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あかね噺-第110席・一番弟子-感想


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あかね噺の監修をしておられる林家けい木さんが、来年春の真打ち昇進が決定しました。笑点でおなじみだった木久扇師匠の最後の弟子の真打ち昇進ということで、師匠が元気なうちに真打ちとしての姿を見せれるのは、本当に目出度い。
今年の真打ち昇進に抜擢真打ちが居ることで、抜かれた立場になったりして気持ち的にもしんどかったと思うので、これでホッと出来るんじゃないでしょうか。
阿良川と違って落語協会の真打ちはスタートラインなので、この先もっと大活躍してもらって、あかね噺ももりあげてほしいです。
本当におめでとうございます。

◆あらすじ


週刊少年ジャンプ 2024年5月20日発売 25号 センターカラー

真打ち昇進試験の幕が上がるが、全生の嫌がらせで客席の雰囲気は厳しくなってしまう。しかしまいけるは動じることなく噺を始める。

◆感想


審査員紹介の4人の並びが、バトル漫画でよく見る強者の並びのソレでテンション上がりました。一生も久しぶりに話すところも良かったですね。
センターカラーはまいけると予想してたんですけど、思いっきりあかねでしたね。まぁ当分出番は無さそうなので、ここで目立っておくしか無いのかなって感じでした。
今回は、ノリノリの全生・まいけるの演目、について書いていきます。

ノリノリの全生
この真打ち昇進試験で一番楽しんでいるのは全生なんじゃないかというぐらいご機嫌な全生が面白かったです。
全生はどう挽回するかわからないほどのヘイトキャラなんですが、悪意を隠す気が全く無く、ノリノリで嫌がらせしてるのが面白くて、個人的には結構好きになってきました。
表向きはいい顔をして、裏でコソコソするよりは、はっきりと嫌ってると言ってる全生の方が、可愛げがある感じがしました。

阿良川四天王は”喜怒哀楽”の予想通り、全生は”喜劇王”の二つ名があるみたいですね。
しかし”喜劇王”ってのはなかなかゴツイ名前です。喜劇王といえば、チャップリン・キートン・ロイドの喜劇俳優や、エノケンなんかが呼ばれた名前で、トップオブトップの称号です。
業界の中での称号だとしても、落語界の喜劇王としても、凄いことです。
こんな称号を付けられるほど面白いのなら、弟子が沢山いるのも納得です。

今回の嫌がらせも、無難に進行する剣びしを制する形で、ギャグを交えながら、客席に志ん太の事を思い出させることで、あるしゅの緊張感を作るなど、単なるヘイトキャラというだけでなく、実力があるところも見せましたね。

ソレに対して怒っている泰然は、まいけるを応援してくれそうです。
一剣の方は、志ん太のときの騒動は事なきを得たものの、もう一度同じことが起こるのは不味いと考えているのか、一生の考えを計っているように見えました。
一生は、やることは前とかわらん。との事なので、言葉通りに取れば、志ん太達が破門された理由と、同じ事をすれば破門にするって事でしょう。
その理由が、単純な落語の腕だけだったのか?が気になりますが、まいけるの真打ち昇進試験で、そのへんがはっきりしてくると思うので楽しみにしたいです。

まいけるの演目
この真打ち昇進試験で一番楽しんでるのは全生だと書いたけど、一番楽しむのはまいけるのハズです。
全生のアオリに怒る兄弟弟子をよそに落ち着いています。志ぐまの言葉の通りに楽しんで落語をしそうです。
今日、楽しむために落語断ちをしてきていたって解釈でいいのかな?
そのへんの謎も含めて、読者としても楽しんでいきたいです。

注目のまいけるの高座ですが、マクラをやらずにいきなり本編に入ったようです。志ん太の試験時は、まくらが硬かった(あかね評)事も失点だったようなので、それが直接の破門の理由ではないでしょうが、まいけるはまくらはやらない事にしたようです。
この判断は、審査員がどう見るかが気になりますね。

まいけるが話したのは、おそらく「居残り佐平次」のマクラ部分です。
落語には、その日に応じてやる雑談っぽいマクラと噺毎に決められたマクラがあって、まいけるがマクラをやっていないって事でもないんですけど、噺毎に決められているマクラは、マクラというよりも、もう本編に入っているように感じるので、志ん太の政治家云々みたいなその日にしかやらないようなマクラはやらないんだって感じです。

マクラをやらないとイケナイって事でも無いけど、ちょっと笑える噺をやって客席を落語を聞く姿勢にしてから噺をするのが、一般的ではあるし、今回は、全生が落語以外のことに興味をもたせた後ゆえに、マクラをやらないのは難しそうに感じるけど、そこを跳ね返すことで実力を見せるのかもしれませんね。

まいけるの演目はおそらく「居残り佐平次」でしょう。ここでは詳しくどんな噺かは書きませんが、まいけるにぴったりの落語だと思います。
”仁”を教えてくれた兄弟子だけに、しっかり自分の”仁”にあった噺を選んだんだと思います。
どんな噺をやるのか楽しみにしたいです。


しかし、まいけるの落語まであっという間でしたね。この真打ち昇進シリーズは「はじめの一歩」でいう鷹村の世界戦だと思っていたので、鷹村が一歩に世界チャンピオンになるための努力を見せつけるように、あかねにまいけるの真打ち昇進に描ける想いを見せるのかなと予想してたけど、ここまで速いとは、どんな結末が待っているのか楽しみですね。
ということで、今回の感想は終わり。でわでわー。


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