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「あなたの感じ方はあなただけのもので…」

あなたの感じ方は あなただけのもので 誰にも責める権利はない

 ヤマシタトモコさん作の「違国日記」と言う漫画に出てくる言葉です。「違国日記」は、ある日突然事故で両親を亡くした主人公の田汲朝(15)と、彼女を引き取った人見知りの小説家であり朝の叔母にあたる高代槙生(35)の手探りな同居生活を描いた漫画です。

 このセリフは両親を亡くした直後なのに悲しんでいない自分を「へん」だと思っていた朝に対する槙生の言葉で、次のように続きます。

日記を…つけはじめるといいかも知れない この先誰があなたに何を言って …誰が何を言わなかったか あなたが今… 何を感じて 何を感じないのか たとえ二度と開かなくても いつか悲しくなったとき それがあなたの灯台になる

 最初に読んだ時には「いい言葉だな」くらいの感想だったのに、いつしか私はこの言葉をお守りのように握りしめるようになっていました。

 私より苦しい状況にいる人もいるんだから苦しんじゃダメだ…、私の考えすぎかも知れない…、私が弱いだけかも知れない…、私が間違っているのかも知れない…

 いつもの癖でこんな風に考えてしまう時、心の中で何度も唱えます。

「私の感じ方は 私だけのもので 誰にも責める権利はない。 私の感じ方は… 私だけのもので…」

 唱えたところで現状は何も変わらないけれど、言葉や態度に出す時には「私だけのもの」ではなくなってしまうけれど、

 それでも私の内面の「私」はなんだか少し赦された気になるのです。

 私はずっと誰かに赦されたかった。


「あなたの感じ方は あなただけのもので 誰にも責める権利はない」

…私を見つけてくれた、貴方も。 

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