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02.【じぶん株式会社(仮) 第一期】 個人にとっての外見は企業にとってのブランドである、という話など

 結婚するなら、美しい人がいいですか?誠実な人がいいですか?
 美しさや誠実さ、それらの要素を、あなたはどのような定規ではかっていますか?

 今回は、株未経験者の方向けに、「経理事務のおねえさん」の実例を交えつつ書きます。

 以下目次です。お付き合いください、よろしくおねがいします。

――目次――

・東証一部って、そんなにすごいの?
・株価の指標ありすぎ問題

 さて最近、暖かくなってきましたね。外に遊びに行きやすい一方で、着る服に困る季節がやってきました。

 というのも、私の勤務先は制服がなく、私服で業務に勤しみます。ここで問題になるのが、フォーマルな服を好む社員とおしゃれな服を好む社員、どちらの印象もよくなるような服を着る必要があるということです。

 フォーマルに寄りすぎると堅苦しい印象を与えてしまいますし、おしゃれさに寄りすぎると浮わついた印象を与えてしまいます。毎シーズン「フォーマルとおしゃれがちょうど良いバランスを保つ勤務用私服」を週5で着回しできるように仕込むのに一苦労しています(と言いつつ実はまだフォーマル寄りで、おしゃれ要素が足りないため、勉強中です)。

 「服くらいなんだって、仕事ができればなんでもいいじゃん」

 と、何度思ったかわかりません。それでも私が服にも気を使うのは、印象操作によって、仕事のチャンスを掴むためです。相手にとって好ましい外見をするだけで、そうでない場合に比べて、私の印象は良くなります。印象が良ければ、仕事を受けてやろう、または、任せてみようと思ってもらえる可能性が高まります。チャンスが広がるというわけです。

 ◎服装軸の分け方が「フォーマルさ」と「おしゃれさ」の2軸だけでよいのかという話はまたいつか。

 個人だけでなく、企業にとっても自身の印象、言い換えれば「ブランド力」を向上させることは大切です。なぜなら、ブランド力が高い企業は、そうでない企業に比べて、儲けるチャンスが増えるからです。他社との交渉テーブルに強気で臨むこともできるでしょうし、広告頻度が低くても顧客の認知度を高く維持することもできるでしょう。企業の場合も、個人の場合と同様チャンスが広がるというわけです。

 ここで視点を変えて、株主視点で考えていきましょう。

 新しい銘柄を買うときに、有名な銘柄が良いですか?割安な銘柄が良いですか?それらの要素を、あなたはどのような定規ではかっていますか?

 銘柄選択の時に使える定規は、驚くほどたくさんあります。ぜひ私と一緒に、使える定規を増やしませんか?


――東証一部って、そんなにすごいの?――

 銘柄が所属するグループについてのお話です。たとえて言うなら、気になる彼の勤め先。特にまだお互いのことをよく知らない場合、彼の勤め先は気になりますよね。大企業か、人気企業か、お給料が高いか…これらの属性は、気になる彼がどんな人なのか判断する基準となります。同様に、銘柄が所属するグループは、気になる銘柄がどんな企業なのか判断する基準となります。

 そもそも株は、証券取引所を通じて購入する必要があります。世界各国に証券取引所は存在しており、そのうち日本に存在する証券取引所は以下の4つです。

・札幌証券取引所
・東京証券取引所(※1)
・名古屋証券取引所
・福岡証券取引所

 ※1 大阪証券取引所(現:(株)大阪取引所)は、2013年7月16日に東京証券取引所と統合(現物市場取引統合)したとのこと。

 さて、みなさんもうお気づきかと思いますが、「東証」とは「東京証券取引所」のことです。日本国内各地の証券取引所を吸収合併した結果、上場企業数合計3,560社(2017年4月30日 現在)を誇る世界トップ規模の証券取引所の1つとなりました。なお他の上場企業数は、札幌証券取引所 57社(2017年2月23日 現在)、名古屋証券取引所 296社(2017年5月2日 現在)、福岡証券取引所 112社(2017年3月14日 現在)です。東京証券取引所の取扱銘柄がいかに豊富か見て取れます。

 こんなにも銘柄がたくさんある東京証券取引所ですから、銘柄をいくつかのグループに分けて管理しています。そのグループは以下の6つです。

・第一部
・第二部
・マザーズ
・JASDAQ スタンダード
・JASDAQ グロース
・Tokyo Pro Market(※2)
 ※2 プロ投資家向け

 各グループに上場するためには審査基準をクリアしないといけません。たとえば時価総額見込みに関して、マザーズに上場するためには10億円以上、同様にJASDAQに上場するためには5億円以上必要です。

 さて、ここまで読んでいただいたみなさんはもうお気づきかと思いますが、「東証一部」とは「東京証券取引所の第一部(トップグループ)」のことです。「東証一部」に所属するためには、時価総額見込みに関して、250億円以上(!)必要です。もちろん一旦上場できたとしても、「東証一部」に値しない企業であると判断されてしまうと、他のグループへ降格させられてしまいます。最近だと、「東芝が東証二部に降格するかもしれない」ということを耳にしたことがある方も多いのではないでしょうか?つまり、「東証一部」に上場して維持している企業は、それだけの資本・体力があるということです。

 気になる男性が有名企業に勤めている場合、「きちんと教育を受けてきた人だろう」、「お給料はあのくらいもらっているだろう」など予想して安心することができます。ただし、勤め先だけでは彼の性格や趣味、貯金額を知ることはできません。企業の場合も同じです。気になる銘柄が「東証一部」に上場している場合、安心することができますが、さらに詳しく見ていくためには、上場市場以外の指標を見る必要があるというわけです。

 以上、「東証一部」はすごいよ!でも好きになるためには、他の要素も見るよね。というお話でした。


―― 株価の指標ありすぎ問題――

 銘柄を判断する際に用いる定規についてのお話です。たとえていうなら、気になる彼のスペック。彼のスペックを見るときに、何を重視しますか?顔、性格、家柄、将来性…。軸がたくさんある上に、その軸の中でどういった内容を好ましく思うかは、個人によって異なります。それでも、自分の好みの軸・内容を把握して、気になる彼にアプローチしますよね。銘柄も同じです。扱い業種、資本比率、割安性、将来性…。どういった内容を好ましく思うかは、株主によって異なります。それでも、自分の好みの軸・内容を把握して、気になる銘柄にアプローチすれば良いんです。

 株を始める前は、すべての指標を把握しないと株取引できないと自分をがんじがらめにしていました。損をしたくない気持ちが大きすぎたんだと、振り返って思います。言い換えれば、「女性を大事にしてくれる男性の特徴10選」や「将来出世する男性がしていること5選」など、サイトや掲示板を読んで妄想するばかりで、実際に男性と接することなく過ごしているようなものです。

 そのことに気づいた後、おそるおそる少額で株をはじめてみました。たくさん失敗しました。上昇志向!なんて思って高値をつかまされたこと。損切!なんて思って底値をつかまされたこと。どれも金銭的にはマイナスですが、とてもいい勉強になり、知識的にはプラスとなったと思っています。最近では会社に投資すると同時に、自分にも投資するようなものだと考えて、とても前向きに投資に向き合えているように思います。今回は、そんな私が最も重視している指標の一つ、銘柄の割安性を判断する指標「PBR」について書きます。

 PBRとは株価純資産倍率のことで、株価を一株当たりの純資産で割った値です。この値が0に近ければ近いほど、割安であると言われています。かみ砕いていくと、株価とは一株当たりの売買基準金額(売値)のことです。一株当たりの純資産とは一株当たりの会社の財産(原価)のことです。通常、原価が売値を上回ることはありませんよね?たとえば、通常原価100円で仕入れたものは売値120円で市場に出されます。しかしその後、需要と供給のバランスによって値下げが進み、売値80円で市場に出されることがあります。この事例でPBRを計算してみると下記のようになります。

・通常時:120/100=1.2
・値下後:80/100=0.8

 値下後のPBRのほうが、0に近い値です。つまり、PBRの値が0に近ければ近いほど、割安であると言えるわけです!

 指標の正しい読み取り方は、しっかり勉強する必要がありますが、それをどう使うかは使い手によって異なります。私が特にこのPBRを重視する理由は、心の安定剤として使えるからです。長く株を持っていると、どうしても株価が下がり続けてしまうことがあります。そんなときにはPBRが1を切っているという事実が、自分を支えてくれます。笑 株価下落のインパクトで動揺した自分を冷静にしてくれるPBRのおかげで、最近は底値をつかむ回数が減ってきたように思います。ありがとうPBR。

 以上、みんなはどんな銘柄が好き?私はPBRが0に近い銘柄が好きだよ!というお話でした。(株式購入を促進する意図はありませんので念のため申し添えます。)


――次回予告――

 GW中に銘柄検索しようと思っていたのに、案外リア充生活となってしまい調査不足感が否めず、休み明けの市場がちょっと不安な経理事務のお姉さん。きれいなホテルから帰ってきて自宅の設置物の無駄の多さを痛感し、物の棚卸を決意するも、疑問がいっぱい。棚卸ってもの数えるだけでいいの?目的は物を捨てること?ミニマリストになるの?

・そうだ、物の棚卸をしよう。
・株主資本比率って、低くても良いのでは?
・ぷちコラム―ふるさと納税の返礼品は本当に減っちゃうの?—

次回は以上3点でお送りする予定です。それではみなさま良い経営ライフを!

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