(業務全体のほぼ全て私の担当です。笑)
私は毎日喜んで作業し、少しでも良いメディアになるよう工夫を重ねました!
このような姿勢で取り組めた理由は、ゼロから携わったことによって「小さな達成」を積み重ねられたことが理由だと考えています。
近年では、科学の世界でも「小さな達成」が仕事のモチベーションを大きく左右することがわかってきました。
関連する研究は山のように存在しますが、一番有名なのはハーバード大学が行った調査でしょう。
(中略)
その結論をひとことでまとめれば、 人間のモチベーションがもっとも高まるのは、少しでも仕事が前に進んでいるとき のようになります。仕事のやる気を左右する要素はいろいろあるものの、ずば抜けて影響力が大きいのは「ものごとが前に進んでいる」という感覚だったのです。
出典元:2019年 クロスメディア・パブリッシング 鈴木祐 『科学的な適職』Kindle版 位置No.943-958
ゼロから自分の力でメディアを立ち上げたことで、
「お宝キーワードを発見した!」「デザインが少しカッコよくなった!」「記事が入稿されてメディアっぽくなってきた!」
という細かな達成ポイントを作ることができたのです。
こういった達成感は、スタートアップ企業の醍醐味と言えるのではないでしょうか。
喜びの大きさがクセになって、ある意味危ないかも知れません。笑
4.人間関係が合わなかったらただのブラック企業。
個人的に1番スタートアップ企業で危ないのはこの「人間関係」かと。
心理学の三大巨匠の一人であるアドラーは「人間の悩みは、すべて対人関係の悩みである」という言葉を残しています。
それほど、「人間関係」は強力な悩みの原因になり得るのです。
スタートアップ企業は社長の影響力がハンパないので、特に社長との相性が大切だと思います。
私はこの会社に入社したいと強く思った理由は、
「この社長と一緒に事業を大きくしていきたい」
「この社長をNo.1にしたいし、その役に自分は立てる」
「この社長とやって会社が潰れたら、どういう理由でも自分のせいだ」
という思いが腹の底から湧き上がったからです。
今や社長とは、お互いに「相性ハンパなく良い」と言い合えるほど仲良くて、ほぼツレみたいなものです。笑
私は一刻も早く事業を前に進みたいので、今は予定以外のほぼ全ての時間を仕事に充てています。
人間関係が合っていると仕事に対するストレスが全く無いので、自分で勝手に「ブラック」なことをするようになりました。笑
前職の時は部署や人との関係性で、常にストレスがありました。
休日にストレスを癒やして、平日に臨むという精神状態です。
もし今の状態で、人間関係が悪かった場合、前職を遥かに超えるストレスがかかっていたでしょう。
「人間関係の合わないスタートアップ企業はただのブラック」だと思います。
そういう危ない雰囲気を感じる企業には、行かない方が得策でしょう。
5.毎日変化する状況で、毎日変化を問われる。
激しい競争にさらされながら成長を目指すスタートアップ企業では、毎日状況が変わっていきます。
そうすると、「昨日の正解」と「今日の正解」が変わるということが日常茶飯事です。
急に業務が増えたり、逆に全くなくなったり、競合の状況が変わって考えの根本を見直したり、変化を挙げるとキリがありません。
その分自分自身の変化も強く求められます。
何しろ一般企業ではあり得ない幅の業務を、あり得ない変化スピードの中でこなしていくのですから。
そんな状況の中で求められることは、
故スティーブ・ジョブズ氏の有名なスピーチの言葉を借りると、
「ハングリーであること」「愚か者であること」「点と点を繋ぐこと」だと思います。
例えば、私はデザインの経験なんて全くありませんが、webデザインもやっています。
なぜこれをできたかと言うと、大学時代に熱狂的に服好きだったことがあると思います。もはや服バカと言っても良いレベルで、GAPでバイトしながら服を買い漁り、MEN'S NON-NOのストリートスナップにも2回掲載いただいたことがあります。
周囲から呆れられるほどのハングリーさを持って服と向き合ったからこそ、独自のデザインセンスが養われました。
そして、そこにwebデザインを繋ぎ合わせたからこそ、全く未経験の領域で社長の期待に答えることができたのだと思います。
この話を聞いて、体中からエネルギーが湧き上がってくる方は、恐らくスタートアップ企業向きです。笑
まとめ: スタートアップ企業の危ない原因は、リスクではなく大半は恐怖にある
ここまで、世間的には"危なさの権化"のような存在である私から見た、スタートアップ企業のリアルまとめました。
こうしてみると「危ない」と言われている原因の多くは、リスクではなく、未経験の領域に対する恐怖からきているのではないでしょうか。
リスクはできるだけ避けるべきものだと思います。しかし、リスクと恐怖とは全く別です。
スタートアップ企業にあるリスクは、「倒産リスク」「人間関係のリスク」でしょう。
そして、倒産リスクが個人に波及することは殆どないですし、人間関係のリスクはどの企業にも存在します。
この記事を最後まで読んでくださった方には、少なからず「危ない」と言われていることに対する挑戦心があるのだと思います。
感じている「恐怖」を払拭した上で、その挑戦を冷静に見つめてみてください。
それでも、そこにリスクは存在するでしょうか?
この問いに対してしっかりと答えを出すことができれば、自分の理想の仕事に巡り会えると思います!
さいごに: 一緒に働く仲間を大募集!!
株式会社Abentryでは一緒に働く仲間を大募集しております!
弊社は個人の変化のキッカケを提供すると同時に、個のエンパワーメントを最大限に活かした次世代のSNSを開発しているスタートアップです。
私たちと一緒に世の中にインパクトを残したいと思っていただけた方はぜひご応募ください!
【企業情報】
会社名 : 株式会社Abentry(アベントリー)
代表者 : 江口 朋宏
設立日 : 2020年6月16日
主な事業:次世代SNSの開発、HIPHOP情報メディアの運営
所在地 : 〒194-0021 東京都町田市中町1-2-5 SHELL MIYAKO V3F 5号室
ホームページ :https://abentry.co.jp/
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