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【前編】 幸せと国際競争力が両立する国 「デンマーク」 のあれやこれや

2024年5月4日から1週間ほどデンマーク社会を様々な角度から学ぶことのできるスタディツアーに参加して来ました!プログラムを通して、「こんなに面白く、整った国があるのか…」と感動し、ぜひいろんな人にシェアしたいと思いnoteに書いてみることにしました!

結構な量になりそうなので、特に印象に残ったところを紹介することにします!気軽に読んでみてください!

そもそも何故デンマークに?

デンマークは人口が590万人(千葉県人口と同じくらい)で、面積が九州ほどの比較的小さい国。幸福度ランキングの上位の常連だったり、教育費や医療費が無償などのイメージは大体の人が持っているのではないでしょうか。

私が初めてデンマークと触れ合ったのは、約5年ほど前。その当時のインターン先で「ヒュッゲ」が行われていたのだ。ヒュッゲとは、デンマーク人の生活に深く根付いている価値観のようなもので、直訳が難しいとされるがざっくりと「居心地の良さ」や「楽しい時間」を意味する。そのような"ヒュッゲ"な時間が会社の中に取り入れられていたのだ。ヒュッゲに欠かせないと言われるキャンドルが会社の一角に用意されており、それを囲むように大人たちが床に座っていた。
詳しい経緯はわからないが、おそらくコミュニケーションの一環で取り入れられていたのだろう。その当時の私は、興味はあるものの異様な光景にビビってしまい結局一度もヒュッゲ会に参加しないままインターンが終わってしまった。

そこからしばらく経ち、今年の初めに『デンマーク人はなぜ4時に帰っても成果を出せるのか』というキャッチーな名前の本に出会った。この本では、その名の通りデンマーク人が無駄に働くことなくどのように成果を出しているのか、その背景にある文化や理由がまとめられている。(面白いしすぐ読めるのでぜひ読んでみてください!おすすめです!)

この本を見て驚いたことがある。ざっくりというと「デンマークは幸福度が高く、かつ国際競争力も高い」ということ。社会人として働くうちに、自然と「プライベートの幸せを尊重するとビジネスやキャリア的な側面が疎かになる」という考えが形成され、二者択一的な考えに陥っていた自分にとっては結構な衝撃だった。そこから、デンマークにますます興味が湧き、また個人的にデンマークのインテリアや建築、空間デザインが好きということや、ヒュッゲも体感してみたいし、もういっそのこと行ってしまおう!と、行くことを決めた。

空港や街を散策して思ったこと

デンマークの首都コペンハーゲンの空港に着いた時にまず思ったことは、静かということ。BGM的なものやアナウンスもそこまでなく、人の声も心なしか控えめで落ち着いている印象を受けた。後に聞いたことだが、デンマークではノイズポリューションに敏感らしく、確かに空港だけではなくその後の旅を思い返しても、街やカフェでもそこまで大きいBGMをきかなかったし地下鉄のアナウンスも控えめだった。

プログラムの集合はコペンハーゲン市の中心だったので、集合時間までは一人で街を散策した。デンマークは幸福度が高いという印象や、ゆりかごから墓場までなどのフレーズが象徴するような福祉社会を思い浮かべる人が多いと思う。日本とは遠く離れた国に思いごちだが、実はとても身近な国であり馴染みのあるデンマーク発のブランドが多くある。表参道にも展開する雑貨屋さんのフライングタイガーや、LEGO、ジュエリーブランドのPandoraや最近流行っているHay や Ganniも全てデンマーク初のブランドだ。なんなら、H&Mも。小さい国でありながら世界的に有名なブランドを多数生み出しているのだ。それでいて帰宅は基本16時頃で、夏には1ヶ月もの休暇がある。幸福度も高い。不思議だ。

コペンハーゲン中心に流れる運河
表参道でも人気な HAY


ストロイエ通りのデパート
デンマークの家具やインテリアがたくさん!

そしてインテリアも本当に素敵だった。デンマークは冬がとても暗くて長いことで有名で、小学生が学校に行く頃はまだ外が夜中のように真っ暗で、日中はどんよりとした天気が続き、そして帰ってくる頃にはまた日が沈んで真っ暗になってしまうほど。だからこそ家にいる時間を楽しく温かいものにするためにインテリアが発展してきたそうだ。そして暗くて長い冬が明けた春や夏には、デンマーク人は冬の間ずっと隠れていた太陽を求めるかのように外に出るそう。私が行ったのは5月の気持ちの良い太陽が注ぐ初夏のような季節で、厳しい冬が来る国だとは思えないほど明るくて暖かくて、外ではプールで泳いでいる人やレストラン脇にある海にダイブしている人、友達や家族と外のウッドデッキでのんびりとにこやかにお話ししている人などがたくさんいた。自分達を取り巻く自然を受け入れ、楽しむ姿がなんだか素敵だなと思った。

そんなこんなで、プログラム前の散歩ですでにデンマークの素敵さを体感した後、プログラムメンバーとホテルで合流しさっそく初日の工程がスタートした。

ヒュッゲ空間でニューノルディック料理を味わう

初日の夕食には、ニューノルディックスタイルの夕食を食べた。もともと(結構最近まで)デンマークのご飯といえば大分質素なものが多かったらしいが、ここ数十年で一気にニューノルディックと呼ばれるスタイルが出てきたそう。ニューノルディックとは、予約の取れないコペンハーゲンの大人気レストラン「noma」が先駆けとなった新しい北欧の食文化で、自然との調和や地元への敬意、倫理観などの10項目の指標をクリアした料理のことを言うらしい。夕食のお店は、足を踏み入れた途端「これぞヒュッゲだ…」というような暖かい空間だった。明かりは控えめでキャンドルが至る所に灯されていて、気をつけていないと服に燃え移るくらいに壁にびっしり。空間が最高に素敵で、テーブルウェアもニューノルディック料理も最高で、大切な人と食事を共にすることを大事にしているんだなと感じた。

暖かいヒュッゲな空間…
壁にたくさんのキャンドルが!
ニューノルディック料理

夕食の後は、Mikkellerというこれも有名なデンマークのビール屋さんで一杯飲んで、ホテルへと戻った。ここもまたヒュッゲな空間で、初めて会うプログラムメンバーとも自然と話しが弾む最高な雰囲気のお店だった。


コペンハーゲンを自転車で駆け巡る!

2日目は、コペンハーゲンを自転車で散策した。コペンハーゲンはコンパクトで、かつとてもフラットな土地だ。昔は車も多かったそうだが、現在は自転車の人が過ごしやすいように都市がうまくデザインされている。例えば、電車にも自転車を乗せてOKだし、自転車しか走ることができないスネーク道路と言われる橋があったり、40km/hで走ると信号に捕まらずに走ることができたり、みんな手信号を使って後ろのサイクリストに配慮していたり、とても自転車フレンドリーな街の設計になっていた。日本では最近シェアサイクルが進んでいるが、まだまだ自転車で走っていると肩身の狭い思いをする。自転車は車道を走ることになっていて車道に自転車のためのマークがついているものの、都心部にいると路上駐車や交通量の多さから危険を感じたり、駐輪できるスペースが少なかったり。道幅を削ることになるが、「車道や歩道と同様に明確に自転車のための道ができたら嬉しいのになあ」なんて思ったりした。

平日16時半の帰宅ラッシュ。
自転車ユーザーが多い!
大きな荷物や人の移動のために生まれたデンマーク発のクリスチャニアバイク。
町中でよく見かけました!


またコペンハーゲンの自転車施策では、自転車を推進するメリットとして、車の排気ガス問題の解決や都市部での駐車場問題、渋滞の問題の解消はもちろん、国民の運動不足解消にもなると捉えて、国が主体となって推進している。そんなところにもなんだか魅力を感じた。デンマークは健康でいることに非常に敏感で、昇降式デスクを従業員が求めたら雇用主は付与しないといけないという法律すらあるそうだ。そして、このように国民の健康を守ることは、結果的に医療費を抑えることにもつながるという、とてもデンマークらしい包括的な課題解決だ。


まだまだ紹介したいことがたくさんあるので、続きは後半にて!


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