「失敗を恐れない」心理的安全性の高い組織作りを目指して

こんにちは、HeaRの安部(@abe_motivator)と申します。

人事の方や組織開発を担当している方、そしてチームマネジメントに従事されている方は「心理的安全性」について考えたことがある方も多いのではないかと思います。「うちのチームには心理的安全性が足りないのだけれど、どうしたらいいのか?」僕個人にも、弊社に対しても、寄せられることの多い質問の1つかもしれません。

心理的安全性については、たくさんの議論があちらこちらで起きています。ネットで調べても大量のアンサーが出てきます。Twitterでも、心理的安全性について述べる投稿を目にすることが珍しくありません。

一応僕自身も調べました。心理的安全性の定義はこちら👇👇👇

エドモンドソン教授によると心理的安全性は「チームにおいて、他のメンバーが自分が発言することを恥じたり、拒絶したり、罰をあたえるようなことをしないという確信をもっている状態であり、チームは対人リスクをとるのに 安全な場所であるとの信念がメンバー 間で共有された状態」と定義されている。

正直この問いに正解/不正解は無いと思いますし、組織によって理想状態は異なると分かっているものの、最近、この心理的安全性の捉え方に違和感を感じることが増えました。

心理的安全性の担保された組織を創ろうとする意欲はとても素晴らしい傾向だと思うのですが、方向性を間違えると「事業が伸びない組織」になるリスクもあるのではないかと思っているので、今日は僕自身が思う心理的安全性について意見を述べていきたいと思います。

■心理的安全性が高い組織の状態とは?

結論、心理的安全性の高い組織こそ、"意見の衝突"がかなり起こっているはずです。
これを聞いて「え?心理的安全性が高いのであれば衝突なんて起こらないのでは?」と感じる方もいるかもしれません。安全性という言葉と衝突という言葉は相反するものがありますもんね。しかし、この解釈は危険だと思っています。

意見の衝突は「言いたいことが言える」からこそ起こります。反町隆史さんの有名な曲で「言いたいこともいえないこんな世の中じゃ~」というフレーズがありますが、これはつまり、世の中=心理的安全性が低いことを表現しているはず(勝手な推測)

※ちなみにかなり話が逸れますが
僕の3か月の息子はPOISONでは泣き止みませんでした……。

話を戻します。もう少し掘り下げていくと「言いたいことがいえる」=「コトに向き合えている」だと思っています。僕が感じていた違和感の正体は「心理的安全性がヒトに向いた状態」を指す意見が散見されていたからかもしれません。

レイヤーや入社年度関係なく、良いサービス/良い組織を作るためにとにかく感じたことを伝える。そこでもし意見の衝突が起こったとしても、ヒトではなくコトに向き合っていれば衝突もマイナスに感じることはなく、むしろプラス。結果的に間違ったやさしさ(甘さ/妥協)で、目標達成する事が出来ない事の方が、個人にとっても組織にとってもマズいですからね。

ただ、ここで勘違いしてはいけないのが、ちゃんと「愛のある伝え方」をすること。衝突してもいい=汚い言葉でFBしてもいいという事ではないですし、愛のある伝え方で意見を衝突させることが出来る組織=本当に心理的安全性が高い組織だと思います。

■チャレンジが推奨される組織を目指して

心理的安全性が高い組織の特徴は、いくつか挙げられると思いますが、特に「失敗を仲間の知恵として活用している」組織は賢いなと感じます。

「失敗は最大の一次情報」という価値観を組織全員が持つこと。自分が失敗する可能性のあったイシューに対して、仲間が代わりに果敢にチャレンジしてくれたのだから称賛してアタリマエという価値観を共通認識でもつことが大切です。

また、チャレンジは言い換えると「成長機会」ですよね。つまり、チャレンジが出来る=成長機会がたくさんあるということだと思っています。成長機会を潰すような組織は、結果的に従業員の成長に繋がらず、事業が伸びません。

チャレンジを推奨する文化を構築できれば、従業員は失敗が怖くなくなります。もちろん僕自身も失敗するのは嫌です。しっかり成功して終わりたい。ただチャレンジを恐れる理由が「上司から怒られる」とか「評価が下がるから」というものであれば、絶対に無くすべき。

僕も前職で思ったことがあります「あー、きっと失敗したら、社長に怒られるんだろうな」「次回の評価はCかな」なんて。お恥ずかしい話ですが、失敗を恐れてチャレンジしなかった挙句、僕の代わりにチャレンジして失敗した先輩を見て「自分じゃなくて良かった」と思った経験もあります。今思うと、自分最低だったなと思います。

念のため一つ補足しておくと、もちろん会社のルールや社会的マナーに乗っ取ったチャレンジであることが前提です。しかし、不確実なものを潰すには失敗はつきもの。組織の誰かがやらないと取り除けなかった不確実性を、果敢なチャレンジで取り除こうとしたのであれば、チャレンジャーを称賛しましょう。特に会社のTOPである経営陣や事業責任者が、こういった姿勢を否定するような発言が目立つ組織は心理的安全性は絶対に高くならないので注意が必要です。

■組織に心理的安全性を醸成する、ライトな取り組み

上記を踏まえ、現在HeaRで行っているライトな取り組みを一つ紹介します。
その名も……「史くじり先生」

まず前提として、普段から組織施策を考える際は、事業や組織が抱えているイシューに対して二毛作 or 三毛作でヒットするものであるかどうかを考えています。この史くじり先生は、弊社のバリューである「ここに愛はあるんか」「史をつなぐ」の強度を高めたいという課題と、今回のテーマである心理的安全性の担保が狙いでした。

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つまり「バリュー浸透」×「心理的安全性の醸成」の二毛作な施策となります。また、施策に触れる頻度が少ないと、どうしても浸透しません(浸透したとしても、スピード遅い)。なので、”高頻度”で取り入れたいと考え、以下のような運用にしております。

■概要
・期待される結果を得られなかった
・恥ずかしいミスをした
→でもこの失敗が仲間の役に立つかも?というチャレンジを共有
■得られる結果
・同じ失敗を繰り返さない
・チャレンジを無駄にしない(風化させない)
・仲間に同じ失敗をさせない

実はこの施策、突発的に思いついたのではなく、弊社コンサルタントの田島(@a_lo_vult) が、勇気を持って自分の失敗を共有したのを見て素敵だなと思ったからでした。

内容はここでは公開出来ないのですが、彼女のしくじりは決して彼女だから起きたことではなく、どこかのタイミングで誰かしらが直面していたものだと思います。彼女の史くじりがあったおかげで、今後は同じミスを繰り返すことは無いと思いますので、非常に素晴らしいチャレンジでした。

そして日々の史くじりをTimesチャンネル(下記noteを参照)や全社MTGでアウトプットするという運用を行っています。

\Timesチャンネルについてはこちら👆/

■さいごに

組織にとっての心理的安全性のあるべき姿は「コトに向き合えるか」だと思っています。つまり遠慮はいらない。必要なのは”配慮”です。

意見や課題に対して、立場関係なく意見をぶつけられる。ぶつけた意見に対して批判があったとしても、その批判を個人に向けない。この価値観は業界や職種、事業フェーズ関係なく、働くうえで大切な価値観だと思います。

僕は漫画のスラムダンクが大好きです。ご存知の方も多いかもしれませんが、キャプテンの赤城の言葉で「オレたちゃ別に仲良しなわけじゃねえし、お前らには腹が立ってばかりだ……だが……このチームは最高だ……」というセリフがあります。

湘北メンバーは先輩後輩関係なく”チームが勝つために”意見をぶつける。これこそ、心理的安全性の高い組織だと思います。
※スラムダンクを知らない人は本当にごめんなさい

話は変わりますが、HeaRでは「青春の大人を増やす」というミッションに向け、一緒に働く仲間を大募集しています。まだまだ完璧な組織とは程遠いですが、一緒に心理的安全性の高い、健全な組織を目指して意見を衝突させたいと思う方はぜひ一度カジュアルにお話したいです。


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