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【2020年8月12日のこと】象を巡るいくつかのはなし

1. 夜は暑さが和らいでほっとしているミミミ文学。

2. 今日は昼休みに、何気なく毎日新聞の高島屋デパート社史のシリーズものの記事を読んでいたら象の高子のことを知った🐘


3. 象のはな子ではない。日本橋高島屋デパートの屋上に住んでいた象の高子だ。高島屋デパートの象だから社名から高子と名付けられた小象。知らなかった。


4. 上野動物園の象が戦時中、殺処分された話は絵本になったりドラマになったり、ドラえもんの漫画になったりした。


5. 戦後、唯一生き残った名古屋の2匹の象を上野動物園に下さいと台東区の子ども会議の子たちが交渉に行ったり、あげられないけど全国からこどもたちが象を観にこれるように「象列車」を走らせた大人がいたり、平和を祈りインドの首相から日本へ象をプレゼントされたりと、戦後の象のはなしはあの時代の熱っぽさを象徴していて、関心があった。なのに、高子のことは全く知らなかった。


6. 戦後の象ブームにあやかって、デパートの集客のために屋上で象を飼うことにしたのが始まりらしい。発想が凄い!なお、むかしは、象を観るだけでなく象に乗ったりもできた。これは楽しそう。


7. 結局、高島屋の高子は、大きくなった象を屋上で飼い続けるのは建物的に危険すぎるからと、4年後、上野動物園へ寄贈することになったそうだ。しかし、クレーンではもうおろせないくらい大きくなったため、階段を使って下らせた。その際、高子は、暴れてデパートのショーケースを壊したそうだ。サイコーな逸話だ。


8. 昔のデパートの屋上のはなしはとにかくわくわくする。浅草や渋谷のデパートの屋上にロープーウェイがあったことも最近知った。昔の方が集客への発想は大胆で夢がある→参考の記事

9. とにかく象づいている🐘。この数日、象の話ばかり聞く。昨夜は、ラジコで「ダイアログ・イン・ザ・ダーク」のDIALOGUE RADIO-in the Dark- | J-WAVE 8/9の回を聴いた。そこでも象の話が出てきた。

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2019年12月25日に参加した「ダイアログ・イン・ザ・ダーク」。このときは、コロナ渦の影響で世界中が変わるなんて予想だにしていなかった。


10. 「ダイアログ・イン・ザ・ダーク」は、完全に光を遮断した照度ゼロの暗闇空間をアテンドと呼ばれる視覚障がい者のスタッフが参加者を案内する極上のソーシャルエンターテイメントだ。わたしは大ファンである。


11. ラジオは、今月の23日にオープンする「ダイアローグ・ミュージアム 対話の森」の話題だった。ダイアローグ・ミュージアムでは「ダイアログ・イン・ザ・ダーク」とともに聴覚障がいの方をアテンドとした「ダイアログ・イン・サイレント」やお年寄りをアテンドにした「ダイアログ・ウィズ・タイムス」の体験ができる。

12. しかし、コロナ渦。ひととひとが密になって身体を触れ合い、対話をするのがダイアログシリーズの売りであるのだから、出来なくなるのは、ピンチである。わたしは陰ながら気を揉んでいた。


13. 「2メートルのロープを使って暗闇で距離を取れば、それは担保できるのなと思ったの。で、暗闇の中でも距離保てればいいんだろうと思って、そして安全にマスクをして、ハグとかしないんだよーとか、手も繋がないんだよーとかって言って、みんな個々に各々歩こうねって言えばできるだろうと思うコンテンツを作って、で、出来たと思って明日発表しようと思ったんだけど・・・ふっとね、お風呂に入って思ったの。これは、私たちの存続のためだけに考えてるコンテンツだなって」


14. 「ダイアログのために考えちゃってるな、ソーシャルエンターテインメントって言っていて、自分たちのこともだけど、社会のことも考えながら自分たちが提供してたダイアログだったのに、私たちの存続のためのことばっかり考えたものになっちゃったと思って、すごく自分でびっくりしたのね、自分の考え方に。それでダメだと思って」


15. 毎回、素晴らしいコンテンツを考える主催の志村季世恵さんは、そんなことをラジオで語っていた。存続を考えることはビジネスとしては大事なことと思われるけど、そこじゃない、と感じているところがらしくてよい。


16. そして、「ダイアログ・イン・ザ・ダーク」の「売り」である暗闇をやめ、あかりをつけての「ダイアログ・イン・ザ・ライト」に変更する。この英断にかなり感動した。


17. 枚挙にいとまがないから、「ダイアログ・イン・ザ・ダーク」の話はいずれまたするとして、象の話に戻す。ラジオで、「ダイアログ・イン・ザ・ダーク」のアテンドたちが、象に乗ったことがあるというはなしをしていた。象の鼻の感触、触った感じから大きさを推測したり、豊かなことばで洞察力を披露されていて印象的だった。


18. CSでやっていてたまたま観た映画「ゾウを撫でる」の群像劇が地味によくて、でもタイトルの意味がずっとわからなかった。調べると、群盲象を評す(ぐんもうぞうをひょうす)というインドの寓話から来ていることを知る。数人の盲人が象の一部だけを触って分かったことを言うこと=木を見て森を見ず、みたいな意味だとをいうと知った。でも、今回、ラジオを聴いて目で見るだけが観るなのではなく、視覚に頼らないからこそよく見えるものってあるんだな、と感じた。

19. 「ダークに明かりをつけてもう1個思ったことはね、(コロナ渦で)脆弱な状態になった人たちの集まれる場で、ヒントが出る場って何だろう?と思う時に、アテンドとの出会いじゃないかなと思ったの」という志村さんの話もなるほどと思った。コロナは見えないから不安で怖いけど、視覚障がいのあるアテンドはそもそも見えないんだよ、っていう話もハッとした。「ダイアログ・イン・ザ・ライト」 に、馳せ参じたくなった。

20. そうそう、Twitterでドラえもんの「ぞうとおじさん」を検索していたら、今日が、世界ゾウの日 なんだということを知り、シンクロにゾーウッとした。ほんと、今日は象のことばかりでした。

とっぴんぱらりのぷぅ🐘

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