ドローン、バ美肉、AWS。 メンバーの「創る」を伝える ABEJA Tech Lightning Talk #1
ABEJAでは、毎週金曜夕方、社員が互いの知見や興味関心をシェアする、参加もテーマも自由な社内勉強会「ABECON」(アベコン)を続けてきました。
せっかくの知見や関心を社内にとどめておくのはもったいない。そこで月1度、社外の人たちともシェアする「ABEJA Tech LT」も2021年秋から始めました。
初回に登壇した3人が語ったテーマは「ドローン」「AWS」「バ美肉」。文字通り「なんでもあり」な報告をどうぞ。
ドローンを自作してみた
自作のドローンを披露したのは、エンジニアの栗林徹さん。
いま、ドローンの法規制が進んでいます。航空法では200g以上のドローンの場合、所有者や機体情報を国に届け出るよう義務づけています。2022年6月からは100g以上の小型機も届け出の対象に。栗林さんは現時点で届け出のいらない200g未満の機体を目指しました。
ところで、ドローンはなぜ空中で安定した飛行ができるのでしょうか。栗林さんは、人間が自転車で走る際のバランスのとり方にたとえて説明しました。
「自転車に乗っても倒れないのは、無意識に目や三半規管で傾き具合を検知して、筋肉を動かしてハンドルや重心を取りながら傾きを補正しているからです」と栗林さん。
これをドローンに置き換えると、傾きを検知するのはセンサー、傾きの補正は電圧を変えてプロペラの回転数を変えることで安定させているといいます。
2ヶ月制作に取り組みましたが、現状はまだ飛ばせていないそうです。栗林さんはシングルボードコンピュータ側の電流制限など、電子回路の部分に課題があると考えています。
ドローンの制作方法の詳細はこちら。
「バ美肉」のデモ
リサーチャーの藤本敬介さんはバーチャルで「美少女」になる(受肉する)「バ美肉(ばびにく)」に挑戦しました。名づけて「フルスクラッチバ美肉プロジェクト」。その場で実際に「美少女」になるデモも披露しました。
藤本さんは「やってみたい!」と思ったら、ためらいなく作り出す人です。
今回の「バ美肉プロジェクト」は以前「朝会」(※)用の話題に、と準備したのがきっかけです。「せっかくなので、できるだけ自作で頑張った」のが、「作る」とともに生きてきた藤本さんらしいところ。
「バ美肉」を作るには「絵」「動き」「音声変換」「ビデオデバイスづくり」「音声デバイスづくり」が必要、と藤本さん。今回は最初の3つだけに焦点を当てて「美少女への受肉」を目指しました。
まず、「絵」。「美少女」のイメージ作りで使ったのは、Live2D Cubism という、平面の画像を立体的に動かせるソフトです。身体の画像を脚や腕などのパーツに分解し、それを組み合わせていきます。
次に、「動き」。人やモノの動きをデジタルデータにする技術「モーションキャプチャー」を使いました。
最後に「声」。ボイスチェンジャーで、男声を女性化しました。
そして、デモ。藤本さんが「美少女」に「受肉」しました。藤本さんの身ぶりや表情に同調する「美少女」。そこまではよかった。でも「声」がガビガビで聞き取り不能状態…。
ということで、Youtubeにアップされていた「美少女」(藤本さん)をどうぞ。
口ぶりはやっぱりどこか「藤本さん」ですね。
「バ美肉プロジェクト」のコードはこちら
AWSのセキュリティ管理、こう確立した
エンジニアの村主壮悟さんはAWSのインテグレーターとしての知識を生かし、AWSを複数アカウントで使う場合のセキュリティ管理を伝授しました。
ABEJAには20個ほどのAWSのアカウントがあります。ただ、請求代行業者を経由してAWSと契約していたため、AWSアカウントを一括で管理するサービスを使えないという課題がありました。
各部署でアカウントを管理していたため、たとえば入社や退職、雇用形態の変更などが発生した場合にも、速やかにセキュリティの更新ができているのか確証がない状態が続いていました。何か起きたら…村主さんはずっと心に引っかかっていたといいます。
そこで請求代行会社と交渉を重ね、アカウントを作った際のフローを取り決めたうえで、AWS Organization、AWS Control Tower、AWS Single Sign-Onといった、アカウント管理のサービスを使えるようにしました。
村主さんはAWS Control Towerに、会社のアカウントを1つずつ移行しながら、セキュリティが一元管理できる環境を整え、合計20個ほどのアカウントを移行しました。
数カ月使われていない個人アカウント(IAMユーザー)はどんどん消去。さらにアカウントの認証はGoogle Workpsace経由に限定。個人のIAMクレデンシャルを廃止し、AWS SSO経由での認証へ移行。こうしたことで個人アカウント経由でのデータ情報の漏洩リスクは大幅に減少しました。
さらに AWS Organizations を活用することでSecurity HubやGuard Dutyなどのセキュリティサービスも連動できるようになり、複数のアカウントのセキュリティ状況を一元で可視化できるようになりました。また、Billingも一括で管理できるようになりSavings Plansやリザーブドインスタンスも活用し全体で10%ほどのコスト削減にも繋がりました。
「まだ道半ばですが、だいぶリスクは減りました。定期的にチェックして維持したい」と、村主さんは話していました。
勉強会で利用した発表資料はこちら
(終わり)
文:錦光山 雅子
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