採用のやり方 要件定義から集客編
会社が成長すると必ず採用活動が必要になります。そのため会社によってはほぼ常に採用活動を行っているところもあります。
業績が伸びているために採用が活発化していることは良いことですが、長く同じことを続けていると何であれそもそも何のためにやっていたのかを見失いがちです。
何が課題で何が足りなくて採用活動を行っているのか見失うとコストばかりがかさむ活動になる可能性もあります。
定期的に採用活動の原点を振り返ったり、或いは最初から定義し直しなりなどすることでそれは防げるでしょう。
採用における定義の更新のためや初めて採用を行う時の参考にできるように採用のやり方を発生地点から書いていきます。
全ては事業計画から
全ては事業があっての組織です。会社が存在していることの意義は価値提供を行っている事業にあります。
採用活動は
①事業計画で売上増加を見込み、人員も増やすことが必要になると計画した時。
②事業計画以上に売上が伸びて追加の人員が必要になった時。
③退職者が出て補完する人員が必要になった時
のいずれかで必要になります。
中長期的な事業成長のための幹部採用が発生することもありますが、これも事業が伸びる見込みがあるから必要になるものです。
基本的に採用活動が必要になるのは事業が伸びることを見込んだ時にその増加分を運用するためにどれだけ人が必要かを計算した時からです。それで採用人数も決まります。
それらを直接実行するフロント部門、それに伴ってまた必要になるバックオフィス部門で必要な人数を考えます。
もちろん計画通りに行くとは限りませんから、予想以上に売上が伸びた時や、計画に入れてなかったが後から必要だと気づいた、或いは新規企画で必要になった場合などで突発的に採用活動が必要になる場合もあります。
課題から採用要件を決める
採用要件とはどういった人が必要かなのかということです。この定義は後行程でめちゃくちゃ重要になります。
ハードルが高すぎても低すぎてもダメです。
適切なラインで定義する必要があります。
またどの程度なら教育コストをかけることに耐え得るかも勘定に入れておく必要があります。
どんなに経験のある人材でも新しい職場で仕事を覚える必要はありますから、大かれ少なかれ教育は必要です。
教育コストをかけない採用をして欲しいという要望は現場から上がりやすいですが、要件を高く設定してしまうと採用できずに採用担当の工数ばかりが増えてかつ事業計画に遅れが出るという弊害がでます。
もちろん採用要件が低すぎても教育コストがかさむばかりか、全く戦力にならず退職してしまうということにもつながりかねません。
そのためボトルネックとなる課題からしっかり定義することが重要なのです。
採用する理由として例えば「製品やサービスは売れているが、それに対応する売り手としての営業が足りない」や「競合との差別化戦略のために早く新機能を実装したいが、決めた納期内で開発するためのエンジニアが足りない」など会社によってより具体的に明確にしておきましょう。
例えば営業を採用するのであれば、現場の営業などからもヒアリングして、最低限どのような能力があれば製品を売ることができるか定義します。
それらをベースに採用基準を決めていきます。
これは私の感覚ですが基準が1つじゃ実行能力を見るのに足りなさすぎて、5つだと面接の時に見切れずに判断理由を文章にする時にこじつけっぽくなってしまうので、1つの職種に3つくらいが良いのではないかと思います。
組織に馴染めて定着する人材を採用する必要もありますので、職能だけでなく、会社の文化的なところや目指すべき方向性と合ってるかということを採用基準の1つ以上に設定するのもお勧めです。
候補者を集める
採用要件が決まったら実行部分の第一段階に入ります。当たり前ですがまずは人を集めます。
そのためにまずペルソナを作成します。
採用したいのは具体的に例えばどういう人かということです。
現在の職業が何で具体的に年齢などまでどれくらいの人なのかというレベルまで決めます。
もちろん範囲の狭い具体的な像になりますのでペルソナに完全一致した人を採用するわけではありません。
それでも具体的に設定することでこの後の候補者集めのアクションが取りやすくなります。
次に採用手法を決めるわけですが、ペルソナで設定した人がなるべく多く在籍しているサービスを選びます。
各サービスの資料にそれに関わるデータは載っていることが多いです。
またペルソナの属性に合わせて応募数が多くなる手法を選択します。
ペルソナに設定した人からの応募が多く取れるであろうことを数字で示せる状態にして、選定しましょう。
なぜならば稟議に通すケースも多いという事もありますが、外れた手法を運用し続けると会社にとっても採用担当にとっても損失が大きいためです。
候補者を集めるために求人表を書いたり、スカウトを打つと思いますが、この時にもペルソナを意識して、その人がキャリアで何を課題にしていて何を提示すれば応募に至るまで心に響くのかを考えます。
仮説を立ててそれを候補者を集める文章に反映させて、応募数などの数値の変動を見て、また仮説を立てて改善するということを繰り返してより候補者が集められる状態を作っていきます。
それぞれの会社で求めているものや提示できるものは異なるためこれに決まった答えはなく、上手くやるためには改善を繰り返す必要はあります。
そして面接へ
繰り返しになりますが要件定義を失敗したら後行程も失敗します。
そのためしっかりとデータを揃えたり、現場の話しを聞きに行って情報を集めたり、その一方で現場の点の意見だけでなく全体や経営の観点から最適解を決断したり、といった行動をしっかりとしていく必要があります。
ここまでやったら安泰というわけではありませんが、これがまずは失敗を防ぐための第一歩です。
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