見出し画像

あかね噺-第120席・歩む道-感想

<第119席感想・感想リンク・第121席感想>

新連載の3つのここまでの感想。
「妖怪バスター村上」
まさかの巻末枠で、その枠にピッタリハマったマンガで、個人的には好感触です。ジャンプはロボコ・超巡とギャグ漫画の強敵が居るので、そこと比べてどうか?と見ると厳しい感じはするんですけど、巻末に置くなら村上が一番面白いです。
以前の連載だったしゅご丸が、巻末に落ちて短期で打ち切られてしまったんですけど、その時も雑誌としての座りが良かったので、あの時に井原先生の巻末力を見出されたのか?と邪推してしまいます。
雑誌の完成度を考えると、こういう巻末に軽く笑えるマンガがあるのは良いと思うので、井原先生にはこの調子で続けてほしいと思います。

「悪祓士のキヨシくん」
一話が以前の読み切りまんまだったので、なんとも評価できなかったんですけど、ここまでは凄くいい感じで面白い連載になっていると思います。
今後の展開次第で、どうとでも転ぶマンガではありますが、看板マンガになってもおかしくないポテンシャルを感じます。
キヨシのキャラの魅力と臼井先生の絵の魅力が合致していて、ストーリーも絵も読みやすく、読者を逃さない面白い漫画だと思います。
ウィッチウォッチ路線、マッシュル路線、ヒロアカ路線と、どの方向にも進めそうなポテンシャルがあり、どの路線でも人気作に慣れそうなので、どのように成長していくか楽しみです。

「ひまてん!」
どこかでみたようなラブコメです。ジャンプにはアオのハコって大成功ラブコメがあるんですけど、アオのハコはラブよりも高校生のリアルによった内容なので棲み分けは出来ると思います。
どこかでみたようなというのは欠点ではあるのですが、逆に言えば王道で絵の話も及第点以上あるレベルの高いマンガだと思います。
変に奇をてらっって上滑りするよりも、こういう王道マンガをきっちりやるのも、ジャンプとして連載してみるのも悪くない考えだと思いました。
ジャンプにありがちなお色気路線に走らず、この初な感じで続けば面白いんじゃないかなと思ってます。

前回の新連載陣も、そこそこ良い漫画だったと思うけど、今の段階ではどのマンガも跳ねれない感じで、今のジャンプの中堅層の厚さは厳しいです。
今回の新連載も、短期で打ち切るには惜しいと思うけど、中堅を突き破れるか?と聞かれるとなかなか厳しい感じはします。
今の中堅陣をプラスに移籍させて、もう少し新連載にチャンスを上げてほしい感じがします。

って事で感想に行きます。

◆あらすじ


週刊少年ジャンプ 2024年7月29日発売 35号

志ぐま師匠の独演会当日、志ぐまと一緒に渋谷の街を散策して師匠の凄さを知る。

◆感想


落語家としての志ぐまの凄さを見せつつ、あかねの前座時代の最後をどんな落語で飾るのかへ繋ぐお話でしたね。
この話が必要なのか?というと無くてもいいような話なんだけど、こういう部分を丁寧にやることで、読者の興味を次の見せ場に自然と誘導し、読者への指針を示しわかりにくい題材を噛み砕く上手さを感じます。
今回は、渋谷で落語・芸の糧、について書いていきます。

渋谷で落語
今回は、志ぐまが30年もの間、渋谷で落語を演り続け、渋谷の人に落語を選ばせたという功績が語られていました。
1970年代ぐらいまで、東京の町で最先端の娯楽は落語でした。戦後になって高度経済成長を経てグローバル化や技術の進歩によって、様々な娯楽が生み出され、落語もそういった娯楽の一つになってしまいました。
そんな中、東京の最先端の街である渋谷で、落語を選ばせるという偉業を成し遂げた志ぐまの落語の凄さを見せつけられました。

渋谷の町で落語をやるといえば”立川志の輔”の「志の輔らくご in PARCO」です。これは1996年から始まった渋谷PARCOでやる志の輔の独演会です。
最初は3日間の開催で始まり、2週間になり、10周年からは毎年1月に1ヶ月間の公演まで成長し、今ではチケットを取るのも難しく、毎年述べ1万人以上も集まる大人気の公演です。
本当に、落語を選ばせたと言っても良いすごい話です。

ちなみに以前、謝楽祭のあかね噺のトークコーナーで、登場人物のモデルとなった落語家について、志ぐまの外見のモデルは立川志の輔師匠と誰か(忘れた)と語っていました。
志ぐま師匠の外見だけではなく、中身の部分でも志の輔が入っていると感じました。

他にも渋谷で落語といえば「渋谷らくご」というのもあります。こちらは渋谷区のユーロスペースで毎月第二金曜日から5日間の公演で、芸人のサンキュータツオさんがキュレイターを務め、2014年から約10年続く落語会です。
この落語会は、二つ目と若手真打ちを中心に、初心者でも分かりやすい落語をコンセプトに従来にはないような公演として続いています。

普通の落語だけではなく、まくらの上手さを競う”まくら王”とか映像で落語の解説を聞いた後で落語を聞く会など、演劇や映画、お笑いと並列化した落語を目指してます。

現実世界の落語家も色々頑張っている事が、作品の中にも反映されていると感じました。

芸の糧
以前より、志ぐまの多趣味さがちょこちょこ出ていましたが、ここで志ぐまから何が芸の糧になるか分からないから、いろんな物を通って損はないと語られました。
こういう考え方は、いろんな分野で大事にされる考え方です。創作系の仕事はもちろんですが、そういう仕事じゃなくてもなにかに生きてくることはあるものです。

落語に話を戻すと立川談志も色んなものが好きであり詳しい人でした。有名な所だと、本まで出した昭和歌謡。すべての漫画を読んだと語っていた手塚治虫。落語を作るほど好きだったNBAなどなど、こういったものが落語に生かされていたかは定かではないけれど、談志の人となりを作っていた要素ではあったはずです。

談志の弟子の志らくは、談志になるには、談志と同じ価値観を身につけ、談志が面白いと思うものを同じ様に面白がれるようになる必要があると、談志以上にこれらの物事の知識を身につけたと言われています。

師匠から何を学ぶのか?あかねも志ぐまの弟子として、志ぐまを継ぐ者になるには、志ぐまと同じ様に様々なことに興味を持つ必要があるのかも知れません。


あかねの最後の下仕事みたいな描写があって、ジーンと来るものがあったんだけど、ぐりこは二つ目になってからも庭掃除をしていたように、あかねがこういう掃除などから開放されないのでは?と思い直したけど、どうなんでしょうかね?
今回の感想はここまで、次回はあかね噺も楽しみだけど、ヒロアカ最終回という事で、どう終わるかも楽しみです。
でわでわ。


この記事が参加している募集

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?