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読書感想

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読書感想記事。本マガジンが初出のものもあれば、別途運営しているブログ「モーション・グリーン」で更新した記事から派生したものの場合もあり。
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#歴史小説

2020年上半期読んだ本 ベスト5選 歴史小説編

2020年上半期読んだ本 ベスト5選 歴史小説編

気のせいかもしれないが、今、振り返りを積極的にしている人が増えている気がする。

在宅時間が増えてきたからか。

変化の日々の中で、寄ってたつものを得るためか。

いずれにしろ(上記のどちらに当てはまらなくても)、すごいくいい傾向だと思う。

生きている間に、こんな劇的な変化は起きないかもしれない。

価値観が揺れ動くときだからこそ、自分(自身)のことはしっかり把握しておきたい。

「○○しかでき

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『生滅の流儀』ー松永久秀ー(『戦国の教科書』6限目 より)

『生滅の流儀』ー松永久秀ー(『戦国の教科書』6限目 より)

タイトルだけみれば、ビギナー向けなのかな、と思える1冊

ところが、読んで見事に騙されたことを知る(笑)

玄人をも唸らせる短編が収録された、ガッツリ・クオリティなアンソロジー本、それが『戦国の教科書』

そのテーマについて書かれた短編集に始まり、テーマ解説があり、テーマを学べる他の本紹介(ブックレビュー)という構成。

日本史(歴史小説)初心者が入るにはやや難しいかもしれないが、飛び込んだら、そ

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『蝿』ー木食応其ー(『戦国の教科書』5限目 より)

『蝿』ー木食応其ー(『戦国の教科書』5限目 より)

タイトルだけみれば、ビギナー向けなのかな、と思える1冊

ところが、読んで見事に騙されたことを知る(笑)

玄人をも唸らせる短編が収録された、ガッツリ・クオリティなアンソロジー本、それが『戦国の教科書』

そのテーマについて書かれた短編集に始まり、テーマ解説があり、テーマを学べる他の本紹介(ブックレビュー)という構成。

日本史(歴史小説)初心者が入るにはやや難しいかもしれないが、飛び込んだら、そ

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『鈴籾の子ら』ー新発田重家ー(『戦国の教科書』4限目 より)

『鈴籾の子ら』ー新発田重家ー(『戦国の教科書』4限目 より)

タイトルだけみれば、ビギナー向けなのかな、と思える1冊

ところが、読んで見事に騙されたことを知る(笑)

玄人をも唸らせる短編が収録された、ガッツリ・クオリティなアンソロジー本、それが『戦国の教科書』

そのテーマについて書かれた短編集に始まり、テーマ解説があり、テーマを学べる他の本紹介(ブックレビュー)という構成。

日本史(歴史小説)初心者が入るにはやや難しいかもしれないが、飛び込んだら、そ

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『悪童たちの海』ー除海・新五郎ー(『戦国の教科書』3限目 より)

『悪童たちの海』ー除海・新五郎ー(『戦国の教科書』3限目 より)

タイトルだけみれば、ビギナー向けなのかな、と思える1冊

ところが、読んで見事に騙されたことを知る(笑)

玄人をも唸らせる短編が収録された、ガッツリクオリティなアンソロジー本

それが『戦国の教科書』

そのテーマについて書かれた短編集に始まり、テーマ解説があり、テーマを学べる他の本紹介(ブックレビュー)という構成。

日本史(歴史小説)初心者が入るにはやや難しいかもしれないが、元々日本史は飛び

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『又左の首取り』ー前田利家ー(『戦国の教科書』2限目 より)

『又左の首取り』ー前田利家ー(『戦国の教科書』2限目 より)

タイトルだけみれば、ビギナー向けなのかな、と思える1冊

ところが、見事に騙された(笑)

玄人をも唸らせる短編が収録された、ガッツリクオリティなアンソロジー本

それが『戦国の教科書』

そのテーマについて書かれた短編集に始まり、テーマ解説があり、テーマを学べる他の本紹介(ブックレビュー)という構成。

日本史(歴史小説)初心者が入るにはやや難しいかもしれないが、元々日本史は飛び込んだらやみつき

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『一時の主』ー黒田如水ー(『戦国の教科書』1限目 より)

『一時の主』ー黒田如水ー(『戦国の教科書』1限目 より)

タイトルだけみれば、ビギナー向けなのかな、と思える1冊

ところが、見事に騙された(笑)

玄人をも唸らせる短編が収録された、ガッツリクオリティなアンソロジー本

それが『戦国の教科書』

そのテーマについて書かれた短編集に始まり、テーマ解説があり、テーマを学べる他の本紹介(ブックレビュー)という構成。

日本史(歴史小説)初心者が入るにはやや難しいかもしれないが、飛び込んだらやみつきになる魅力を

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『表裏比興の者たち』ー真田昌輝ー(『決戦!設楽原 武田軍vs.織田・徳川軍』より)

『表裏比興の者たち』ー真田昌輝ー(『決戦!設楽原 武田軍vs.織田・徳川軍』より)

『決戦!設楽原 武田軍vs.織田・徳川軍』

歴史小説作家が一堂に介し、一つのテーマ(合戦、事件など)を題材にして描く連作短編集、『決戦!』シリーズ最新作。

ブログでは、本全体と各短編についての感想記事を更新。

ただ、UPした後、短編ごとについてもう少し感想書きたいなあ、という思いがあり、noteでは短編ごとの感想を書いていきます。

ラストは“赤神”諒さん。

まさかの諒 → 諒 さんへのバ

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『淵瀬は廻る』ー朝比奈泰勝ー(『決戦!設楽原 武田軍vs.織田・徳川軍』より)

『淵瀬は廻る』ー朝比奈泰勝ー(『決戦!設楽原 武田軍vs.織田・徳川軍』より)

『決戦!設楽原 武田軍vs.織田・徳川軍』

歴史小説作家が一堂に介し、一つのテーマ(合戦、事件など)を題材にして描く連作短編集、『決戦!』シリーズ最新作。

ブログでは、本全体と各短編についての感想記事を更新。

ただ、UPした後、短編ごとについてもう少し感想書きたいなあ、という思いがあり、noteでは短編ごとの感想を書いていきます。

続いては、この短編集の中で最大の変化球作。

著者が箕輪さ

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『佐々の鉄砲戦』ー佐々成政ー(『決戦!設楽原 武田軍vs.織田・徳川軍』より)

『佐々の鉄砲戦』ー佐々成政ー(『決戦!設楽原 武田軍vs.織田・徳川軍』より)

『決戦!設楽原 武田軍vs.織田・徳川軍』

歴史小説作家が一堂に介し、一つのテーマ(合戦、事件など)を題材にして描く連作短編集、『決戦!』シリーズ最新作。

ブログでは、本全体と、各短編についての感想記事をUPしました。

ただ、UPした後、短編ごとについてもう少し感想書きたいなあ、という思いがあり、noteでは短編ごとの感想を書いていきます。

続いては、この単行本の短編の中で、数少ない織田・

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『くれないの言』ー山県昌景ー(『決戦!設楽原 武田軍vs.織田・徳川軍』より)

『くれないの言』ー山県昌景ー(『決戦!設楽原 武田軍vs.織田・徳川軍』より)

『決戦!設楽原 武田軍vs.織田・徳川軍』

歴史小説作家が一堂に介し、一つのテーマ(合戦、事件など)を題材にして描く連作短編集、『決戦!』シリーズ最新作。

ブログでは、本全体と、各短編についての感想をUPした。

ただ、UPした後、短編ごとについて、もう少し感想書きたいなあ、という思いがあり、noteで短編ごとの感想を書いていく。

続いては、この単行本の短編の中で、最も泣ける作品。

執筆は

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『けもの道』ー酒井忠次ー(『決戦!設楽原 武田軍vs.織田・徳川軍』より)

『けもの道』ー酒井忠次ー(『決戦!設楽原 武田軍vs.織田・徳川軍』より)

『決戦!設楽原 武田軍vs.織田・徳川軍』

歴史小説作家が一堂に介し、一つのテーマ(合戦、事件など)を題材にして描く連作短編集、『決戦!』シリーズ最新作。

ブログでは、本全体と、各短編についての感想をUPした。

ただ、UPした後、短編ごとについて、もう少し感想書きたいなあ、という思いがあり、noteで短編ごとの感想を書いていく。

続いては、設楽原(長篠)の戦いの研究が進んで、一番その恩恵を

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『ならば決戦を』ー武田勝頼ー(『決戦!設楽原 武田軍vs.織田・徳川軍』より)

『ならば決戦を』ー武田勝頼ー(『決戦!設楽原 武田軍vs.織田・徳川軍』より)

『決戦!設楽原 武田軍vs.織田・徳川軍』

ブログで本全体と、各短編についての感想をUPしたのだけど、短編ごとについてはもう少し感想書きたいなあ、という思いがあり、noteで短編ごとの感想を書いていきます。

続いては、武田側の大将・悲劇の後継者こそ武田勝頼を佐藤 巖太郎さんが描きます。

偉大なる父と比較され、亡国の戦犯として長く評価の低い存在だった勝頼。

近年の研究では、その能力や器量につ

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『麒麟児殺し』ー岡崎(松平)信康ー(『決戦!設楽原 武田軍vs.織田・徳川軍』より)

『麒麟児殺し』ー岡崎(松平)信康ー(『決戦!設楽原 武田軍vs.織田・徳川軍』より)

『決戦!設楽原 武田軍vs.織田・徳川軍』

ブログで本全体と、各短編についての感想をUPしたのだけど、短編ごとについてはもう少し感想書きたいなあ、という思いがあり、noteで短編ごとの感想を書いていきます。

決戦シリーズ最新作のトップバッターは宮本昌孝さんが描く、徳川信康。

徳川家康の長男で、後に信長の命により切腹。

家康前半期最大の痛恨時として、後世まで語り継がれる、悲劇の子。

勇敢で

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