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【ダナン旅行記#3】雲の上に巨大な手

朝、目を覚ますと知らない天井だったが、すぐベトナムに来ていた事を理解した。

旅行先で目が覚めてからの一瞬、ここはどこだと不思議な感覚になるのがなんとなく好きで、だいたい寝起きがいい。

一緒に旅に来ていた両隣の2人はまだ寝ていた。声は掛けたものの起きて来れなそうだったので、仕方なく1人で朝食会場へ向かう事にした。

異国の地でどんな朝食が待っているのか不安と期待で半々だったが、想像以上に綺麗なビュッフェが並んでいて一気にテンションが上がった。

案の定勢いで取りすぎてしまったのだが、1人窓の外を眺めながらのんびり朝食を食べていると、S君から「おいしそう?」とLINE来たので「良い感じ」と伝えるとS君は朝食会場へやって来て一緒に食べ始めた。味はお世辞にも美味しいとは言えないのだけど、だからこそなのかその味や風景が鮮明に残っている。

前夜ホテルに帰って来た時には荒れ果てていた道路も朝になるとかなり綺麗に舗装されていた。

この日は中世ヨーロッパをイメージとしたダナンの人気テーマパーク「バーナーヒルズ 」へ行く予定だった。僕たちは支度を終えてバーナーヒルズ へ向かうツアーバスを待ったのだが、予定の時間になってもなかなか現れないバスにかなり不安が募った。

かれこれ10分15分過ぎたあたりでバスが到着して安心した。

僕たちの乗ったバスは今日が初めて人を運ぶ日だったらしく、とても綺麗な車内で居心地が良かった。所々でツアーガイドの女性が英語で街の解説をしてくれていたが、僕たち3人とも何を言っているのか全く分からなかった。

テーマパークに入る瞬間の胸の高鳴りようといえばそれは凄まじいもの。僕たちはツアーとお別れし、自分たちで回る事にした。

入口に入ったあとでロープーウェイにかれこれ10分程乗るとバーナーヒルズの主要地に行ける。見渡す限りの山と吹き抜ける風を感じながら一体どんなテーマパークになっているのだろうかと想像した。

壮大な世界が広がっていた。

2D、3Dのアトラクションやフリーフォールに乗った。絶叫が苦手な友達の叫び声と表情が面白かった。

 トイレに描かれた不思議な壁画。

地図に日本語が書かれていなくて自分たちの位置を把握するのに少々手こずったが、僕たちはバーナーヒルズ 一有名な巨大な手を目指す事にした。

が、まずはホットドッグで腹を満たす。

道中目に映る建物から、このテーマパークに対していかに力を入れているのかが分かる。とにかく広過ぎて1日でようやく回れるくらいだし、山の上にあるので世界から隔離されたテーマパークのような景色が広がっている。

そして僕たちは巨大な手に辿り着いた。とにかくデカすぎる。山から手が生えて橋を支えているという発想自体がものすごく単純で最高だし、それを実現する所もこの国良さが詰まっている気がする。
もちろん景色も絶景で、何より雲が自分より下にある事に感動した。

絶景も見られた所でロールアイスを食べたが、バナナ味は失敗だった。一つで飽きた。

山の隙間から見える城。僕の人生では、こういう景色を常に待っているのだと思う。冒険の末にようやく辿り着いたというありもしない情景が頭に浮かんだ。

ベビーカステラはパサパサしていだけど、カスタードで強引に美味しくなっていた。最初に食べたひとつだけカスタードを入れ忘れていたが、それによってこのベビーカステラの味をよく覚えているから良しとしよう。

ツアーガイドさんとの待ち合わせ時間も近づき、少し早めに帰ろうとした所で丁度遊び場スペースがあったので、そこにあった巨大ジェンガを何気なく3人で始めた。

気がつくとかなり上まで積み重なって、そんな光景を面白がった人たによって徐々にギャラリーが出来、視線やカメラがいくつも向けられた。

単なる遊びだったのに、突如舞台に上げられたような気分になり途端に緊張した。もうすぐ崩れそうだとカメラを向けたのだろうけど、僕たちはそれからもかなり粘ったので立ち去る人もいた。

結果僕が崩して終わった。

再びロープーウェイに乗り10分そこら。流石に景色も既に見慣れてしまったところで、前の席に座っていた方に日本語で話しかけられた。かなり前に日本の神戸に留学していた事がある韓国の方だった。久しぶりに身内以外から聞いた日本語に安心した。

ツアーの方と合流しバスでホテルの前まで。帰りのバスでは気がつくとぐっすりと寝ていた。

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