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【境界知能】子どもの導き方

境界知能のお子さんは、できないことに気が付くと、焦ったり傷ついたりすることがあります。
周囲がそのことに気付かないと「ちゃんとやらないからじゃない?」「もっとやればできるよ」など安易に声をかけてしまいがちですが、そこが落とし穴。

子どもは、初めは頑張りますが自分なりに頑張ったけれども目に見える効果がないと不安になります。そこで「頑張りがまだ足りない」「できる人はもっとやってる」と言われることで落ち込み、自信をなくします。

思春期に近づくと、仮に周囲が励ましても、自分の能力が人と違うことがわかるので不安になったり、自信をなくしてしまったりすることがあります。

そのような時はどのように声をかけ、導いていけばよいのでしょうか。

得意なことは人それぞれ

できないことをただ頑張ることで埋めさせようとするのではなく、まずは「能力はみな違うこと」を前向きに理解させることが大切です。算数が苦手でも暗記ができたり、暗記が苦手でも文章を読むのが速かったり、スポーツが得意だったり、絵を書くのが上手だったり、手先が器用だったり、人の気持ちを理解するのが上手だったり、人には必ず良い所があるものです。

そこを認識し意識させてあげることが、心の原動力になります。

過去に境界知能の女の子がいました。算数や暗記が苦手でしたが、本が好きで文章が読めました。手先は不器用で運動も苦手なのですが、絵を書くのが好きでした。

とびっきり上手ではないのですが、味のある可愛い絵を描きます。私が褒めると嬉しくて何枚も描いてはプレゼントしてくれました。
今でも大切にとってありますが、そのことをお母さんに話すと、プロになるほどではないから。と絵が好きなことに対して価値を置いていませんでした。

着眼点はそこ。将来プロになれるか否かではなく、今好きなことがある。夢中になれるものがある。していてホッとできるものがある。など、楽しめたりできることがあることで気持ちが上向き、それによる効果が大きいのです。

ちょっと自分を誇りに思えることで自信がついたり、ホッとできることをして気持ちが和らいだりすることで、他のことにも意欲的になれるのです。

自分なりの目標をつくる

お子さんに合った課題をこなすことが大切です。苦手な教科は基本中心に。100点満点で35点取ればよしとします。比較的解ける教科は60点目標。というように全教科一律平均を目標にするのではなく、各教科の得意不得意に合わせて目標点を定めることをお勧めします。
また、周囲に合わせるのではなく、易しいレベルではあってもその子なりの課題を確実に。周囲を意識し過ぎると焦ってしまい良いことはありません。

人と比較していると、比べる相手次第で求めるレベルが上がっていき、子どもに負担をかけてしまいかねません。

境界知能のお子さんだけでなく、他のお子さんにも同じことが言えます。各教科の得意不得意に合わせて目標を決め、それができたらよし。としないと勉強はきりがないのです。やってもやっても難しい問題はじゃんじゃんでてきます。学習範囲もどんどん広くなっていきます。

周囲ではなくお子さんなりの目標(課題)をしっかり定めましょう。

・良い所をしっかり認識させ意識させる
・お子さんに合った課題を定める

この2点を意識して前向きに導いてあげてください。

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