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個に迫って見つけた課題が、どうして広く一般的なものだと言い切れるのか

こんにちは。プロダクトマネジャーをしている安部と申します。

この記事は、プロダクトマネージャー Advent Calendar 2022の22日目にエントリーしています。いわゆる「(プロダクトで)解くべきユーザ課題」の見極めにおけるひとつの視点について1200字で書いてます。読んでいってください。

100万人の心に響かせるには、ごくごく個人的なことを歌えば良い

著名なミュージシャンFがむかし言ってたフレーズです。20年くらい前の言葉です。一見すると矛盾する発言になにか真髄を見た気がして、すごく印象に残っています。確かに心動かされる歌には、解像度が高い歌詞が多い。

時は流れてビジネス、特にプロダクトマネジメントに携わるようになり、「解くべきユーザ課題」を設定するときも、同じようなことが言われているなと捉えています。

「解くべきユーザ課題」もごくごく個人的なところから見つかる

「解くべきユーザ課題」を探しにいくときに、特定の人を深く理解しにいくのは一般的に推奨される行動です。だれよりも解像度高くターゲットの心理や業務を理解した結果、ついに新しい課題を見つけることがあります。

「不だ!負だ!Painだ!イシューだ!Job To Be Doneだ!」

そんな知的興奮とともに(これって他の人も広く抱えている課題なのだろうか?)という冷静な問いが生まれます。

「個に迫って見つけた超具体的な課題が、どうして広く一般的なものだと言い切れるのか」問題です。どうして超個人的な歌詞が、自己満足に終わらないと言いきれるのかと。

要因を構造化し、立体的に行き来してみる

そのアーティストFの思考はこれ以上深ぼれませんが、プロダクトマネジメント領域においてイケてる課題設定をする人/組織がもっている視点から学ぶことはできます。

彼らは課題が発生する要因を構造化し立体的に捉え「高次レイヤーからの影響を受けて存在している課題なのか」を確認しているんです。

これがレイヤーのイメージ

例えば、個人がもつ課題が、とある会社(組織)の特性が要因になっている。ならば、その会社のほかの従業員も同様の課題を抱えている可能性が高い。

もし産業特性が引き起こしている個人課題ならば
会社をまたいで課題が存在する可能性が高い

課題の発生メカニズムを立体的に捉えることで、その再現性を確認できるわけです。

この確認作業は「どうしてその課題はいまも課題として存在し続けているのか」という問いをもつことで明らかになっていきます。困りごととして顕在化しているのに解消されない理由は、自分たちで変えられる範囲の外から影響を受けているかもしれないからです。

当たり前のことかもしれませんが、きれいに整理された課題構造スライドではその立体性が失われているケースも少なくないと思います。自覚的にもっておきたい視点だなと思っています。

以上です。お読みいただきありがとうございました!他のPMの方の記事はこちらです。


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