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【写真】快晴,東京. その10 東京ゲートブリッジ,富士山と満月と

 快晴予報の日に、カメラと一緒に出かけるようになった話を書いてきた。

  12月8日の今日は満月で、しかも快晴予報だったから、どこに行こうか迷った末、東京ゲートブリッジを再び訪ねることにした。

 ただ、天気がよすぎて、その前に都内の紅葉も撮っておこうなどと著しい寄り道をしたために、予定していたバスに3分違いで乗り遅れた。

神宮外苑いちょう並木(時期的にちょっと遅かったが)

 実は、最寄りのバス停である「若洲キャンプ場」までの便はそれほど多くない。最適解を提案してくれるGoogle検索からうっかり外れたときの落とし穴でもある。

 引き返そうかと思いつつも、せっかくだからと循環のバスに乗り、その随分手前の「東京ヘリポート」で下車して、歩くことに。今日の話はそこからだ。※すべての写真の加工は、最小限のトリミング等のみ

目的地は風車の向こう


■何もかもが美しい、晴天の夕刻

 Google検索で徒歩約20分、実際は30分以上歩くことになったわけだけど、バスを降りた瞬間に「引き返さなくて正解だった」と実感した。

 ヘリポートから発進したヘリが目の前を飛び去っていき、

対岸は舞浜のリゾートホテル群

 季節外れのせいか人の気配のないヨットハーバーが静かにたたずんでいて

 雲ひとつない空は、こんなふうに美しい。

 飛行機のシルエットを楽しみながら進む。周囲は大型トラックがひっきりなしに走るだけで、人の姿はまばらだ。

 この、非日常な「感じ」はまさに「旅モード」突入の合図で、とても満たされた気分になる。


■富士山×東京ゲートブリッジ

 一応、急いで歩いていたのだけど、大きなものは近くに見えてなかなかたどり着けない。時刻は16時を回り、残念ながらサンセット撮影は難しそうだなと悟る。

 陽の入りは16時半頃なのだけど、その10分前には太陽そのものは見えなくなってしまうことがありがちだ。

 やっとのことで「若洲キャンプ場」の敷地に入り、バス停で帰りの時間を念のため再確認し、駐車場を通り抜けて運河へ。

 対岸から、富士山のシルエットが出迎えてくれた。

 ああこれは、もし3分前のバスに乗り遅れなければ、前回来たときに列をなしていた週末フォトグラファーの皆さんが狙って果たせていなかった「橋の向こうに富士山、そこにサンセット」の3点盛りが今日は撮れたということなのだろうか?(日没後にシルエットが立ち上がってくることもあるので…両立したのだろうか?)

 気を取り直して橋の下をくぐり、反対側へ。

 岩場にまばらに陣取る釣り人以外の人はほぼおらず、ひとりだけ、大型カメラと三脚を持った人が足早にわたしの前を急いでいた。「遅れちゃいましたね」と心のなかで挨拶して、わたしも歩を速める。

 なるほど、富士山はこのように橋の下に収まるのか…。

 片瀬江ノ島のような大きなシルエットが望める場所だと顕著だが、見えないときはそんなもの最初から存在しません、というくらい気配も見せず、見えるときは圧倒的な存在感を見せるのが富士山だ。

 この、堂々とした佇まいには引きこまれ、見入ってしまう。サンセットには間に合わなかったけれど、今日は夕陽の照り返しとともに鮮明に立ち上がってくる富士山を、存分に堪能することができた。


■背後にまさかの満月

 ほぼ人のいない岩場に立ち、富士を眺めていたのだけど、ふと背後に気配を感じた気がした。

 大げさではなく、「わあ!」と声に出してしまいそうな月がそこに。そうだ、満月。しかし富士のシルエットの前にすっかり失念していた。

 じーっと見つめられ「いやー、困ったなあ」となってしまうような、それほどに大きく見えて、おまけに何か言いたげにも見える月。

 こんなふうに「月とわたし」のような一対一の関係になるのは稀だからなのか何なのか、月をすっかり擬人化している自分が可笑しい。


■そして富士山のシルエット再び

 バスの時間を気にしながら来た道を戻る。

 運河からの富士のシルエット、再び。

 冬は空気が冷たく澄んでいるせいか、撮影した画像がよりクリアに感じられる。寒い冬の楽しみが増えた。

 と書きつつ、明日もまずまずの天気らしいのだが、どうしよう?


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