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【野球の競技性】打ち勝つってなに?①【おかげ的】

「打って勝つ」って何だろうか。少し具体的に考えてみよう。ホームランを打つこと、長打を打つことがパッとイメージできることだろうか。序盤から長打で圧倒して10-0の5回コールド勝ち・・・・本当に打つだけで勝てるのだろうか。1度考えてみてほしい。野球には必ず「攻撃」のイニングと「守備」のイニングがある。ハッキリと分かれている。サッカーやバスケはどうだろうか。15分や45分という決められた時間内に攻撃と守備が「混在」している。攻撃の比率が高くなることはすなわち、守備の比率が下がることであり、いわゆる「攻撃は最大の防御」という言葉も現実味がわく。


極端に考えてみよう。攻撃が強いというのは高校野球においては


①「長打が打てる」=決して本塁打ではない
②「足が速い(スチールができる)」
③「戦術の引き出しが多い」


の3つであると考えている。1つずつ説明する。


 ①の「長打が打てる」とは高校野球における長打は試合の流れを一気に変える力があるからだ。同時にチームに勢いも与える。チーム全体に「イケる」という勢いを与える。また、長打が少ないチームは1点を取ったとしても残塁が多くなるのと、複数点を取ることが少なく、内容以上に投手に与えるダメージが少ない。結果として内容以上に粘りのピッチングをされることが多くなる。

 細かい野球を追求するだけでは手詰まりになるのがこういった理由である。

また長打が打てる打者は概してスイングが強い。スイングが強い打者にはバッテリーも警戒する。したがって自然とコースを厳しく狙うこととなる。「少しでも甘く入ったらやられる」というプレッシャーが四球を勝ち取る。

ただし、ここでただ振り回すだけの打者ならイーブンに戻る。この長打を打つという能力に「選球眼」が加わることによって掛け算の攻撃が可能になる。強いスイングを掛けながら、ストライクからボールになる変化球をきっちり見切ることで守備側に強いプレッシャーを掛けていける。
そうすると長打がない打者よりもはるかに多くの四球が取れる。ここに後述する「足の速さ」が加わると普通の公立レベルではどうにもならなくなる。


甘く入ったら打たれる→コースを狙う→選球眼が良く見送られる→塁に出すと足が速く、スチールで簡単に2塁が作られる→外野が前にきてより長打が打ちやすくなる→ボールになる変化球が見送られるために徐々にコースが甘くなってくる→長打がより打ちやすくなる

この無限ループに入るとそれだけで県大会のベスト16くらいまでなら普通にいくようになる。


ただ打ち勝つチームというか、打つだけのチーム非常に脆いものだということを理解しておく必要がある。

プレッシャーの掛からない場面では人間は本来の力を発揮しやすい。例えば練習試合や、緊張感がある程度抜けてくると、雰囲気が変わって打ちやすくなる。

ただ、これが公式戦、特に負けられない夏の大会となると話が違ってくる。

いつも通りの力が発揮できない。

特に相手が好投手でゲームが重い空気の時にいつも通りの力が発揮できるかというとそうではない。普段打てる球が打てなくなる。いつもなら何も考えずにバットを振っている球が、失敗できないというプレッシャーから手が出ない。焦りからボール球に手を出す。気付くと既に試合は終盤。よくある悪循環である。たまに単発でヒットが出ても後が続かない。そのため、打つ以外に得点できる手段を持たないとプレッシャーに飲まれて格下に敗北するというのは良くある。

②へ続く・・・

※これは私が勝手に選手に配っているものを原文そのままに載せてあります

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