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「やるって言ったよね?」って言ってませんか?

「自ら『やります』と言ってもらえる環境を整える」では、人に動いてもらいたい時は、動いてもらいたい、その本人から、「やります」という言葉を引き出す必要があることをお伝えしまし。

あなたは、社員に仕事をお願いする時、社員本人から、この「やります」という言葉を引き出せているでしょうか?

社員は仕事を通じて成長しますが、お願いしたことを“業務”ではなく、“仕事”として取り組んでもらうためには、本人からの「やります」という言葉を引き出すことが大事です。


さて、私は、社外の人間としてクライアントの会議に出席することもあります。ある会社で、以下のやり取りがありました。

社長「どうするの?やるの?やらないの?」
社員「・・・、やります」

このようなやり取りでは、次の会議では、決まって、できていない・やっていないことは半分明白なのですが、次の会議の社長と社員のやり取りは、以下のようなものになります。

社長「先月のアレはやった?」
社員「できてません」
社長「何故、やってないの?先月やるって言ったよね?」
社員「すみません」


確かに先月の会議では、その社員の方は「やります」と言っています。でも、その会議の場の雰囲気で、“言わされていた”だけです。

人の行動原理は「快楽原則」と呼ばれ、「快楽を求め、苦痛を避ける」ために行動します。

そして、長期的なことよりも、短期的なことに焦点が当たります。

既にお気づきでしょうが、先月の会議の場において、その社員の方は、来月の会議の苦痛を避けるよりも、今、その場の苦痛を避けるために、その場しのぎで「やります」と言っただけなのです。

その社員の言葉を受けて、「やるって言ったよね?」という指摘は、全く意味がないものです。

確かに、仕事としてやるべきであるのは確かですが、人は感情の生き物でもあるため、その行動を起こすのに感情を無視することができないのも、事実だと思います。

そして、先の社長と社員のやり取りの中に、社員の「安心」は存在していたでしょうか?

社員に、その場しのぎで「やります」と言わせることは簡単です。

しかし、社員の成長のためには、社員が自らの意思で「やります」と言える環境作りが大切です。

この環境作りが、大変難しいのも事実です。でも、この変化の激しい世の中で、会社を存続させるには、「衆知を集めた全員経営」が必要であり、そのためには社員が「安心」して働ける環境を作っていこうとする、経営者の姿勢が重要だと思います。

あなたが考える、社員が「安心」して働ける環境とはどのようなものでしょうか?常に考え続けて頂ければ幸いです。

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