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読書感想より愛を込めて

7月に入りましたね。

インディ・ジョーンズが好きなので映画を是非、映画館の大スクリーンと音響で観たいのですが、映画って映画館で見ようとするとめちゃくちゃ高いのですね!
ビックリしました。

パパが大活躍する「最後の聖戦」が好きですが、先日「魔宮の伝説」を改めて見たら、コチラも私好みのグロテスクさがあって面白かったです。
アクションも一番好きかも。トロッコとか!
あの地下神殿の描写、なんか良いです。
ゴリラのデザートは最悪ですね‥。子どもの頃に見てたらトラウマ確定だ。

さて、最近読んだ本の感想です。

最近読んだ本

黒猫/モルグ街の殺人 他6編/ポー

小川高善 訳

「ポー」ってだけ表記されるとなんか拍子抜けする感じ。
名字なのかな?ポーさん。アレ、なんか黄色い熊みたいだ。
エドガー・アラン・ポーの光文社版です。
『黒猫』『モルグ街の殺人』を始めとした短編集。
私はポーは全く読んだことが無いので初めて読んだのですが、江戸川乱歩の『屋根裏部屋の散歩者』と同じような気持ちになってる。
名前の通り、江戸川乱歩が影響を受けているのだけど。
以前、NHKの「100分de名著」で紹介されていて「ミステリー小説というカテゴリーがまだ無かった時にミステリーの黎明期を作った人」的な。偉大なるポーさん。
内容はどれも不気味でグロテスク。
ミステリーの夜明けは不気味でグロテスク。
それに比べて後年のホームズやポアロ、明智小五郎、金田一耕助とかってとても親しみやすい。
この時代はまだ犯罪のトリックが「埋める」「燃やす」みたいな原始的な感じ。
犯人の独白で語られる形式なのですが、段々と精神崩壊する様を描いていて精神的に抉られます。
冒頭の『黒猫』は岩合光昭の世界ネコ歩きが大好きな人にオススメ‥なワケあるか!
愛猫家の方は怒りが湧くと思います。
『早すぎた埋葬』は閉所恐怖症の人は多分ヤバい。
読んでて息苦しくて仕方がなかった。
しかし、まさかの結末はハッピーエンド⁇っぽい。ちょっとユーモア効いてる。

「モルグ街って地名だと思ってたら″身元不明の死体を展示してる街“って意味だった、怖すぎる」
っていう旨のつぶやきを以前見た事があるのですが、昔のヨーロッパって怖すぎませんか?
そんな『モルグ街』の犯人はスゴイです!前衛的だなあ。

ミステリー界の黎明卿恐るべし!

『アッシャー家の崩壊』も光文社から出てるので読みたいですね!

ミステリー:★★★
グロ:★★
斬新:★★★★


1922/スティーヴン・キング

横山哲明・中川聖 訳

Sキングは今回初めて読みました。
映画は「ペットセメタリー」を観たくらいかな。
1922は映画化もされてます。後述しますが非常に気持ち悪いので観たくはないな‥(笑)

舞台は1922年のアメリカの田舎の農場。
土地を手放して都会に行きたい妻と農場に固執する夫。そこにピュアな息子がいる。
自己中で利己的なクズ夫が息子と共謀して妻を殺す話。
感想としては気持ち悪かった
アメリカの農場って牧歌的なイメージがあったけど、この話はただただ陰鬱なだけ。
この作者、死体が好きなのか⁈
ペットセメタリーもゾンビ系だけど、コチラも主人公が殺した妻の死体の幻覚に惑わされる話。
主人公の幻覚なのかネズミがよく出てくるんだけど、まぁ気持ち悪い。
いちいち細かく描写しなくていいから!っていう描写が多い。

ピュアな息子ヘンリーとガールフレンドのシャノンの件からは面白いです。
メンタルやられちゃったヘンリー君は恋人のシャノンちゃんを孕ませちゃいます。
でも、ヘンリーはあまり裕福じゃない農民、シャノンちゃん家はやり手の農民。
反対されて駆け落ちしますが、その道中が凄惨過ぎた‥私好みの凄惨さ。
若い2人が堕ちていく様はジェットコースターみたいで好き。ここがハイライトかなーって思う。
シャノンとシャノンの家族はただ可哀想。
ヘンリーもピュアで良い子なのに‥。

結局、主人公がクソ。
主人公の傲慢さが全く理解できない話でしたが、クライム系ホラーの巨匠だから目が離せなくなる系の面白さ。
後半の各々が不幸になる件は好きですね。
ラストも良かった。

巻末の短編『公正な取引』は「悪魔との契約」がテーマっぽい。
舞台は2000年頃のアメリカのどこか(忘れた)。
僕と契約して魔法少女になるにはだいぶ歳をとり過ぎた初老のオッサンが末期癌になって、路肩でゲロ吐いてる所から始まる変な話。
悪魔ことキュウベェはオッサンに「延長」を売りつけて、オッサンは代わりに魔法少女にはならずにお給料の15%をキュウベェに月賦で払うという契約。
そして、その契約には「嫌いな奴を不幸にする」というオマケつき。
このオマケがすごいんだなー。
そのオマケのターゲットになったのは、幼馴染で実業家になった親友。

友達って意外と嫉妬の対象なのは古今東西変わらないみたい。

その友人って主人公のガールフレンドを寝とるわ、ゴーストライターみたいなのもやらせるし、その他色々なかなかのクズなので因果応報な気もする。
それにしたって、可哀想なくらいの転落ぶり。
その不幸がネチネチ嫌な感じで、死ぬより辛い。
その親友も言ってましたが、旧約聖書のヨブ記みたい。

お化け系ホラーではなくて「人間はこんなに怖い」って感じのホラーですね。

スリル:★★
グロ:★★★
オッサン:★★★★

※何故かAmazonから引用が引っ張らなかったのでリンクは無しです。

人類よさらば/筒井康隆

はじめての筒井康隆。
『時をかける少女』の方。
この方のハイデガー本を読みたいと思いつつ何故かコチラを借りてしまった。
あと、『パプリカ』も読みたい。

コチラはショートショート集。
星新一っぽいSF、ブラックユーモア系、昔話、怪談、クラリネットの組み立て方(⁈)など多彩過ぎな短編集。
やはり特筆すべきはマッド社員シリーズ。
著者が面白おかしく想像で書いたと思うんだけど、リモートワーク、AI秘書(ロボット秘書)、回転寿司‥現在ではスタンダードになりつつあるモノを多分40年前に「ありえない話」として盛り込んでいます。

そして、後半にいきなり挿絵とビジュアル付きのページが出てくるんですが、何故かクラリネットの話で30ページくらい割かれてる。
クラリネットのハウツーっていうかうんちく話。
ご丁寧に挿絵付き。写真付き。
なにこれ(笑)
そしてね、このコーナーの力の入りようがヤバいです。
ほんとなにこれ(笑)
「クラリネットの(当時の)値段リストはね、こんな感じなのよ」
みたいなので見開き1ページ使われてる!
値段リスト知るかよー!一番高いのは(当時)70万円らしいです。
すごいな、中古車買えるじゃん‥。
マジで謎なんですが、このクラリネットうんちくコーナーが一番面白いです。
最後に謎の挿絵で終わるのがすごい緩い。

この著者、笑いのセンスが只者じゃないと思いました。

笑い:★★★★
ダークさ:★★★
クラリネット:★★★★★

※またリンクが貼れませんでした‥なんでやねん!ごめんなさい!!


リンクが貼れず調子がよろしくないので今回はこの辺で。

ではまた。

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