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「やさしい日本語」にする力

こんばんは。

今日、凡人社のハイブリッド日本語サロン研修会に参加しました。

テーマは「『やさしい日本語』普及のための教材『にほんごこれだけ!』」です。


時間がある時はこのようなセミナー積極的に参加するようにしています。

オンラインで参加できるのが本当にありがたいですね。

さて、このセミナーに参加して思ったことを今回は書きます🙌

教材の紹介

このセミナーではボランティア教室で使える教材『にほんごこれだけ!』の紹介がされました。

皆さんは使ったことがありますか?

わたしは使ったことがありませんし、今回参加するまで知りませんでした😰

「これだけ!」ということもあって、文法項目は少なくテキストの構成はトピックシラバスです。

1課は食べ物、飲み物についての内容です。

ここで出てくる文型は

「~をたべました/たべましたか」
「はい、~/いいえ、~」
「~をのみました/のみましたか」
「~で(~のなかで)~がすきです」
「にほんのりょうりは~(味の形容詞)です」

です。

これらの文型を使って話を広げていきましょうという使い方になっています。

どれも簡単な質問から会話を始めます。

「あさ~をたべましたか」
「あさ~をのみましたか」
「~でなにがすきですか」

確かにこの質問からでも結構話を広げることができるし、学べる語彙もたく
さん出てきますね。

話を広げやすい工夫がされています。

私も使ってみたくなりました!

語彙>文法?

そして、研修会では教材の紹介のほかに、日本語能力に関する基本的な考え方の話もありました。

今回の講師の岩田先生がおっしゃっていました。

OPI(会話能力試験)で中級を取るためには「みんなの日本語」13課までの文法で足りる。

え!!?みんなの日本語50課まであるのに13課で中級!?

というのもこのOPIは「ACTFL-OPI」のことで、会話能力を測るインタビューテストです。

レベルは10段階。
「超級、上級‐上、上級‐中、上級‐下、中級‐上、中級‐中、中級‐下、初級‐上、初級‐中、初級‐下」です。

多い~。

10段階で評価の幅も広いので「中級」とレベルも幅広いです。

中級‐下がN5、中級‐中がN4、中級‐上がN3というイメージです。

って考えたら13課までだと文法項目少なくない??って思うのですが、

これはデータに基づいているそうで、論文があるということでした。

こちらの本ですね。

読んでみたくなりました。


しかし、文法は13課まででOKというのですが、問題なのは「語彙」です。

教科書に出てくる語彙は、生活で使う語彙なのか。

実際、日本人と話す場面で使われる語彙なのか

正直、今の世の中これは使わなくない?っていう語彙もありますよね。

語彙は13課までのものだけでは足りないとおっしゃっていました。

だから、文法を減らして「生の語彙」を提示したり、紹介することが大事だそうです。

確かに文法わからなくても言葉だけ聞いてなんとなくわかることもありますもんね。

文法も大切だけど、語彙はもっと大切なんだと改めて思いました。

私も今後レッスンで積極的に生活の中の語彙を教えたり、紹介していきたいと思いました。

『「やさしい日本語」にする力』とは。

さて「やさしい日本語する力」とは何でしょうか。

調べればいろんなルールがあります。

例えば、

「です・ます」で話す

復文は使わない(例:危ないですので、線の内側までお下がりください)

などですね。

簡単に言うと「やさしい日本語に言い換える」ってことですね。

簡単そうに聞こえるこの「言い換える」

でもこれが結構難しいんですよね。

岩田先生が教えている大学では、学生が日本語ボランティアをしているそうです。

そこに参加している学生は10回ぐらい参加すると言い換えが自然にできるようになってくる、ということでした。

確かに最初は難しいですよね。

丁寧に言おうとして敬語使ったら余計伝わらない、みたいな。

意識して話さないと最初は難しいと思います。

私は一応慣れました😅

日本語学校の時は毎日留学生と話していたので自然と身についたと思います。

「やさしい日本語に言い換える」は慣れなのかもしれませんね。

「言い換える」+α

私は「やさしい日本語に言い換える」とは別に気をつけなければいけないことがあると思います。

それは

相手に合わせた語彙を使う。

相手に合わせたスピードで話す。

つまり、「相手に合わせる」ということです。

当たり前なこと言ってます😅

でも今回研修に参加しながら日本語学校で働き始めた頃のことを思い出しました。


理由の「〜から」と「〜ので」の話です。

何かを説明する時、私はよく「〜ので」を使っていました。

なので(←これですね)、初級の留学生に対しても例えば

「べんきょうは9じからなので、8じ55ふんまでに学校へ来てください」

みたいな言い方になっていたと思います。実際言ってたかは忘れました🙄

でも先輩の先生から「ので」は使っちゃダメだよ、言われました。

どうしてかわかりますか。

「初級の留学生」がポイントです。


それは教科書出てくる理由は「〜ですから」だからです。

といっても後から「ので」も出てきます。

でも最初は「から」です。

これを言われてハッとしました。

学習者に合わせた話し方をしないといけないんだなって。

もっと言うと教科書と同じ言葉使わないと通じないんだなって。

通じないというか、学習者が混乱するから、ですね。

「~ので」→「~から」

これも「言い換え」ですよね。

これを言われてからかなり意識するようになりました。

教科書の言葉を意識しすぎて、

もはや普段から家(いえ)を家(うち)と言ってしまいます笑

(おそらく日本語教師あるある)


でも、学習者が理由の「ので」を知っていたらそのままでもいいんです。

ただ、学習者の使用している教科書や学習状況等によります。

「みんなの日本語」を使っている学習者に対してであれば「~から」を使ったほうがいいです。

何が言いたいかというと、「相手に合わせて」「やさしい日本語に言い換える」っていうのが大切なんだということです。

やさしい日本語に言い換える、

じゃあどんな言葉にするのか。

どのくらいやさしく言うのか、どの程度まで言い換えるのか。

全て学習者次第です。

私が言いたいからこの言い方で言います!って人はさすがにいないと思いますが笑、

自分じゃなくて、学習者第一。相手に合わせます。

この根本的な考え方がないと日本語学校でも、ボランティア教室でも学習者と話すのは大変かもしれません。

通じなくてイライラする〜😩、は日本人側に問題があると思います。

まあ、これは日本語学習者に限った話ではなく、小中学校の先生と生徒・学生間でも同じことです。

子どもにわかってもらうじゃなくて、わかってもらえるようにコントロールするのが先生でしょ!って言いたくなる先生もいます。

皆さんの周りはどうですか?😅

まとめ

今回のセミナーに参加していろいろなことを考えました。

考えがうまくまとまっていませんが、アウトプットしたいと思って書きました。

自分の失敗話を思い出して懐かしくなったり、これからのレッスンで気を付けたいこと・意識したいことを考えることができました。

学校で働いていないので、日本語教育についての話を聞く機会が減ってしまいましたが、このような研修会に参加することで、考える機会を得ることができます。

非常に貴重な時間です。

皆さんもぜひ参加してみてください😀

いろんな気づきがありますよ。

終わり


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