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翻訳としてのデータ分析#40 将来のメインストリームに時間を捧ぐ

原文抜粋 : Happy Birthday, Sweet Sixteen

ロックンロールの世界にあって、15歳と16歳のあいだには、けっして越えることのできない深い溝が存在する。

『ぼくは翻訳についてこう考えています -柴田元幸の意見100-』より

データ分析に置き換えて考える

基本的に実務の世界では、年齢や学歴に超えられない溝はなく、己を語るのは、プロダクトやビジネス成長にどれだけ貢献してきたか(or できる見込みがあるか)しかないと思っている。

ただ、研究室の先生が昔言っていた「博士というのは、己の分野の詳しさについて、世界で3番以内に入っていなければならない」という言葉は今も覚えている。

修士卒の自分としては、そういう難関を乗り越えた人として、博士号取得者をリスペクトしている。実際そうでなかったとしても、コミットの深さという点で、修士と博士のあいだには、けっして越えることのできない深い溝が存在すると思っている。

その話と合わせて。世界で3番以内に入るためには、どうすればいいかについても、先生は語っていた。

曰く、専念する分野を決めたら、まずは、ひたすら時間を捧げること。狭い分野で1年のうち360日を捧げれば、対等な人間は10人以下になる。あとは、その中で3番以内に入れるように工夫すればいい、とのことだった。

かつて競泳選手で、そういう旨のことを話していた選手がいたらしい。それは学問の世界でも当てはまるんじゃないかと印象的だったらしい。

仕事においても。

勤務時間というのは、かなりの時間ボリュームとなる。その時間を、将来サバイブするための、特定分野の経験の蓄積に充てられたならば、大きな糧となる。そして時間を投下する分野の目利きが重要だ。

僕は、対人運に恵まれてきた。加えて、仕事で触れたツールや、たまたま勉強した分野が、その後流行したことで恩恵を受けた部分も大きい。

個人的な体験としては、学部2年生から3年生(2007年から2008年)にかけて研究室の先生が、使うツールをSASからRに切り替えたことは大きかった。その時先生が言っていた「将来のメインストリームを考えて経験を積むことが重要」という言葉は、社会人になってから重みがわかった。

2015年に会社のデータベースがGoogle BigQueryに変わるタイミングを経験できたことも大きかった。

どちらも早い段階で時間を投下できたことが、その後の自身の可能性を拡げてくれた。

同じ目的を達成するためであれば、可能な限り将来覇権を握る技術を見定めて採用することが、一緒に働くメンバーのためにも自分のためにも、断然いい。思った以上に将来が変わる。

以前いた組織のミッションステートメントに、「隣のやつの成長に責任を持つ」というのがあった。年をとって、技術を選ぶ立場になることが増えてきた今、その言葉を胸に稟議をあげたい。

サポートされた者たちから受け継いだものはさらに『先』に進めなくてはならない!!