俳句論の本は20冊くらい読んだと思うが、どの本にも名前が挙がる評論家がいた。
山本健吉。
彼の「俳句は滑稽なり。俳句は挨拶なり。俳句は即興なり」を引用する文に何度出会っただろう。その度に読んでみたいと思っていたが、なかなか手を出せずにいた。
が、年末年始の時間を取れそうなタイミングで、『俳句とは何か』を鱗読書会の課題本にしてもらえたので、ついに読むことができた。
結果。
思っていたよりも熱い本だった。引用先ではテクニカルな話題が多かったけど、それよりもっと情熱のたぎる本だった。俳句で何を表現できるかということに迫った本だった。これは、広く読み継がれるといいと思う。
最初の70ページくらいは密度の高い評論文で、読むのに気合いがいるけど、以降は割と読めやすい。なので初めて読むときは、序盤を読み飛ばすつもりで手に取ると、挫折しにくいだろう。
個人的にハッとした言葉を、以下まとめてみた。わかりやすくするために、本文をめっちゃ編集していますのでご留意ください(場合によっては、文意と異なっているかもしれません)。
俳句とは
芸術における俳句とは / なぜ俳句は二度吟じるか
季語はどう用いるべきか
客観的世界の尊重とは
(メモ。俳句とはイデアをつかむもの)
俳句の対話的性質
(そして発句が独立した俳句にも、その特徴は引き継がれているだろう)
2パターンの「かな」のうちの軽い方
芭蕉が理想とした取り合わせ
このタイプの取り合せは《暗黒や関東平野に火事一つ 金子兜太》を真っ先に思い出す。
俳句の未来
句の公的な役割
命のひらめき
これまでの俳書メモで最長クラスのnoteになってしまった。僕が俳句を続けていくならば、きっと山本健吉の本を更に読むだろう。この本も読み直すだろう。
新年早々、佳き本に出会えたことに感謝です。ありがとうございました!