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転勤は本当に必要か?

本日はこちら。

えぇ、1年前にも似たようなタイトルのお題がありました。

あの時のお題は「転勤はなくなるのか?」でした。

僕のこの時の要旨は、オンラインでナンパできるくらい、オンラインが当たり前になれば、転勤はいらなくなるのでは?といった感じでした。

1年を経て、この考えに概ね変更はありません。やはり、オンライン化できる領域を広げるテクノロジーが開発されていけばいくほど、転勤の必要性は薄れると思います。

今、現場では「若手」と「ベテラン」の隔絶が起きていると思う

転勤がいきなり無くならないにしても、減ってはいくように思います。

この「減っていく」という考え、残念ながら、世代間のギャップが先鋭化するという実態が含まれてのことではないかと危惧しています。

つまり、例えば今の40歳以上は転勤ありきで仕事をするが、それより下は転勤しない、といったことです。時代と共に転勤しない人の割合が増えていく(=転勤が減っていく)のではないかと思っています。

今回のお題投稿では、テレワークによって脱転勤といった趣旨の内容が書かれていました。この延長線上で話をすると、以下の記事が気になってきます。

「転勤って非効率だ」と思う若手、「転勤は重要だ」と思うベテラン。テレワークの延長線上で転勤を語ると、そういう世代間の価値観に違いがあり、対立軸が生まれてきます。

転勤にメリットはあるのか?

ここでもう一度考えたいのは、それでも転勤しといたら若手にメリットはあるのか?ということです。

転勤の負の側面は言い尽くされているでしょう。慣れない土地にある日突然会社の都合で引っ越しそこで仕事をするのは大変な負担が家族も含めてかかります。

一方で、新天地で環境が変われば、マンネリを抑え、リフレッシュして仕事ができるかもしれません。新しい土地で生活すること自体が刺激になるかもしれません。新しい人間関係、新しい顧客、新しい現場を経験できるのでキャリアップや人脈の広がりにつながるかもしれません。

このメリット、聞き覚えがあります。

そうなんです、「転職」のメリットと同じですね。

キャリアのスイッチングコストの考え方も世代間で違うでしょう。

転勤するくらいなら、自分が住みたい場所なりやりたいことを自らで探して、転職してしまえば良い、と若手は考えるでしょう。ベテランはここまで割り切った考え方で動くことはないでしょう。

会社とベテランは良い関係です。こういう場合もあります。全く使い物にならないベテラン社員を同期にもつ本部長の心境を考えてみてください。

悪い奴じゃない、新人の時から一緒に頑張ってきた、でもどうしようもなく物覚えが悪く、結果が出せないあいつ。年功序列で課長級にはなんとか上がったけれど万年担当課長で本当のリーダーになったことはない。そんな社員はコストでしかない、給料はそこそこいいのに結果を出さない。気づけば俺は本部長、同期の奴の処遇をどうしよう。さて困ったな。彼は会社のことも俺のことも好きでいてくれる。辞める気はないみたいだし、辞めたところで行くところもないだろう。しかし、他の部課長は「うちにあいつは要らない」と言っている。・・・そうだ、転勤させよう。

こうして数年おきで転勤させるわけです。そうすれば結果が出る前に転勤するので、責任も追求しなくて済むし、本人のプライドも傷つかないし、周りの部課長も数年耐えればどっか行くからなんとか我慢できる。

終身雇用の代償です。

この仕組みが本当に悪いのか、という判断は案外と難しいところです。転勤とはある一定世代より上からすれば、社会保障なのです。みんなでコストと果実を分け合うのです。それは年金と同じです。仕事ができようができまいが、会社という村の中で、皆がある程度豊かに生きて行くための知恵であったわけです。

ある程度評価できる部分もあるように思います。つまり、実力や才能が天から与えられた幸運に左右されるのだとしたら、才の再分配が行われており、「皆が一生懸命働く」=「皆が転勤も厭わない」環境で、全員がこの世に生まれてきた役割なりを全うしていれば、その努力にはそれなりに報いようじゃないの、という仕組み。

しかし、それは「全員」で共有された価値観でないといけません。要するに、「私は年金なんか積み立てたくはない」と言い出す人(=若手)の割合が一定以上いれば、この仕組みは破綻します。

この世代間のギャップをも乗り越えられる共通の価値観とは何か?それが示された組織、会社においては、転勤に価値を見出すことができるかもしれません。

それができないのなら、会社理由の転勤は難しく、転職による人材流出を招き、社会から淘汰されていくものと思います。

この共通の価値観とは、あり得るとすれば「社会への貢献」だと思います。

端的に言えば、会社に貢献する転勤はなくなると思います。

社会に貢献する転勤は今後も必要かもしれません。ただし、社会に貢献することと転勤することが紐つくものがほとんどないのなら、やはり転勤は必要なくなるでしょう。

転勤すること自体が社会の役に立つのなら、会社も本人も満足でしょう。

そんな転勤があるのか。知らんけど。

ということでまた。

#日経COMEMO  #転勤は本当に必要か

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