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MBA Women Career Talk #17 その① -2021.10.31

女性のキャリア形成を支援する会社「A&CO」がプロデュースするオンラインセミナー「MBA Women Career Talk」。毎週日曜日の朝に開催しています。

17回目となる今回は「BOND-BBT MBA卒女子から学ぶ!わらしべ長者戦法で掴み取るキャリアとは?」と題しまして、公認会計士/上場会社社外役員の礒村さんをゲストに迎えてお話を伺いました。

磯村さんご登壇

川原 真理さん みなさま、おはようございます。本日もよろしくお願いいたします。本日はですね、BOND MBAの磯村さんにお越しいただいております。わらしべ長者戦法というところで、磯村さんのキャリアがどういった変遷を経たかっていうお話を今日はお伺いできればと思っております。

では、時間も限られていますので、さっそく磯村さんにバトンをお渡しいたします。よろしくお願いいたします。

磯村 奈穂さん はい。ありがとうございます。よろしくお願いいたします。改めまして、磯村 奈穂と申します。本日、10月最終日、ハロウィンですね。朝早くからありがとうございます。よろしくお願いいたします。

211013_磯村さん

公認会計士/上場会社社外役員
礒村 奈穂さん


公認会計士試験合格後大手監査法人に入所、IPOや海外での内部統制支援に携わる。その後ベンチャー企業の役員に就任し、上場を経験する。2020年WEspoir合同会社設立。2021年BOND BBT MBA修了。現在2児の母。

まずは、自己紹介をさせていただきます。現在の仕事は、ソーシャルメディアのマーケティングをしている企業の役員をしております。

会計士として監査業務や上場経験がありましたので、就任しまして1年半ほどで無事、上場に立ち会うことができました。

MBAは、オーストラリアのBOND大学と大前 研一さんのビジネス・ブレークスルーのパートナーシッププログラムがあるんですが、そのBOND-BBT MBAを今年の頭に卒業いたしました。

MBAで学んだこともありまして、昨年自分の会社も立ち上げております。

家庭面では結婚していまして、子どもが2人おります。1人は5歳で、もう1人は先月出産いたしました。というところまでは、役員、MBA、家庭といい面だけをお伝えしております。

特にですね、会計士とかMBAというと、もしかすると資格を持っているなら、そのスキルで十分キャリアを築けるんじゃないかと思われる方もいらっしゃるかもしれません。ただ、実はつまづくことも非常に多くて、いろいろな局面でハードルがありました。

磯村さんのライフラインチャート

画面を共有いたします。見えていますでしょうか。

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今回はどういったしくじりがあって、どう方向転換してきたのかということ。これが一番長いんですけども、次にその後、自分自身の経験とMBAがどのように繋がってきたのかということを主にマインドの面からですね。最後に、そうは言ってもすぐに転職だとか、MBAに飛び込むっていうのは、いまぽちっと前夜でいけるものではないので、少しずつの行動を起こすこと。これを簡単ではございますが、ご紹介したいと思います。

まずは私自身の経験ですね。ライフラインチャートに記載いたしました。22歳で会計士試験に合格して大手の法人に入りましたが、そこは全員が会計士なので、資格はアドバンテージではなくて当たり前のものなんですね。

当時は残業ですとか、ハラスメントに対する考え方が世の中的にもいまよりもなかったこと。あとは、リーマンショック。時代やタイミングもありまして、休職。

あとは、業界的なリストラ、マミートラック。マミートラックをご存じの方もいらっしゃると思いますが、簡単に説明しますと、出産した女性が出世ルートから外されて、同じようなトラックを延々と走ることですね、そういったことが入社してから次々と起きました。

細かい物事はさておき、仕事上で自分の価値、置かれた状況、今後に対してもやもやとしたものを抱えた経験がない方はいないと思います。

当時の私は声が届かずに自分の存在がどんどん薄れていくような、私自身のことを誰も見ていないような、それでもいろんなものに追われて必死になって、フォローして回るようなことばかりをして、すり減るような日々でした。

もちろん、職場の人や、クライアントにはたくさん恵まれていましたし、いまの基礎は最初の職場にあるので感謝もしているんですけれども、いい面もあったし、こういった面もあったということですね。

こんな入社早々からいろいろとつまづいていた私のキャリアでもポイントとしては2つありまして。転んでもただでは起きないですね、1つ目は。あとは、次々とご縁が繋がっていっているんです。

転んでもただでは起きないという部分についてですが、特に20代のころ、自分がどこがいけないんだろうかって非常に悩んだんですね。なんでこんな目にあうんだろうかとか、どこが悪いんだろうかと。

私は悩み始めるとずっとそのことを考えてしまうのでしょうもないんですけれども、こんな上司は嫌だ、みたいな記事ってありますよね。そんな記事を共感しながら延々と読んだりですね。同期と飲んで延々と愚痴を言い合って、みたいな時間もたくさん過ごしました。

一方で、そういった記事からどういったマネジメントがいいのか。自分のどこを直せばいいのか、ということも早い段階で考えました。

不利な環境のほうが自分のあとがないので工夫もするんですね。激務のある業界でも残業せず、質を高めていくような仕事の仕方。成果がわかりにくい業種での成果の見せ方。あとは、若い女性であってもしっかりと話ができるようなイメージ作り。クライアントとのコミュニケーションの取り方。そういったものを身につけていきました。

2つ目のご縁の繋がりという点では、30代からどんどん繋がっていきました。

私は素敵だなと思った方には自分からアプローチするんですね。最初のころは所属する組織内でそれをしていましたが、いまは法人外、他業種、他分野の方になるべくそうしています。話しかけて名刺交換したり、ご挨拶して。

そこからまたご紹介いただいたり、お仕事をいただいたり、あとは、おすすめの本を教えていただいたらその場で購入したりとか、MBAを勧められたら調べて始めてしまったりとか、実はMBAもそんな流れで始めました。

この共有しているチャートに赤い矢印のポイントマークをつけているんですけれども、ここが人の繋がりや、助言人によって自分のなかの転換期だったポイントです。

転職に関していえば、「自分の人生のリーダーシップは自分で執る」というアドバイスをいただいたんですね。現状に対して不満や愚痴を抱えていても、それは自分が仕事を続けるという選択の結果で、何事においても積極的でも消極的でも、自分がその道を選んでいるんですね。そして、自分自身が積極的に選択をしていくこと。人生のリーダーシップを執りたいと考えるようになりました。

仕事ということに関しては、私は守られるとか使われるとかといった関係ではなくて、組織なり、クライアントなりのニーズがあって、そこに合わせられるようなハードスキルや、ソフトスキルを私が持っていると。

また、組織やクライアントでも働き手が求めるチャンス、または、報酬の提供するという対等でWin-Winな関係だと思っています。ですので、長く勤めてらっしゃってもそういった価値の交換が成り立っているのであれば続けるのもいいと思いますし、私は転職が全てとも思いません。

ただ、自分自身に関していま思えばキャリアでつまづいていたときに持っていたスキル、効率的に仕事をするだとか、いくつもの会社の上場経験があるだとか、英語の点数だとか、そういったことはまったく私には求められていなくてですね。私はニーズに合わないものを押し付けては何もさせてもらえないと悩んでいたのかなと思います。

それで私のわらしべのようなスキルをですね棚卸ししてみたら、主に上場経験や人当たりのような面でしたが、求めてくださる企業があって。

英語の点数もですね、MBAの短期留学の要件に使えたりして。そうやって使えるところで自分のスキルがお役に立てるようになってきているのかなと思います。

こういった一般的なスキル以外にも私の持ち味のようなものを活かせる機会はありまして。私は女子大で学生にアドバイスをしたりしているんですね。

普通に募集していて勧められて始めたんですけれども、そこで大学の教授とも最終面談をしたんですけども、こういう経験もあって、こういうこともしていて、お子さんもいらっしゃるっていうことは、学生にとってもいいアドバイスができるんじゃないですかねっていうことを言われたんですね。

私自身はどこかで家庭の状況ってキャリアにとってはマイナスポイントで、それでもなにかしているのが両立だとか、活躍だとかっていわれているバイアスがあったんですけれども、それがなにかするうえでプラスの要素になっていて、配慮としてではなくて偽証性として活かせる場があるんだなっていうことに気づかされました。

ここまでが私のつまづきと転換ですね。

コーゼーションとエフェクチュエーション

次は、私の経験とMBAはどのように繋がってきたかというところです。

BONDのプログラムで、アントレプレナーシップの授業があるんですけれども、そこでエフェクチュエーションという思考プロセスを学ぶんですね。

いままで一般的に取られていたプロセスはコーゼーションといいます。先にコーゼーションから説明しますと、一言でいうと逆算なんですね。目的があってそのゴールのためにはいま何をするのか、という落とし込みです。

これも大事なんですけれども、私はこっちの思考しかなかったんですね。このゴールに世の中的に正解のようなものを据えて、いまの自分を振り返って、いまの自分には何が足りていないんだろうと欠点を補うことばかりを考えていました。

一方で将来予測が難しいような場合、特に現代はそうですよね。そういったケースに適しているのがエフェクチュエーションのプロセスです。

これは目的からスタートするのではなくて、いま持っている手段からスタートする思考方法です。自分の手持ちのもの、自分自身、自分の知識、自分の人脈で何ができそうかっていうことを考えるんですね。そうすると、例えば自分のタイプがゴールから外れている場合でもそのニーズに自分を合わせにいったところから、自分の個性、イメージ、その価値をどう活かすか、という考え方に変わったりもするんです。

絶対的なサクセスに対してまだまだ自分は、と留まるのではなくて、できることから踏み出して、そこから失敗しては軌道修正してばいいんだなと。そう考えさせられるような授業でした。

というわけで、これはオーストラリアで受けていたんですけれども、帰国してすぐに防災関係の会社を作りました。今年はちょっと出産で止まってしまっているんですけれども、ボランティア活動などはいまも活動しています。

知識面としてはもちろん、MBAで学んだことは仕事や家庭でシナジーを生みました。わたしは会計の専門家として役職に就いたものの、その知識しかなかったんですよね。

非常に経営陣には恵まれましたが、自分でも経営の知識なく、経営に口を出すんだろうかと。もっと役員としてすべきこと、できることがあって、それがひいてはステークホルダー、市場に対する責任に繋がっていくのではないかという課題感もございました。

MBAではマーケティングですとか、リーダーシップ、イノベーション、あとは組織と人材育成など幅広く学びますので、経営に対する総合的な知識を持ったうえで、課題解決に向けて助言みたいなものが根拠を持って行えるようになりました。

この辺りもちょっとまとめていまして、来年本の出版をする予定です。みなさん、発売しましたらぜひお手に取ってみてください。宣伝入れてうっとおしいですね、すみません。

役員になると責任が非常に重いです。私は指摘をするような仕事内容ですが、人と人なので自分のスキルに則った正論みたいなものをただ言えばいいだけではなくて、いかに組織に気持ちよく動いてもらえるか、うまく着地させるか、みたいなことも重要なんですね。

こういったことは女性は長けている傾向にあると思います。ただ、経営として言うときは言わないといけないし、退いてはだめな部分も多いです。そういった場合に遠慮してしまったり、感情的になることなく説明できるようになるスキルっていうのもMBAで強化されると思います。

MBAは日本では社会人経験がある方がほとんとなので、特に女性の方とチームを組んだときに上手に意見を言ったり、まとめていらっしゃるという風に感じました。女性でキャリアを築いている方にMBAで根拠、説明力or自信が加わると、またキャリアアップのうえで役立つのではないかと思います。

これで今日説明する最後のほうになってくるんですけれども、少しずつ行動を起こすことですね。

現状維持は後退

2つのワードを紹介するんですけれども、出産した辺りで出会ったメンターのような存在の方に「現状維持は後退」って言われたんですね。加速度的に移り変わっていく世の中で、留まっていたらそれは相対的に後ろに下がってしまうと。

とはいえ、私は非常に慎重でですね。そう見えないかもしれないんですけれども、石橋を渡らないで叩いて叩き壊すタイプなんですね、本来のタイプとしては。

不安だからいろんな方に聞いて回るんですけれども、ここで2つ目のワードが出てくるんですが、ベンチャーの役員として割とコミュニティーがあるんですけれども、同時期にほかの会社に就任した方が、「面白そうだと思ったらまずやってみる。違ったら辞めればいい」とおっしゃったんですね。

MBAを始める際に、たしかにそうだなと思いました。BOND大学は1科目から、その分だけの支払いで始められるんですね。やってみて違ったらまたそれも1つの経験じゃないですか。なので、元に戻るとか、後退とか、失敗したとかっていうことではなくて、それがまた1つのステップになっていくんだなっていう風にいま思っております。

とはいえ、MBAをいまから始めます、というのはハードルがあるのも事実ですよね。

アクションは小さなことからでいいと思います。例えば、日曜日の朝早くからこのセミナーを見つけてくださって聞くということもやっている人は少ないじゃないですか。

これに加えて、私はそういった先に何か思うことがあった方に質問する。リアルなセミナーだったら前に座る、SNSがあるなら友達申請するかフォローする、というのもいいと思います。

これも参加者が多くても1割もいないアクションだと思います。自分がいいと思った方、いいと思う言葉ってけっこう人によって違うので、そうやって思ったこと、自分の価値観を深めていくことでの気づきもあると思います。話しかけて断られたら、それはそれで失礼なことをしていない限り終わりでいいじゃないですか。

場合によってはアドバイスをいただいて、また次のアクションのきっかけになって、ということもあるかもしれないですし、こういったベイビーステップをぜひやっていただけたらなと思います。

キャリアのブランディング

ここでですね、もう一度画面共有をさせていただきます。いままでお話してきたことの全体像として、キャリアのブランディングというシートにまとめました。

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自分軸、自分と向き合う自己分析、いろいろありますけれども、会社も一緒でまずは向き合うことです。内にこもって考えているようで、外を気にして考えていないことってありますよね。

診断ツールとか、ご紹介したベイビーステップ、いろいろあります。何がしたいっていわれても、それがわからなかったらどんな人に惹かれるのかでもいいですし、キャリア・アンカーのキーワードを持ってみてもいいと思います。

あとはですね、案外やりやすいのが「これだけは嫌だ」っていう思いですね。そういったところで自分の輪郭を際立たせていくっていうのもいいと思います。

あとはお勧めの方法が自分のプロフィールを書くことですね。インタビュー記事とか、100文字くらいのプロフィールって持っている人って多いと思うんですけど、気に入った人のプロフィールを見ながら自分のも書いてみるといいと思います。自分でやっていてこれけっこう恥ずかしいんですよね。自分のストーリーを語るものとして、否定的にならずに始めやすくて非常にいいと思います。

そして、下の部分に外部という風に書きましたが、自分が取り巻く状況と自分自身がその選択をして、で、その外部の環境といい関係を築いていっていただければと思います。

ニーズが合っていなければそれをチェンジすることもあると思いますし、外部との環境と関りで得られるもの、または自分がそこに対して提供できるものがあればという風に思っています。

最後になりますけども、私のFacebookなども友達申請していただけたら嬉しいです。どなたからの申請かわかるように「セミナーで」という風に一言メッセージいただければと思います。私の話は以上になります。ありがとうございました。

川原さん ありがとうございました。想像以上にBOND MBA以外の磯村さんのこれまでの変遷の日頃の行いの学びみたいなところもたくさん教えていただけたような気がしています。ありがとうございます。

そうですね、私がお話を聞いていてすごく興味が湧いたのが、やっぱり執行役員というすごく高いポジションで責任が重いっておっしゃっていて、すごく響きまして。

やっぱり女性、私も含めてこれからキャリアを進めていくにあたって、責任が重い仕事に対して尻ごみをしてしまうといいますか、そういったところで現在のポジションに至るまでのマインドセットですとか、アクションするうえでのティップスがあればぜひ共有いただきたいなと思います。

その②へ続きます


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