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あかね噺-第105席・口出し無用-感想

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「魔々勇々」が連載終了。
ファンタジーRPG的な世界をマルチバースで繋いで、優しい世界を守るために戦う勇者の物語で、面白い題材の漫画だったけど、あえなく連載終了になりました。
面白いしテーマも良かったんだけど、主人公に感情移入できない、作品から感じる読者の期待と、作者の描きたい漫画とのズレが埋まらないまま、終わってしまった感じがしました。
単なる読者の、勝手な感想ですけど、主人公の優しさが、未熟な勇者である事も手伝って、幼稚な理想論に見え、思考の納得感が低く、感情移入出来なかったかな?
話し合いで解決する事が正しいのは良いけど、主人公が試行錯誤の末にそこにたどり着く物語のほうが、感情移入しやすかった気がする。
その中で、バトル漫画として求められる部分を見せてれば、幅広い読者も見やすくなったんじゃないかと思いました。
あかね噺の、お茶汲みの時のフランス料理とカツ丼みたいな話です。
ただ「魔々勇々」は作者の人としての優しさが、すごく溢れている漫画で、そこは本当に良かったので、次回作があれば、ぜひ読みたいです。

◆あらすじ


週刊少年ジャンプ 2024年4月8日発売 18号 センターカラー

高座を終えた泰全は、あかねに二つ目昇進の許可を出そうとする。
そこへ、全生が来て反対するが、泰全はあかねに二つ目昇進の許可を出す。

◆感想


狸賽編は、ここで終わりかな?あかねの二つ目の昇進を決め、次の展開にスムーズに繋げる話作りが、この漫画らしいテンポの速さで、連載2年と思えないほど、読者を引き付ける姿勢がすごいと思いました。
今回は、全生師匠・真打ち昇進試験、について書いていきます。

全生師匠
わがままの権化と説明したことで、ストッパーが外れたかのような全生師匠の暴れっぷりが面白かったです。
街なかで、あそこまで怒り狂ってたら、落語家としての知名度もそこそこありそうな人物だけにSNSに動画あげられて炎上してもおかしくないと思いますけどね。
心のなかで怒りをためきれず、体が反応してあそこまで暴れてしまうのは、ある意味可愛げのある人にも感じました。
機嫌の良い時は、周りも楽しくしてくれそうな気もしますけど、周りにいる人は振り回されて苦労しそうです。

しかし、一話の全生は、志ん太の落語に対して、しっかりと批評している感じや、一生の破門宣言に対しての表情を見ると、今の全生とは違う個性だった気がします。
一話なので、キャラがそこまで固まってなかった&全生の志ぐまへの確執なんかを入れ込んでしまうと、話が濁ってしまうので、あえて落語を説明するモブキャラとして書かれていたのかもしれません。
とはいえ、整合性を整えてくる作者だと思っているので、コレを伏線にして、破門騒動以降に全生と志ぐまの間に何があった可能性もありますね。

でも、志ぐま一門を全生が良い感情を持つわけないなって思います。
自分の弟子である泰全に話してる所に割り込んで啖呵を切る前座あかね。
目も見ないで「とっとと失せろ」と相手にしてない感バリバリの兄弟子志ぐま。
ポッケに手を入れたまま、なめた口聞いてくる二つ目まいける。
業界でそれなりに名の知れている人に対しての態度がなって無さすぎです。
志ぐま一門は、基本的に礼儀が全くなっていないので、嫌われても仕方がない気がします。
演出上、カッコよさを優先してるので、ある程度は仕方が無いと思うけど、表面的にはしっかりとした礼節を尽くす方が、あかね達の格が上がる気がします。
ヤンキーが粋がってカッコつけてる様に見えて、逆にカッコ悪く見えました。

真打ち昇進試験
志喜彩祭の時に、今後の展開が紹介されました。あかねの二つ目、ぐりこの関西遠征、こぐまの四人会、亨二への三禄の電話、そしてまいけるの真打昇進で、あかねの二つ目の次が何かなと思っていたのですが、まいけるの真打ち昇進になるみたいです。

あかね噺は、あかねが阿良川の落語家に出会っていく話なので、志ぐま、魁生、一生、一剣、泰全ときて、今回は全生のターンかなと思います。
真打ち昇進試験という事で、改めて一話を見直してみたのですが、志ん太の真打ち昇進試験の審査委員長の一生について「今年の真打ち昇進試験の審査委員長は」として一生が紹介されているので「今年の審査委員長」が全生かもしれないです。

その真打ち昇進試験というのは、明確な形が存在しません。落語協会や立川流には、存在したのですが、時期に追ってやり方が変わっていますし、現状真打ち昇進試験と言うの物は、ほぼ無くなってしまっています。
志らく一門では、真打ち昇進試験があるんですけど、これも明確な試験方法は無く、志らくが良いと言えば真打みたいな事であって、試験ではあるんでしょうけど、試験というよりは、師匠に真打に認められのかという所を魅せる興行に近いです。

一話の昇進試験も、客を入れて審査する興行な部分も大きく、「今年の」と付いている事からも、毎年る師匠に二つ目が落語を見せて講評を貰うイベント色の強い試験なのかなと思いました。
志ん太の昇進試験以降、真打ちになった落語家は居ないとの事ですが、毎年試験が行われているのかも気になります。
なぜ、真打ちが出なくなったのか?については、志ん太の破門以降に真打ち昇進試験そのものが、破門を賭けてやる類のものになってしまい行われていない。もしくは志ん太の落語を超えないと真打にしないというラインが引かれたことで、ハードルが上がりすぎている。など考えられます。

あかね噺の真打ち昇進試験には、謎がまだまだあるので、まいけるの真打ち昇進試験でいろいろ明確になるのが楽しみです。


あかねの二つ目への課題、落語50席、歌舞音曲もクリアに向けて動いてるとは聞いているものの、あっさり身につきましたで終わるのかな?四天王からの推薦が一番大きな障壁なので、それ以下の障壁は書かない気もするけど、次回はどこから始まるかにも期待です。
ってことで感想はここまで、でわでわー。








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