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あかね噺-第93席・私の言葉-感想

<考察・7回目・感想リンク・第94席感想>

仕事が忙しすぎる。感想を書く時間がなかなか取れず、結局、日曜日までには上がらんかった。というわけで、本来なら先週感想書いて、今週考察とか思ってたんだけど、時間が全然ないので、考察はお休みさせてもらって感想だけにします。
新しい事を始めたいのもあって、この感想をもっと簡素にしていく方向になりそうです。ムダに長いし自己満足気味な感想なので、もう少し短くいい文章にする事を課題にしたい。
上のリンクも機能してないので直したいんだけど、時間がなさすぎる。
ごめんなさいしつつ感想です。

◆あらすじ


週刊少年ジャンプ 2023年1月8日発売 6・7合併号

あかねに対して、足りすぎているというちょう朝は、江戸弁禁止で演れと課題が出された。あかねは自分の言葉探しを始め、友達と遊ぶことでヒントを掴む。その頃、ちょう朝は志ぐまに、志ん太の破門について問うていた。

◆感想


合併号でしっかり引きの強い展開を持ってくるのは流石としか言いようがない。末永先生は新人作家なのに、こういう駆け引きは本当に上手だなと感心します。アンケ至上主義のジャンプで生き残るには面白いだけではなく、こういう駆け引きも大事なのかなって思っちゃいますね。
今回は、自分の言葉・紅天女、について書いていきます。

自分の言葉
真面目すぎるあかねに対して、江戸弁禁止という基本からズレた事を要求するちょう朝ですが、落語家として、こういう手法が良いのかは知りませんが、理屈としてすごく面白いと思いました。

話して相手の心を動かすのであれば、その言葉のリアルさが大事だと私は思っていて、リアルさが何かと考えると、声に感情が乗っているかどうかじゃないかと思ってます。
国会答弁なんかで、カンペで読むのをよく見ますが、これは本当に感情が入ってない言葉で上っ面だけの言葉に感じます。
野党の追求なんかは、用意された言葉じゃなく、その場で思ったことを言うので、なんか説得力を感じます。
カンペの内容は十分精査されたものであり、野党の追求はその場で考えたもので精度が低く、冷静に考えるとカンペの内容のほうが正しいんだけど、逆に感じてしまうのは、人間は感情なしでは判断できないって事なのでしょう。

江戸弁と標準語は違いますし、現在の東京弁とも違います。なので江戸弁の語りは、江戸時代にタイムスリップするような感覚があり魅力はありますが、伝統芸能的な格式や芝居じみた感じがあるのも事実です。
あかねの見た目と芸風にギャップがあるのは良さでもあるのですが、やっぱり等身大のあかねの身から出た言葉の方がリアルで説得力があると思います。
ギャル言葉の狸が可愛かったので、子供の狸がチャラい喋りをするとキャラが立って面白いんじゃないかと思いましたけど、あかねがどう自分の言葉を見つけるのか楽しみにしたいですね。

紅天女
まさか「志ぐまの芸」が、演目だったとは、これはもう「紅天女」じゃないですか。
「紅天女」とは、名作であり未完で終わりそうな「ガラスの仮面」のラスボスで、ガラスの仮面とは、取り柄のない女の子が、伝説の演劇である紅天女を演じる大女優になるというサクセスストーリーです。(紫のバラの人とのラブコメもあるけど)
アクタージュが、ガラスの仮面フォロワーで、あかね噺がアクタージュフォロワーで、紅天女である志ぐまの芸を目指すのかーと思いました。
因果は巡るね。

しかし、「志ぐまの芸」が演目だとしても、そのまま「志ぐまの芸」って演目ではないと思います。未完の演目という事なので、先代志ぐまが制作中だった新作落語と考えるか、既存の話を新解釈で全く新しい噺として魅せるべく練り上げている途中で止まってしまったかの、どちらかだと思います。

新作落語と言うと、文枝の「ゴルフ夜明け前」や、志の輔の「みどりの窓口」のような江戸時代ではない噺を想像しますが、米朝の作った「一文笛」のように、知らなければ古典落語としか思えないような噺もあるので、そういう噺を志ぐまが作っていた可能性はあると思います。

しかし予想としては、既存の噺を、志ぐまが新解釈で練り上げ、これぞ「志ぐまの芸」という噺にして魅せようとしていたんじゃないかな。
こっちの方が、一見演目とは思えない「志ぐまの芸」という呼び名に合っていると思います。

そして、その練り上げようとしていた既存の噺。ずばり「芝浜」でしょう。
「志ぐまの芸」の完成形を、芝浜で魅せるつもりだったけど、道半ばで終わってしまい、幻の演目になっているんだと思います。
そして志ん太の芝浜が、こんなの芝浜じゃねぇ理由も、ここにある気がします。
一生は、志ん太の芝浜に、「志ぐまの芸」の片りんを感じた事が、破門のトリガーになっていると思います。
それを脅威に感じたのか、分不相応にとったのか、先代志ぐまへの不遜を取ったのか、そのあたりに、今後の話の核心になるのかなと思います。



今回の感想を書きながら、過去回想編を見たい気持ちが高まってきました。
狸賽編が終わって、あかねが2つ目の推薦をもらったタイミングで、過去回想いくんじゃないかなって思うけど、まいける兄さんの真打ち挑戦とか、亨二兄さんと三禄の関係とか、ぐりこの大阪修行とか、見せないといけないものも多いからなぁ。
とりあえず、あかねの狸賽がどういう仕上がりになるか楽しみにしながら見ていきたいと思います。でわでわ。


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