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あかね噺-第106席・今日の主役-感想

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「ツーオンアイス」が連載終了。「願いのアストロ」が連載開始。
「願いのアストロ」については、後日、他の新連載と纏めて雑感を書こうと思うけど、すごく練られた一話で、いくつものヒット作を出してるベテランだなって感じました。
「ツーオンアイス」は、最近のジャンプの鬼門であるスポーツ物でありバディ物という、難しいことに挑戦した意欲作でしたが、人気をつかめないまま終わってしまったという感じです。
逸茂エルク先生は、人間の負の感情に対しての描写が光る印象的な読み切りを描かれる先生です。
なので、今回のひたむきで前向きな主人公像が向いてなかった気がします。
読み切りであったような負の感情にはリアイリティや面白さはあるけど、今回の主人公のような正の感情はリアリティを感じることが出来ず、読者から共感や応援を貰えなかった事が、作品の魅力の弱さになってしまった気がします。
正直、スポーツ漫画も前向きな主人公の話も、向いてない作家だったと思うのですが、あえて、編集部はこういう題材に挑戦させたんじゃないかという気もします。
負の感情が描ける作家だからこそ描ける正の感情があれば、得意な負の感情の面白さがもっと上がる気がします。
厳しい挑戦だったけど、この連載で得たものは次の連載で活かせれば、すごい漫画を描きそうな先生なので、次回作に期待したいです。

◆あらすじ


週刊少年ジャンプ 2024年4月15日発売 19号 

朝がおのお披露目は無事に終了し、打ち上げパーティーを開く。

◆感想


朝がおの出番はすっ飛ばされるかと思ったけど、きちんと二つ目のお披露目が成功したと描かれていて満足。
今回は、あかね噺がよくやるヤツ・志ん太はあかねに何を言うのか?です。

あかね噺がよくやるヤツ
あかね噺がよく使うテクニックで、先の展開を見せて興味を引きながら話を終えて、次の回でその手前の話を挟むってヤツでした。
先の展開を見せることで、繋ぎの話を丁寧にやる事ができるので、今までも何度か使われてます。
今回も、まいけるの真打ち昇進試験で盛り上げておいて、お披露目の大団円を丁寧に描いています。

何かを終わらせれば宴なのは、ジャンプの大看板であるワンピースに習ってるのか、あかね噺でも終われば宴になってますね。
落語家らしいといえば、落語家らしいですけど、馬上先生は元ワンピースのアシスタントをしていたそうなので、そこへのリスペクトがあるのかもしれません。

定番の酔っぱらいギャグも良かったのですが、あかねが二つ目を通過点としか思っていなかった事に気付くのが良かったですね。
朝がおは自分の責任だけど最低でも8年程度は前座をしていて、方やあかねは、2年程度で二つ目に上がります。
苦労して二つ目に上がった朝がおと、前座を駆け足で抜けたあかね、あかねも苦労はしているけれど、二つ目になりたい気持ちは朝がおの方が大きかったろうと思います。

本来は時間を掛けて苦労して二つ目に上がるからこそ、2つめになった喜びや責任感や自信が付く。そこをある意味すっ飛ばしているあかねの近くに、本当に苦労して二つ目にあがる朝がおが居て、二つ目に上がることの嬉しさや周りの祝福を見れることはすごくラッキーだと思いました。
自分が通過点としか思ってなかったことに気付ける感性が、もうあかねが前座としての気働きを身に着けているとも取れました。

志ん太はあかねに何を言うのか?
そういう宴も良いのですが、最後の志ん太があかねを呼び出して何を語るのか?気になります。
これはさすがに次回はこの続きでしょう。

さて何を語るのかだけど、落語の感想とか二つ目昇進おめでとうとか、落語家がんばれよとか、いろいろあるんだと思うけど、わざわざ呼び出してする話じゃないと思います。
人目を避けて話すのなら「謝罪」なのかなって思います。自分のふがいなさから、余計な重荷を背負わせてしまった事を詫びるような気がします。
しかし、あかねがそんなことを望んでいるとは思えないので、何かあかねの重荷を減らす話をするのではないかと想像します。

それはどういう話か?志ん太は落語家を楽しんでいた事や、落語家を破門になった事について気持ちの整理がついている事を話すって事で、自分の落語家人生を語ってあげるのではないかと思います。

まいけるの真打昇進試験が次にあるのなら、志ん太とまいけるの関係を説明する必要があるので、そこに向けての地ならし的な感じで、志ん太の落語家時代(真幸との馴れ初めとかまいけるも含めて)を書くんじゃないかなって思います。

過去編みたいな事はやらない気もしてるんだけど、あかね出生の謎について、語る時期が来てると思うので、もう一回過去編来る予想をしてみたいと思いました。
あかねに、落語家になってくれてありがとうっていって終わるんかもしれんけどね。


狸賽編が終わって、次にどんな展開が来るかを楽しみにしつつ、次回を待ちたいと思います。
過去編が来なかったら、もう過去編予想は辞めようって事で感想終わります。でわでわー。


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