突然のブルー
お腹でスクスク育った大きな子宮筋腫。
子宮全摘手術を受けるまでと、その後の日々の徒然を記録しています。
~第28話~
子宮全摘手術を受けると、手術後はホルモンバランスの乱れや喪失感から精神的に落ち込む女性が多いと聞いていた。
でも私は意外と平気。
卵巣は残せていることが大きいのかなと思ったし、このように考えや気持ちを自分の中に留めず、書くことで放出できていることも役立っていると感じていた。
ところが!
手術後20日目にそれは突然やって来た!
気持ちの落ち込み…。
ブルー…。
第27話に書いた退院後の初受診を終えた日の晩からだ。
何となく気持ちが重くて、悲しい気持ち。
しかも何もしたくない。
これはウツと言われる状態だな、と思った。
なぜそんな悲しい気持ちなのかを考えた。
今回の手術で、お腹に傷ができることが嫌だったけれど、子宮を取ること自体は全く嫌ではなかった。
どんどん大きくなってしまっていたし、大きい子宮が膀胱を圧迫するからトイレが近くて困っていたし、悪性のものだったら困るから早く取って調べてもらった方が良かったし…。
私は摘出した子宮がどんな状態なのか、どのように摘出したのか、とても興味があった。
自分の体のことだから、詳しく知っておきたいのは当然だ。
入院中は「予定通りの手術でしたよ。」とは聞いていたが、摘出したものの画像は担当医からは見せてもらってない(家族が術後すぐに見せてもらいスマホで撮影した画像は見たが)。
退院後初受診の時に見せて欲しい、と入院中から担当医に伝えてあった。
そのため、先日受診時に、担当医がその画像を見せてくれた。
それは、家族が撮影したものと同じ状態の画像に始まり、摘出物を検査する過程で2分割したり、薄くスライスした画像だった。
病院でそれを見せてもらった時は、興味深く見ていたのだが、帰宅後、その画像を思い出しては悲しくなってしまったのだ。
そのときには気づかなくても、自分の臓器が、検査対象として、焼肉の生肉のように薄くスライスされている画像は、やはりショックなのだろう。
だって、あんな風にスライスされたら、もう絶対元には戻らない…いや、摘出された時点でもう元には戻せないのだが…。
しかし、今さらなのだけれど、「摘出するって、こういうことなんだ」と現実を目の当たりにした感覚だった。
自分以外の人とのこの感覚の共有はどうやら難しいらしく、家族や知人に話してみても、ふ~ん、という感じの反応だった。
もう1つ理由は思い付いた。
もし子宮があれば、今頃私は月経の最中だ。
卵巣が正常に働いて、今まで通りの月経周期であれば、月経という具体的な現象は起こせないけれど、月経を起こすためのホルモンは出ている。
月経中やその前後はブルーな気持ちになりやすい。
月経という具体的&物理的な現象がないと、その分精神的な揺ればかりがクローズアップされて、大きな症状として感じられるのかもしれない?
体は良くなって行くのに反比例して精神状態が悪くなっていく…。
ここ数日はそんな感じだった。
そんな中でも、毎日のリハビリのためのウォーキングは続けた。
また、病休中のくせに、とか、感染症流行ってるのに、という非難は気にしないことにして、なるべく社会と接点を持とうと、人に会ったり、出かけた先でお茶をしたりした。
これは効果抜群!
心の奥にまだ暗い気持ちは微かに漂っているものの、人の営みや笑顔を見ることは、こんなにも気持ちを明るくするのだなと実感した。
自宅療養中、本格的な運動はまだ控えるように、とは言え、自宅に閉じ籠らず、ウォーキングはした方が治りが早いと言われる理由は、物理的に体内循環を改善して傷の修復を促進する以外に、精神的な作用もあるからなのかもしれない、と思った。
今日も歩こう!