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あかね噺-第40席・傑物の背-感想

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まずはスペインに勝った!!万歳!!

さて今週は「イチゴーキ!操縦中」が新連載でしたね。いわゆるベタなギャグマンガで、ロボコや高校生家族とは被らないので、こういう漫画があってもいいのかなと思いました。ただ個人的には、ここまでの新連載3つとも、跳ねる感じが無いので、最後の4つ目に期待したいかな?
って事で感想行きます。

あらすじ


週刊少年ジャンプ 2022年11月28日発売 52号
舞台袖で、うららの高座を見ようとするあかねに八正が声をかける。
そこで落語界に女性が入ることが難しかった時代に、うららが自分の力で道を切り開いてきたと教わる。
うららの高座が始まり、そのオーラに圧倒されるあかね。
演目は「お茶汲み」うららの本領が発揮される。

感想


うらら師匠の落語は「お茶汲み」でした。知らない話なので、うらら師匠の落語が終わった後で聞きたいと思います。
やはりうらら師匠は、女性が落語をやる事が一般的じゃなかった頃から、障害を乗り越えてきた人物だという事が八正師匠から語られました。
あかねが女性だからという事で、落語が出来ないなんて事は無いでしょうが、うらら師匠から何を学ぶのでしょうか?
今回の感想は、八正師匠の手蘭彩歌しゃ楽・領域展開 について書きたいと思います。

八正師匠の手
舞台袖で八正師匠から”女性に落語は出来ない”と言われていた時代の話が出てきました。
前回の感想でも述べた通りに、女性落語家は現在の落語界では認められているものの、まだまだこれからという段階だと思います。
あとは、うらら師匠のような、人気、実力、知名度、三拍子揃った落語家が嘱望されている状態で、それもそう遠くない時期に来ていると思います。

八正師匠が落語界の悪しき風習を説明した時のコマで、手を強く握る描写がありました。
これは八正師匠が女性を締め出してきた時代に対しての怒りを表現しているのですが、この怒りがどこに向いているのかが気になりました。

女性を締め出した時代そのものへの怒りというのは、八正師匠の立ち位置から考えて、落語界として悪しき時代への怒りというのは変な感じがします。

八正師匠の怒りは、具体的な人物が頭の中にあり、その人物への想いが手に表れたと考えます。
その人物は、女性を締め出していた師匠なのか、もしくは自分が過去にそういう落語家だった事を思い出し悔いているようにも感じました。

あかねに対して、高座を意趣返しにしたことを咎め、落語を教えてくれない八正師匠の厳しさは、あかねに対してきちんと向き合ってくれているという意味で、ある種のやさしさを感じます。
今回の手の描写や、声掛けなどから考えて、八正師匠なりに、あかねに対してきちんとした落語家にしてあげようとする意志を感じました。

蘭彩歌しゃ楽
うららの師匠となる”蘭彩歌しゃ楽”という人物が出てきました。
女性に落語は出来ないと言う人だったのに、うららをスカウトして弟子にしたという事でした。
うららは実在の人物に当てはまる人が居ないので、しゃ楽も実在の人物に当てはまる人は思いつきませんでした。
ただ”女性に落語は出来ない”というような人物が、なぜうららに落語を教えたのかを考えると、見た目的にはまだ若そうなうららが志ぐま君呼びな事と繋がる気がしてきました。仮説を考えてみました。

仮説1:うららはしゃ楽の娘か孫
しゃ楽は娘であるうららに幼少期より落語を教え込んだ。なので芸歴的には志ぐまとほぼ同等である。

仮説2:うららは元人気子役
しゃ楽は、子役で活躍しているうららを見て、落語の才を感じ落語の世界へスカウトした。子役の頃からの芸歴で志ぐまとほぼ同等なので、志ぐま君呼びしている。
こっちだと黙ってたのに客が喜んだにも説得力がある気がします。

あかね噺では、名前が出た人物は大事に使うイメージなので、蘭彩歌しゃ楽師匠も、何かのタイミングで出てきそうな気がします。

領域展開「お茶汲み」
「文豪ストレイドッグス」という作品があるのですが、この作品では過去の文豪が自身の作品の技を使って戦うというバトル漫画で、与謝野晶子が「君、死にたもうコトなかれ」という回復技とか、太宰治が「人間失格」って技を繰り出し戦います。
この作品を見たときに、これを落語でやったら面白いかもと思って「芝浜」とか「地獄八景亡者の戯れ」とか「五人廻し」みたいな技を繰り出すバトル漫画をストーリーキングで応募しようかと思った時期もありました。
今回のうららの「お茶汲み」で自身のワールドを広げて本領発揮というシーンでそういう事を思い出しましたね。

それは良いとして、落語を聞くときに、頭の中に噺の情景が浮かんできますが、それを絵にしたのが、今回の領域展開で描かれていて、すごくカッコよくて落語を良く現わしているなと思いました。

「お茶汲み」という演目は知らなかったのですが、いわゆる廓噺で、花魁とお客の関係を扱った話です。
鬼滅の刃の遊郭でプチ炎上したのに、ジャンプでまた吉原を舞台にした演目をやっちゃうのはロックだなと思いました。

次回、落語の続きを楽しみにしつつ、この辺で終わりにします。
でわでわー。


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