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命を纏う森羅万象のものたち  

暖かい春の日差しが
私を柔らかに包む
実家の裏の畦道を散歩すると
蓮花の花たちが
風に花びらを揺らしながら

おかえり

そう
迎えてくれる

小さなお寺から
読経の声

故郷の春は
いつも優しく暖かい

山路きてここがまほろば蓮花寺


寺は幼い頃の遊び場だった
日暮れまで
かくれんぼ
境内の木々や床下は
秘密基地の宝庫だ

昼間は優しい顔をした寺も
夕闇が迫ると
少し不思議な景色を見せた

蝙蝠が飛んでゆく

春の月蝙蝠いっぴき従へて


逢魔が時

子どもだった私には
夕暮れ時は
畦道の風景や馴染みの寺も
不気味にも映っていた


想い出に別れを告げて
家路を急ぐ
森羅万象は命を纏い
語りかけてくる


何処からか春の歌が聴こえる

それぞれの春
家々に命の灯りが灯り始める
古民家の庭の桜が散り急いでいる

屋根屋根に動きはじめる春の歌

春は旅立ちの季節
伝統と未来への橋渡し
一人ひとりが
思い思いに動きはじめる春

それを
静かに見守る
森羅万象のものたち

風が光っている
命を纏ひ輝く森羅万象
春は誰にもやって来る


宇宙杯みんなの俳句大会募集要項/みんなの川柳大会 みんなの短歌大会も同時開催|かっちー|note


かっちーさんに声をかけていただき、どきどきの初参加です。


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