月のうらがわ書店

北海道十勝エリアを中心に活動する野良の移動本屋。古書ではなく主に新刊を発売しています。…

月のうらがわ書店

北海道十勝エリアを中心に活動する野良の移動本屋。古書ではなく主に新刊を発売しています。実店舗はありません。月のうらがわ書店が大切にしていることと、店主が考えていることを書き集めています。

マガジン

  • 私と韓国のちょっといい関係

    韓国文学にハマって韓国語を勉強し始めたら韓国語が楽しくてのめりこんでしまった店主と韓国のあれこれ。ARMYでもある。

  • 月のうらがわ書店のよしなしごと

    月のうらがわ書店の店主が日々考えたことをまとめています。不定期更新。

最近の記事

人の価値は「どれだけ稼いでいるか」で決まるものでは決してないはずなのに。

「忙しそうだね」とよく言われる。 全然そんなことないのに。 どうして忙しそうだと思うのだろう。 仕事もなくなりそうだというのに。 2023年。 私は本当に怠惰だった。 社会人11年目の年だったが、おそらく今までで一番働かなかった。労働時間的に働かなかったのではなく、その密度において本当に簡単にできる仕事しかしなかった。 前年(2022年)の年末に父を亡くしたこともあり、上半期は特に体調が悪かった。いつも悲しくて泣いていたし、天気が悪くなれば頭痛、さらにひどいときは歯痛に

    • K-BOOKフェスティバルに行ってきた(後篇)

      ほらね。 こんなに時間が経ってしまった。絶対に勢いで書いた方が良かったのに、もう1ヶ月も前の話になってしまった。何のためにこんなに熱量を込めて書いたのだろうという気持ちが拭えないまま、12月を過ごしていたら「後篇楽しみにしています」という声をもらった。書き進める気になった。 改めて11月25日(土)と26日(日)に東京は神保町にて行われた「K-BOOKフェスティバル」を勝手に振り返る。今回は2日目のレポートである。 ❶ イ・テゴン×内沼晋太郎対談 日韓の本屋の未来を語る

      • K-BOOKフェスティバルに行ってきた(前篇)

        父の一周忌が12月初旬に控えていたので、有給を取って長めの休暇を取り、11月最後の週末に東京は神保町にて行われたK-BOOKフェスティバルに初参戦した。 文学に留まらず、エッセイやノンフィクション、絵本に人文書など、近年、出版業界で一大ジャンルを築いている「K-BOOK=韓国の本」の祭典である。11月25日(土)、26日(日)と2日間にわたって開催されたが、韓国から著者を招いたトークイベントあり、出版社による韓国関連書籍の直売あり、訳者がブースにおられる時間もあり、韓国の版

        • 「また韓国行ったら買えばいっか」って思えた8年ぶりの渡韓。

          先日、化粧用のパフが欲しくて近所のドラッグストアに行くと、韓国の大手ドラッグストア「オリーブヤング」のオリジナル商品(パフとメイクアップブラシのセット)が売られているのを発見した。 そのときに、咄嗟に思ったのは「あー、失敗した。韓国で買ってくればよかった。でもまぁいっか。また行くときに買ってこよ」だった。 家に帰ったあと、そのときの自分を反芻した。 あ、私また韓国に行く気でいる。 私、今、韓国がすごく好きなんだ。 9月半ば。私は8年ぶりに韓国へ行った。 * 仕事柄

        人の価値は「どれだけ稼いでいるか」で決まるものでは決してないはずなのに。

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        • 私と韓国のちょっといい関係
          2本
        • 月のうらがわ書店のよしなしごと
          3本

        記事

          「泳ぐ」ってもっと気持ちいいことだと思ってた。

          プールへ行こう。 そう思った。そう思わざるを得ないほど、今年の北海道は暑すぎた。周りの友人や知人から立て続けに「町のプールに行ってるんだけど」という話を聞いたことに影響を受けたし、万年ダイエットをしている身としては「泳ぐのは消費カロリーが高い」というお得さも欲望に拍車をかけた。 今年の夏くらいから「35歳をどう過ごすか」は計画を練り始めていたので「やらなくなって久しくなったこと」第1弾として「泳ぐ」を決行しようと決めた。 もともとプールの授業は、好きでも嫌いでもなかった

          「泳ぐ」ってもっと気持ちいいことだと思ってた。

          35歳になったので文章を書いた。

          大学生のとき、バイト先のカフェで一緒に働いていた2歳上のお姉さんとは今も付き合いがある。全体的にこぢんまりとしていて、美しい黒髪のボブヘアに、耳にはピアス穴がいくつも開いていて、メタルやロックが大好きなお姉さん。彼女が25歳の誕生日を迎えたとき、愛嬌とアイロニーを同じくらいに織り交ぜて 「四捨五入したら立派な30歳です(ニコッ)」 と言ったのを、私は今でもずっと覚えている。 …そうか。25歳は四捨五入したら30歳なのか。 その発言を聞いた2年後に、私も晴れて25歳を迎

          35歳になったので文章を書いた。